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ハンナ・アーレント(その1) [探求]

 今回から、スタンフォード大学・哲学百科事典の「ハンナ・アーレント」(執筆者はMaurizio Passerin d'Entreves)を見ていくことにする。語られる項目は、1.略伝、2.序論、3.近代性についてのアーレントの考え方、4.アーレントの行為理論、5.アーレントの判断理論、6.市民であることについてのアーレントの考えかた、となっている。まずは、1.から見ていこう。


Hannah Arendt: By Maurizio Passerin d'Entreves.
   
http://plato.stanford.edu/entries/arendt/






「  1. 略伝 ―― ハンナ・アーレント(その1)

 
  20世紀を代表する政治思想家の一人であるハンナ・アレントは、1906年にハノーバーで生まれ、1975年にニューヨークで亡くなった。1924年に、高校の学業を終えた後、彼女はマールブルク大学に進学し、マルティン・ハイデガーのもとで学んだ。ハイデガーとの遭遇――短いが強烈な恋愛関係に発展した――は、彼女の思考に永続的な影響を与えた。マールブルクで一年間学んだ後、フライブルク大学に移り、そこで一学期間エトムント・フッサールの講義を聴講した。1926年の春、彼女はカール・ヤスパースのもとで学ぶためにハイデルベルク大学に移ったが、ヤスパースとは長期にわたり知的・個人的な友情を育むことになる。1929年、ヤスパースの指導のもとで「アウグスティヌスにおける愛の概念(Der Liebesbegriff bei Augustin)」(これ以後LAと略記する)と題された博士論文を完成する。

  1933年、ヒトラーが権力を掌握した結果、彼女はドイツを去ることを余儀なくされ、プラハとジュネーブに短期間滞在した後パリに移り、そこで6年間(1933年から1939年)にわたってユダヤ人難民の多くの組織のために活動した。 1936年、彼女は最初の夫であるギュンター・スターンと離婚し、ハインリヒ・ブリュヒャーと暮らし始め、1940年に結婚する。パリでの滞在中に、ラーヘル・ファルンハーゲン(Rahel Varnhagen)についての伝記を執筆し続けたが、それは1957年まで出版されなかった(RVと略記)。1941年、フランスを離れることを余儀なくされ、夫と母親とともにニューヨークに移住する。ニューヨークで彼女はすぐに「パルチザン・レビュー(Partisan Review)」誌の周辺に集まる作家や知識人からなる影響力のあるサークルに加わる。戦後、彼女は、プリンストン大学、カリフォルニア大学バークレー校、シカゴ大学を含む、多くのアメリカの大学で講義したが、ニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチ( New School for Social Research)との関係がとても緊密で、彼女はそこで1975年の死にいたるまで政治哲学の教授を務めることになる。

 1951年、彼女は「全体主義の起源(The Origins of Totalitarianism 」(OTと略記)を出版したが、ナチスとスターリンの政治体制を扱ったこの大著はすぐに古典となった。それに続き、1958年、「人間の条件(The Human Condition)」(HCと略記)を出版、これは彼女の最も重要な哲学の著作となる。1961年、彼女は「ニューヨーカー」誌のリポーターとして、エルサレムで行われたアドルフ・アイヒマンの裁判を傍聴し、2年後、「エルサレムのアイヒマン(Eichmann in Jerusalem)」(EJと略記)を発表、これはユダヤ人のサークルのうちに深い論争を引き起こした。同年には、「革命について(On Revolution)」(ORと略記)も発表されたが、これはアメリカとフランスの革命を比較分析したものだった。60年代と70年代初頭には、多くの重要なエッセイが発表された。最初のエッセイ集は「過去と未来との間(Between Past and Future)」(BPFと略記), 二番目は「暗い時代の人びと(Men in Dark Times)」(MDTと略記),三番目は「共和国の危機(Crises of the Republic)」 (CRと略記)だった。1975年に亡くなったとき、彼女の最後の哲学的大著である「精神の生活(The Life of the Mind)」の最初の二巻(「思考」と「意志」)は書き終えていたが、それらは1978年に遺稿として出版された(LMと略記)。「判断」を扱う第三巻は出版されずじまいだったが、その背景をなす資料や講義ノートが、1982年に「カントの政治哲学についての講義(Lectures on Kant's Political Philosophy)」という題名で出版された(LKPPと略記)。



」(つづく)。










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