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日本の危険なナショナリズム [海外メディア記事]

 安倍首相の靖国参拝に対するニューヨーク・タイムズの論説委員会( THE EDITORIAL BOARD)の見解を紹介する。 中韓の首脳が対話の道を閉ざしていることも、安倍首相の無分別な行動に拍車をかけているという論旨である。

 安倍が信頼のおけない人間であるという評価はアメリカの識者の間では広く共有されていたことだが、周囲が何も言わなければどんどん好き勝手なことをする「危険な」人物であるというさらにネガティブな評価に変わったことを、この論説は示しているのではないだろうか。



Risky Nationalism in Japan



By THE EDITORIAL BOARD
Published: December 26, 2013
 
http://www.nytimes.com/2013/12/27/opinion/risky-nationalism-in-japan.html?partner=rssnyt&emc=rss





日本の危険なナショナリズム


 
  権力の座についてから一年後の木曜日、安倍晋三首相が、第二次世界大戦の戦犯を含む日本の戦没者を祀る物議をかもす神社である靖国神社を参拝した。中国と韓国は、米国が行ったようにすぐさまその動きを批判した。安倍氏の参拝は、ただでさえ緊張をはらむ日本の対中・対韓関係を悪化させるだろう。中国と韓国は靖国神社を大日本帝国時代の侵略戦争と植民地主義のシンボルと見ているからだ。アメリカ大使館は、アメリカは「日本の指導者が近隣諸国との緊張を高める行動をとったことに失望した」と述べた。


  問題は、安倍氏がなぜいま靖国神社の参拝を決めたかという点である。日本の首相が靖国神社を参拝したのは七年ぶりのことだが、このことは、この場所が中国と韓国にとって不快の象徴となっており、そこに参拝することが両国との関係にとって有害に働くことが日本のトップ・レベルに認識されていたことを物語っている。これら二国と日本との関係は、2000年代半ばの頃よりも悪化している。中国の指導者も韓国の指導者も、安倍氏が2012年に首相になって以来(安倍氏の最初の首相在任期間は2006-7年だった)、安倍氏と会談することを拒んできたが、その理由の一半は、東シナ海での領土や韓国の慰安婦(第二次世界大戦中に日本軍によって性奴隷に強制された)の問題にある。



  逆説的なことに、これらの問題で中韓両国が圧力をかけてきたことが、安倍氏に靖国への訪問は良い考えだと思わせた側面があるのだ。この一年、日本に領有権のある島のめぐって、中国が好戦的な動きをみせたために、一般の日本人は、中国の軍事的脅威が存在すると思い込んでしまったのだ。この問題が、安倍氏に、中国からのすべてのシグナルを無視してよいのだという口実を与えたのだし、日本の軍隊を、厳密に国土防衛のためにある軍隊から、世界のどこであれ戦場に行くことができる軍隊に変えようとする目標を追及していいのだという口実を与えたのだ。靖国参拝は、そうした目論見の一部なのである。


 日本が慰安婦問題に真剣に取り組んでいないことに韓国が一貫して激しい批判を繰り返し、朴槿惠大統領がこの問題について安倍首相と会って話し合うことを拒否していることも、日本人の間に不信の種をまいてきた。アンケート調査によると、日本人のほぼ半数が韓国のことも軍事的脅威として見ているのである。有権者の間にそのような考え方があるために、安倍氏は、北京やソウルの反応など考慮せずに行動していいのだと考えるようになったのだ。


 日本の三大全国紙―― 読売、朝日、毎日――は、安倍氏の首相就任以降のこの一年間、靖国神社への首相の訪問に対して反対の論陣を張ってきた。それに、天皇アキヒトが、彼以前に天皇ヒロヒトがそうしたように、靖国に参拝することを拒んできたは、安倍氏と彼の国粋主義的支持者たちにとってもっと重要なことなのだ。


 安倍氏の究極の目標は、戦場に行く権利を制限している日本の平和憲法(それは、戦後の占領時にアメリカ人によって書かれたものだが)を書き換えることだ。この点でも、天皇アキヒトは賛意を表してはいない、もっとも彼は、現在の憲法下では政治的権力を持っていないが。安倍氏が靖国に参拝する数日前に、天皇は、80歳の誕生日をに際してのコメントの中で、「平和と民主主義という貴重な価値」を守るために戦後の憲法を起草した人々に対して「深い感謝の念」を表明したのだ。


 だから、歴史が問題であるならば、中国と韓国の指導者たちは東京に協力者を見つけられるし、対面し交渉しこれらの問題を解決するために、安倍氏と会談するべきだろう。安倍氏に合うことを彼らが拒絶するなら、安倍氏は好き勝手に振舞っていいのだと思わせてしまうだけだ。日本の軍事的冒険はアメリカの支援がなければ可能ではない。米国は、安倍氏の目論見が東アジアの利益にならないことを明確にする必要がある。確かなことは、アジアで必要なのは国家間の信頼であり、安倍氏の行動はその信頼を損なっているということだ。




」(おわり)









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