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ドナルド・トランプのカリスマ的な愚かさ [海外メディア記事]

スーパー・チューズディの勝利で、ドナルド・トランプの周辺がさらに騒がしくなりつつある。「トランプおろし」の動きが始まったようだが、はたしてうまく行くかどうか。



 気に入らない女性たちを「太った豚(fat pigs)」、「でぶ(slobs)」、「むかつく生き物(disgusting animals)」と呼んで顰蹙(ひんしゅく)を買ったのは序の口で、ライバルのルビオを「軽量(lightweight:未熟という意味もある)」、クルーズを「嘘つき(lying)」と呼ぶのを止める気配はないし、政策をくるくる変えても大して気にしないようだ。貿易で中国に負けている現状を批判する一方で、トランプの名前がプリントされた自分のTシャツが“Made in China”であっても、そんな矛盾など気に留めない(http://www.theguardian.com/commentisfree/2016/mar/05/republicans-donald-trump-party-anger)。 昨日の討論会では、自分の一物(いちもつ)の大きさを誇ったようだ(“Donald Trump defends size of his penis” http://edition.cnn.com/2016/03/03/politics/donald-trump-small-hands-marco-rubio/)。



 下品さが露呈したり自己矛盾を指摘されたりするのは、普通の政治家にとっては致命的になるのだが、そんな普通の尺度は通用しない。だから、前回の選挙でオバマと争った保守本流のロムニーが、トランプを「インチキ、詐欺師(a phony, a fraud)」とこき下ろしたが(http://edition.cnn.com/2016/03/03/politics/mitt-romney-presidential-race-speech/)、その程度ではぜんぜん堪(こた)えない。こういう怪物をへこませるにはどうしたらいいか、実は、誰にも判っていないのが現状ではないだろうか? 



 なぜトランプが人気化するのか、それをスピーチの特徴から解説した文章がPBSにあったので読んでみたが、トランプのスピーチは、まあ、解説するまでもない内容である。スピーチの最後の部分をちょっとだけ紹介するにとどめよう(http://www.pbs.org/newshour/updates/trumps-totally-unorthodox-take-on-the-political-stump-speech/)。



“Look. We don’t win anymore. We don’t win on trade, we don’t win at the borders. We don’t win with our military. Our military, the greatest military in the world, we can’t even beat ISIS,” Trump said. “Oh, we’re going to knock ISIS out so fast.・・・ We’re going to win, win, win, win,” Trump concluded. “We are going to make America great again, greater than ever before. I love you. Go out and vote. I love you all. Thank you, Georgia. Thank you. We love you. Thank you.””


 「 「いいかい、われわれはもう勝利者じゃないんだ。貿易で勝っていない。国境で勝っていない。軍事でも勝っていない。米軍は世界でもっとも偉大な軍隊なのに、ISISを打ち負かすことすら出来てないじゃないか。(わたしが大統領になれば)、ISISなんかすぐにノック・アウトだよ。・・・ われわれは勝利するだろう。勝って勝って勝ちまくるだろう」。 トランプは次のように締めくくった。「われわれはアメリカを再び偉大にするし、かつてないほど偉大にするだろう。大好きだ。投票に出かけよう。みんな、大好きだ。ありがとう、ジョージア。ありがとう。愛してる、ありがとう」」。




 難しい単語は出てこないので、英語の出来ない日本の中学生でも判るような内容である。それに、世界には、勝ちと負けしかないという価値観も、判りやすいといえば、これほど判りやすいものはない。 ”We’re going to win, win, win, win ”という言葉に感激する人は、無敵のヒーローにあこがれる子供そのものである。そうした単純な価値観を共有できない人間は、「太ったブタ」、「むかつく生き物」なのである。



 単純な意味でトークが面白く、複雑な現実を単純化して話すことができる人間には、多くの人が魅力を感じる。まして、金があり権力も加われば、多くの人がその人間になびいていくことは避けがたい。その人間に自己矛盾や下品さがあっても、そんなことは大したことではないように思われるようになる。多くの人が、トランプのうちにカリスマ的なものを見出すようになったのだろう。

 

 多くの人がエリートの小賢(こざか)しさよりもカリスマ的な愚かさの方を好むことには、つねにそれなりの理由がある。それに、エリートの政治家たちがいったい何をやってくれたんだという、困窮状態に追い込まれた白人層の悲哀がトランプ支持者たちからは漂ってくる。そこには、確かに、切実な現実がある。しかし同時に、トランプ支持拡大の動きには、人間のとても嫌な面が露呈しているのも確かである。


カリスマ的な愚かさが勝つのか、最終的には良識が制するのか? 個人的に、トランプをめぐる動きから目が離せなくなりつつある。












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