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女性たちの冷たい戦争 [海外メディア記事]

 女性たちを抑圧しているのは、男性やメディアよりも、女性たち同士の競争心である。こうした研究結果を紹介する『ニューヨーク・タイムズ』の記事より。

 本文にもある通り、こういうことは普通に見かけることなので、今さら研究対象になっているのが不思議なくらいだが、それはともかく、同性の競争相手の存在が女性にとっての最大の敵だということが証明されたと言っていいのだろうか?

 いつもは添え物にすぎない見出し下の写真が、大きな意味をもっていて面白い。



 ちなみに何度か出てくる「ミーン・ガール(mean girl)」という表現は、元来は、リンジー・ローハン主演の学園コメディ映画に由来するようだが、いつしかそこから転じて、主に言葉の暴力で同級生をいじめ抜く女子学生に使われるようになった。3年前には、いじめで15歳の女子高生フィービー・プリンスを自殺に追い込んだ同級生たちを告発した新聞記事が、この表現(「卑劣な少女たち」)という表現を使っていた(http://www.boston.com/news/local/massachusetts/articles/2010/01/24/the_untouchable_mean_girls/)。というわけで、“mean girl”といえば、今や“bully(いじめ)”に関連する言葉なのである。






A Cold War Fought by Women

By JOHN TIERNEY
Published: November 18, 2013

 
http://www.nytimes.com/2013/11/19/science/a-cold-war-fought-by-women.html?ref=science







 女性たちの冷たい戦争



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トレイシー・ヴェランコート博士の女性の攻撃性についての研究で着用された服装の一方は、一種の「ミーン・ガール」的な間接的攻撃を引き起こした。もう一つの服装はほとんどまったく注目されなかった。





 人間のメスはどれほど攻撃的なのか? 人類学者のサラ・B.フルディ(Sarah B. Hrdy)が30年前に文献を調査したとき(http://www.hup.harvard.edu/catalog.php?isbn=9780674955394)、彼女は「女性の本性にある競争的な要素はエピソード的なもので、直感的には感じられるが科学によって確証されてはいない」と結論づけた。


 科学はあの時以来多くの進歩を遂げた、とフルディ博士は、女性の攻撃性のテーマを特集した王立協会のフィロソフィカル ・ トランザクションズ(The Philosophical Transactions of the Royal Society)の最新号に寄せた序文でそう記している(http://rstb.royalsocietypublishing.org/site/2013/female.xhtml)。彼女は、「驚くほど」多くの新しい証拠が集められたのは、一つには研究技術が向上したためであるが、また一つには、かつては男性が支配していた科学の領域に非常に多くの女性たちが進出したためでもあるとした。


 女性の競争心の存在は高校のカフェテリアやシングルズ・バーにいたことのある人には誰にでも明白に見えるが、女性の攻撃性は男性の攻撃性よりももっと微妙で間接的になる(はるかに暴力的でない)傾向があるため、それを分析することは困難であった。研究者たちの目がもっと細部にまで届くようになった今、この「同性間の競争」こそが、若い女性たちが感じている、性的行動や肉体的な容姿の基準を満たせというプレッシャーを説明する最も重要な要因であると研究者たちは述べるのである。


 女性に競争心があることに対する以前からの疑いは、古代の一夫多妻制の社会での生殖のオッズの進化論的な分析から出ていたのだが、それは、一夫多妻制の社会では、支配的な男性が複数の妻をもつために独身のままにとどまる男性が出てくるからなのである。だから男性は、子孫をもつ機会をもつために競争しなければならなかったが、ほとんどすべての女性にはその機会が確保されていたからである。


 しかし、そうした社会でも、女性は勝利を収める男性にとっての従順な戦利品ではなかった。女性たちは、もっと望ましいパートナーや子供たちのためにもっと多くの資源が得られるように、女性同士で競争する女性ならではの動機があった。しかも、今は、ほとんどの人が一夫一婦制の社会に暮らしているのだから、ほとんどの女性が直面するオッズは男性と同じである。実は、男性よりも女性の方が多い大学のキャンパスのように、女性の方がより厳しいオッズに直面している場所もある。



 女子学生がライバルにどのように反応するかを見るために、表向きは女性の友情について議論するためと称して、研究者たちはマックマスター大学の研究室に何組かの女子学生に来てもらった。しかし、本当の実験が始まるのは、もう一人の若い女性が研究者の一人の居場所を尋ねながら部屋に入ってくるときなのだ。


 この女性が研究者(トレイシー・ヴェランコート(Tracy Vaillancourt)とアーシャル・シャルマ(Aanchal Sharma))によって選ば​​れたのは、その女性が「進化論的観点から見て魅力的だと考えられる特徴」を具えていたからだ。その特徴とは「ウエスト・ヒップ比が小さく、明るい肌、大きな胸」である。その女性はTシャツとジーンズを身に着けていることもあれば、タイトでローカットのブラウスと短いスカートを着用していることもある。

 
 ジーンズをはいているとき、その女性は学生からほとんど注目されなかったし否定的なコメントももらわなかった(その女性と同じ部屋に入るときやその女性が部屋から出て行った後の学生たちの反応は密かに記録されていたのだ)。しかし、その女性が別の露出部分の多い服を身に着けていたときは、ほとんどすべての女子学生は敵意のある反応をしたのである。


