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いじめによる自殺と携帯アプリ [海外メディア記事]

  3年前に、15歳の少女(フィービー・プリンス)がいじめによって自殺に追い込まれたのをきっかけに、アメリカの各州でいじめを取り締まる法律が制定されたが、そんなことは知ったことではないと言わんばかりに、アメリカの学校でのいじめが加速しているようだし、次々と誕生する携帯電話のアプリがその傾向に拍車をかけているようだ。12歳のレベッカ・セドウィックの自殺をたどる『ニューヨーク・タイムズ』の記事を紹介する。




 
Girl’s Suicide Points to Rise in Apps Used by Cyberbullies

By LIZETTE ALVAREZ
Published: September 13, 2013

http://www.nytimes.com/2013/09/14/us/suicide-of-girl-after-bullying-raises-worries-on-web-sites.html?pagewanted=all






 少女の自殺が指し示すのはネット上のいじめに使われるアプリの増加



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12歳のレベッカ・セドウィックが自殺したフロリダ州レイクランドの無人のセメント工場では、彼女を追悼するスペースが自然と生まれ広がっている


 

  手がかりは彼女の寝室に埋もれていた。月曜日の朝、学校に向かう前に、レベッカ・アン・セドウィックは積み上げられた服の下に教科書を隠し、携帯電話も置いて出かけたのだが、それは12歳の女の子としてはめったにない忘れ物だった。




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レベッカ・セドウィック


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レベッカの母親トリシア・ノーマンは、今週亡くなった自分の娘が、約15人もの中学生に携帯を通していじめられている最中だったとは思いもしなかったと語ったが、この問題は昨年にも発生し取り組みがされていた。



 
 携帯電話の仮想世界の中で彼女は、携帯電話のアプリケーションの「キック・メッセンジャー(Kik Messenger)」上でのユーザー名を“ザット・デッド・ガール(That Dead Girl)”に変え、二人の友人に永遠のサヨナラを告げるメッセージを送っていた。それから彼女は、セントラル・フロリダのレイクランド市にある自宅近くの無人のセメント工場のプラットフォームに登りつめ地面めがけて飛び降りたと、ポーク郡の保安官は語った。


 飛び降りたとき、レベッカは、メッセージや写真を共有する携帯電話のアプリケーションを通して、オンライン上で中傷や脅迫や侮辱を受けたことが一因となって自殺に追い込まれた子供たちや若者の最近急増しているリストの最年少のメンバーの一人になった。彼女の自殺は、こうしたアプリやWebサイトが子供たちの間で急速に増え人気化していることについて、そして子供たちのオンライン上での関係に親たちが追いついてないことについて新たな問題を提起している。



 一年以上にわたって、美人で優秀なレベッカは、自殺しろと迫る約15人の中学校の仲間からネット上でいじめを受けていた、と彼女の母親は語った。ポーク郡の保安官事務所はこの自殺にネット上のいじめがどれほど関連しているかを調査していて、敵意のあるメールの集中砲火をレベッカに浴びせていた中学校の生徒に対して罪を問えるかどうかを検討している。フロリダ州は、今年、オンラインでのいじめのケースに重罪を適用することを容易にする法律を可決していた。



 レベッカは「ソーシャル・メディア上でテロの対象にさせられたのです」と、ポーク郡の保安官グラディ・ジャッドは今週の記者会見で語った。


 悲しみとともに、レベッカの母親のトリシア・ノーマンは、他に何かしてやれなかったのかと考えて晴れない気持ちに直面している。彼女はいじめについて数ヶ月間も学校関係者に訴え、何も変化がなかったとき、彼女はレベッカを退学させた。彼女は娘のFacebookのページを閉鎖し、携帯電話を取りあげた。彼女は娘の電話番号を変更した。レベッカは、12月になるととても混乱の度を増して自傷行為を始めたので、母はレベッカを入院させたりカウンセリングを受診させた。できる限り、レベッカのソーシャルメディア上の足跡には目を光らせていました、とノーマンさんは語った。



 すべて上手くいっているように見えました、と彼女は語った。レベッカは七年生として新しい学校に満足しているように見えた。コーラスのオーディションの準備をしていたし、またチアリーディング部のユニフォームを着ようかとも考えていた。しかし、母親には内緒にして、レベッカは最近、新しいアプリケーション――“ask.fm”や“Kik ”や“Voxer”――のメンバーになったのだが、すると、あっという間にメッセージが押し寄せて、またしてもいじめが始まってしまったのだ。



 「何も聞いていませんでした。娘の携帯は調べていましたが、判りませんでした」と、カスタマー・サービス・センターで働いているノーマンさん(42)は語った。「何かが起こっていると考える理由もありませんでしたしね。娘は笑ったり冗談を言うばかりでしたから」。



