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ISISと終末論 [海外メディア記事]

 ISIS関連の記事の見出しをGoogleニュースでさらっていたら、apocalypse(黙示録、終末論)という単語が目についた。CNNの記事だったが、その内容は国際問題の専門家の分析を載せたものだった。
 
 ISISに劣らぬほどの極悪非道な犯罪を仕出かした組織は過去にもあったが(ナチスやクメール・ルージュなど)、そういった組織は極秘裏に事を進めていたのに対して、ISISは隠すどころか、世界に向かって大々的に宣伝している。「なぜISISは敵をつくり続けるのか?」というのが、この記事のテーマである。

 そしてこの記事の筆者は、ISISのイデオロギーの中心に黙示録的終末論があることを指摘する。かつて、預言者ムハンマドは、シリアのダビクという町で、イスラムとローマの軍隊が最終戦争を行い、終末が到来し真のイスラムが勝利すると預言したそうなのである。その預言を成就するために、むしろ西欧諸国がシリアにやって来ることをISISは待ち焦がれているのだという。 (その内容については、以下に抄訳を掲げたので、参照願いたい)。


 私はイスラム教については無知なのだが、やはりキリスト教の末裔という側面があるので、キリスト教の黙示録(終末論)的要素を受けついでいるのか、ということをあらためて認識した次第である。


 多くのイスラム教の関係者は、イスラム教とISISは何の関係もない、と主張する。宗教の仮面をかぶったテロ集団だと。それはそうだろう。だが、宗教には多くの側面があるということもまた確かなことである。旧約聖書には多くの戦闘の記述や好戦的なイデオロギーが随所に見られる。ユダヤ民族の独立と現支配体制の崩壊を待望する終末思想が、ある時期から形成されるようになる。そもそも「出エジプト」の物語りにそういう意味合いがあったのだが、本格的な終末論は「ダニエル書」(紀元前160年ごろに成立)あたりから始まるようだ。イエス・キリストがどの程度政治にコミットしたかは定かではないが、「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」という言葉も終末の待望と考えることができる。しかし、世の終末を待望する終末思想がもっとも好戦的な形で述べられたのが「ヨハネ黙示録」である。オウム真理教で有名になったあの「ハルマゲドン」が出てくるのも、この黙示録である。これが正典として聖書に収められていることを問題視する専門家もいるほど厄介な文書なのだが、その根は聖書のいたるところにあるのだから、「ヨハネ黙示録」を削除して済むという問題ではない。


 オウム真理教の問題は片づいたのだろうか? 類似の人々、類似の集団はつねにいたる所に潜んでいる。それは宗教として、思想として、妄想として、精神の病として、精神の情熱として、おそらく絶えることはないだろう。ISISの問題は、終末論に対する需要がつねに一定程度あることを改めて示した。そして、世界のいたるところで終末を待望する者たちがいて中東地域に目を向けているという現実を示しているのである。








Why does ISIS keep making enemies?
By Peter Bergen, CNN National Security Analyst

http://edition.cnn.com/2015/02/16/opinion/bergen-isis-enemies/index.html



「 … ISISを理解する手がかりの一つに、英語の「機関誌「ダビク(Dabiq)」がある。先週、ダビクの第七号がリリースされたが、それを詳しく読むとISISの世界観がある程度わかる。


 ISISについて考えるときに陥りやすい誤りは、ISISが合理的な振る舞いをしていると見なすことである。それどころか、機関紙が記しているように、ISISのイデオロギーは、われわれが終末の時に生きていて、ISISの行動は終末の到来を早めていると信じる黙示録的なカルト集団のイデオロギーなのである。


 ダビク(Dabiq)という雑誌の名前そのものが、ISISの世界観を理解する手がかりになる。ダビクというシリアの町は、預言者ムハンマドが、イスラムとローマの軍隊が最終戦争のために闘い、時が終わり真のイスラムが勝利すると預言したとされる場所なのである。


 ダビクの最新号は次のように述べる。「世界はダビクで行われる「大戦」に向かって進んでいるので、単なるオブザーバーとして傍観するというオプションは失われつつある」。言い換えれば、その論理においては、ISISの側に立つか、異教徒の十字軍の側に立つかの二者択一しかないのである。



 アメリカ人の支援団体の一員だったピーター・カシグが 11月にISISによって殺害されたとき、「ジハード・ジョン」――多くのISISのビデオに出てきた覆面のイギリス人殺害者――は、カシグについてこう述べた。「われわれは十字軍の一人目を埋葬する、残りの軍勢が到着するのを待望しながら」。



 言い換えれば、ISISは西側の地上軍がシリアに侵攻するのを望んでいるのである。ダビクの預言の正しさが確かめられることになるからだ。


 私たちはますます世俗的になる世界に住んでいるので、他人が信じこむ宗教的信念を真に受けられないことがしばしばある。われわれの多くにとって、ダビクというシリアの無名の町で「ローマ」とイスラムの戦いが行われ時の終わりが到来するという観念は、人身御供が将来の出来事を左右するというマヤの人々の信念と同じくらい馬鹿げたことに見える。


 しかし、ISISにとって、ダビクの預言はおそろしいほど重大なのである。ISISのメンバーは、自分たちは宗教戦争を戦う先兵であると信じている。そしてその戦争は真のイスラムの勢力の勝利に終わるとアラーは定めたのである。


 これは、テロの専門家であるJ.M・バーガーとジェシカ・スターンがISISについて書いた新著の結論でもある。彼らによると、ISISは、他の多くの「暴力的で終末論を説く集団と同じく、自分たちのことを、善と悪との宇宙的な戦争に参加していると見なしている。その戦争においては、道徳的規則は適用されないのである」。…(以下略)


」(おわり)








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