 学生たちは彼女をじろっと見て、上から下まで眺め、目をぎょろぎょろさせ、あからさまな怒りを示すこともあった。嫌悪感のあまり、「いったい何なの?」と彼女に尋ねる学生もいた。


 しかし、攻撃性の大半が生じるのは、彼女が部屋を出てからだった。その後、学生たちは彼女について笑いとばし、その動機を非難するのだった。あんな恰好をしているのは教授とセックスするためよ、とある学生は言った。胸が「今にもはみ出しそうだったわ」と言う学生もいた。


 このような「ミーン・ガール(mean girl)」的な間接的攻撃は、年長の女性より思春期の少女や若い女性のほうによって多く利用されるというのは周知の事実だが、上の実験の結果はこの事実と調和している。年長の女性は、一たび結婚すればライバルの女性を蹴落とす動機が少なくなるからだ。思春期の少女や女性が魅力的であればあるほど、その女性は同性の仲間からの攻撃対象になりやすい、ということを示した研究もある(http://rstb.royalsocietypublishing.org/content/368/1631/20130080.full)。


 「女性は確かに、他の女性、とくにライバルと見なす女性に対してはとても攻撃的になりやすいですね」と、現在はオタワ大学にいる心理学者のヴェランコート博士は言った。「この研究はまた、女性の性を抑圧しているのは女性であって、必ずしも男性ではないということも示しています」。


 ふしだらだと言って女性に汚名を着せるという罪は男性になすりつけられてきたが、それは、男性には配偶者が方々を転々とするのを防ぎたいと思うダーウィン的動機があるからだ。だが男性には、他の女性たちがふしだらになってほしいと思うダーウィン的動機ももっている。ヴェランコート博士によれば、今回の実験や他の研究は、女性に対する汚名は主に女性によって押しつけられたものだということを示唆しているという(http://psycnet.apa.org/journals/gpr/6/2/166/)。

 「セックスは男性によって熱望されるものです」と彼女は言った。「したがって、女性はこの(セックスという)資源をめぐる交渉の中で優位を維持する方法として、(セックスへの)アクセスを制限します。セックスをあまりに簡単に許す女性は、(アクセスを制限することで成り立つ)集団内の権力の地位を危うくしかねません。だから多くの女性は、ふしだらな(あるいは、ふしだらに見える)女性に対しては特に不寛容になるのです」。


 間接的攻撃は、多くの現代社会におけるスリムな身体の流行のような、無理な基準を満たそうと懸命になっている(あるいは、そのために排除される)女性たちに心理的な危害を及ぼすこともある。多くの研究が示していることだが、女性の理想の体型は、平均よりもスリムでなければならないし――男性が理想の体型と見なしているよりもスリムでなければならないのである。このプレッシャーはしばしば、雑誌やテレビに登場する超スリムな女性のモデルのせいにさせられるが、クリストファー・J.ファーガソンらの研究者たちによれば、それはメディアのイメージのせいではなく、主に同年代の女性との競争の結果なのであるという(http://psycnet.apa.org/index.cfm?fa=buy.optionToBuy&uid=2011-03989-002)。



 「概して、メディアは社会で起こっているトレンドを反映しているだけであって、それを生み出しているわけではありません」とステットソン大学の心理学者であるファーガソン博士は言った。彼の発見によると、女性たちが自分の体にもつ不満は、女性たちが自宅のテレビで見る番組とは関係がないという(http://www.christopherjferguson.com/BodyImageProspective.pdf)。また、女性たちは、研究室の実験で示されたテレビ番組からも影響を受けていなかった。人気TV番組『恋のお騒がせ病棟(Scrubs)』でスラッとした女優を見ても、人気テレビシリーズ『ロザンヌ(Roseanne)』のそれほどスラッとしてない俳優を見るのに劣らず、何の劣等感も生み出さなかった。


 しかし、それよりも女性たちの感情が悪化したのは、自分の交友範囲にいる女性と自分を比較するときや、女子学生相手に実験(http://guilfordjournals.com/doi/abs/10.1521/jscp.2011.30.5.458)を行ったファーガソン博士のアシスタントのように、見知らぬスリムな女性と一緒に部屋に居るようなときだった。そのアシスタントが化粧をしてしゃれたビジネス・スーツを身に着けているとき、学生たちは、だぶだぶのスウェット・スーツを着てすっぴんであるとき以上に、自分の身体に対する満足度は低くなってしまうのであった。しかも、そのアシスタントと一緒に魅力的な男性が部屋にいるとき、女子学生たちの感情はさらに悪化するのであった。


 「女性間の性的競争は、豊かな社会で特に一般的になりがちな事情によって増加しているように思われます」とファーガソン博士は言った。


 伝統的な村で、人々は近くにいる人と早い年齢に結婚したが、現代社会の若い男女は、より良いオプションを求めてもっと時間をかけ広く交際するにつれて、結婚時期を自由に先延ばしすることができる。その結果として、とても多くのライバルが存在することになるので、よりいっそう多くの競争が生ずるわけである――男性も女性もその競争に勝つというゲームに参加していることに、科学的な疑いはもはやないのである。





」(おわり)








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