 ジャッド保安官によれば、レベッカはメールや写真を送受信するために、こうしたメッセージ・アプリを使用していたようだ。彼のオフィスでノーマンさんはそうしたメッセージや写真を見ることができた。その中には、腕にかみそりの刃を当てたり体に傷をつけるレベッカの写真が含まれていた。母親によれば、メッセージには、「なんでまだ生きてるの?」とか「お前は醜い」といった憎しみの言葉で満ちていたという。



 あるメッセージには、「どうぞ死んでください」とあった。それに対してレベッカは、快活なひらめきをもって、「いいえ、生きていきます」と答えていた。彼女の家族によると、いじめは、レベッカがしばらくの間つき合っていた少年をめぐる言い争いから始まったようだ。しかし、レベッカは彼と付き合うのは止めていた、と家族は言った。


 レベッカは、表面上とりつくろっているほど快活ではなかった。死ぬ少し前に、彼女は自殺についての質問を掲げるオンライン上のサイトにある「どれくらいのアドビルを飲めば死ねますか?」という質問のところをクリックしていたのだ。


 後から考えると、レベッカが悩みを家族に見せなかったのは、そうすると母親がまた携帯電話を取り去ってしまうことを恐れたからではないかとノーマンさんは考えている。


 「たぶん彼女は自分でなんとか切り抜けられると思ったのでしょうね」とノーマンさんは言った。


 オンラインのいじめが彼女の死にどれほど関係しているのかを確信をもって言うことは不可能だ。しかし、ネット上のいじめの専門家によれば、携帯電話のメッセージ・アプリはとても急速に広がっているので、親が子供の複雑なデジタル的な生活にペースを合わせることはますます難しくありつつあるようなのだ。


 「これはまったく新しい文化だし、一日一日と変化しているので、われわれ大人はそれについて何も判っていないというのが現状ですね」と語るのは、ジャクソンビルにあるフロリダ州北東部のメンタルヘルス・アメリカの責任者であるデニーズ・マーズロ(Denise Marzullo)。彼は、その地域の学校とともにいじめ問題について取り組んでいる。

 
 親がFacebookやTwitterやInstagramの仕組みを理解するや否や、その子供たちは、最新の場所に移ってしまっている。「そんな小さなサービスでこうしたいじめが起こっているのです」とマーズロ氏は言った。



 英国では、若者による自殺の多くが“ask.fm”に関連があると考えられてきたので、このサイトがもっといじめに対応するように求めるオンライン上の請願があちこちで始まった。同社は今年ついに、いじめを報告するための一目で判るボタンを導入したり、もっと多くの監視人を雇うことによって、この請願に応えた。


 「この話題はしょっちゅう耳に入ってきますよね。でもそれが自分や自分の娘に起こるだろうとは一度も考えたことはありませんでした」とノーマンさんはネットのいじめについて語った。



 また、レベッカのかつての学校、クリスタル・レイク中学校が、いじめを止めるために昨年十分なことをやったかどうかについての疑問も提起された。つきとばしたり殴ったりするいじめが、同校のグラウンドで発生していた。同じ学生が学校から離れた場所から憎しみに満ちたメッセージを送信したことに関与しているらしいのだが、こうしたことは学校が対処できることなのだ。


 ポーク郡の学校のためのいじめ防止プログラムを担当している監督官補佐のナンシー・ウールコックによれば、学校は、レベッカと彼女の母親から9月に、オンライン上のいじめではなく、伝統的ないじめについての相談を受けていたらしい。警察による調査が行われた後で、レベッカのクラスのスケジュールは変更された。ウールコックさんは、学校は広範囲におよぶいじめ防止キャンペーンも展開しているし、警察の報告書を重く受けとめていると述べた。


 しかしノーマンさんは、学校はもっと多くのことを行うべきだったと述べた。学校関係者は、レベッカがクラス間を移動するときは護衛をつけてあげようと言ったが、それは実現しなかった、とノーマンさんは言った。



 レベッカは、月曜日の朝、スクールバスには乗り込まなかった。彼女は、小さな移動式の自宅から約10分の所にあるセメックス(CEMEX)の無人の工場に向かった。その工場は、彼女が何度か消え去ろうと思ったときに避難所として利用した場所だった。何とかして、彼女は有刺鉄線で覆われた高いチェーン・リンク状のフェンスを乗り越えたのだが、そこは今、テディベアやろうそくや風船のある追悼の場所になっている。彼女は塔に登り、それから飛び降りた。


 「子供について無知でいてはいけない」とノーマンさんは言った。「たとえ子供に変わった様子がなくてもね」。







」(おわり)






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