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アマゾンを梱包から取り出す [海外メディア記事]

  二か月以上も前の古い記事を紹介してみよう。この『ファイナンシャル・タイムズ』紙の記事が出たとき、少し話題になったのだが、あまりに長いので見送っていた。しかし、いろいろな意味で面白そうなので、やはり気が変わった。

  要するに、イギリス人によるアマゾン批判なのだが、いろいろな要素をはらんでいる。日本ではすでに何年も前から話題になっている非正規労働の問題が大きな論点となっているのだが、それだけではない。機械によって人間が振り回される時代が本格化したのではないかという問題もあって、話題の書『機械との競争』が提起する問題とも交差している。それとアマゾンの非人間的な労働慣行の問題。しかしそれは、トヨタ式の「カイゼン」の徹底がイギリス人にとってカルチャー・ショックに映るという側面もあるようだ。日本的な労働慣行が、アマゾンを経由してヨーロッパに広がっているということと、ディジタル化による機械化が人間を労働の現場から追いやっているという問題が微妙に入り混じっていて面白い。日本では昔からあった伝統と、それがグローバルに展開する企業で先鋭化されている現状と、それが未来に投げかける暗いビジョンと、時間的に多岐にわたる要素のごった煮の混沌がここにある。

  オリジナルは長いので二回に分ける。



Amazon unpacked

By Sarah O’Connor February 8, 2013 12:30 pm

http://www.ft.com/cms/s/2/ed6a985c-70bd-11e2-85d0-00144feab49a.html#slide0





 

 アマゾンを梱包から取り出す(1)

 
 このオンラインの巨大企業は何千という職を英国に生み出しているが、なぜ幸せとは言えない従業員がいるのだろうか?





amazon.jpg
スタッフォードシャーのルグレーにあるアマゾンの倉庫は青の巨大箱のように見える。サッカー場のピッチ9個分の広さだ。




 イングランドの小さな町はずれにあるすすけた発電所と茶色い運河の間に、まるで場違いと思える建物がある。巨大で細長い青い箱の形をしたその建物は、じめじめした工場街に夏空を走らせたように見える。


 内部では、オレンジ色のベストを着た何百という人々が、サッカー場のピッチ9個分の広さもある空間のあちこちに台車を走らせて、次はどこに行くべきか、そこに着いたら何を取り出すべきかの指示を仰ぐために、手に持ったサトナブ(衛星測位システム)のコンピュータのスクリーンを目を落としている。彼らがぐずぐずすることはない――彼らが握りしめている機器は、彼らの生産性をリアルタイムで測定してもいるからだ。彼らは今日7マイルから15マイルも歩くことになるだろう。もうすぐクリスマスなので、この建物で働く人々は、イギリスにあるここと同じような7つの建物で働く人々と同じく、約3分ごとに小包でいっぱいのトラックを送り出しているからだ。8時間交代の勤務時間が終わって自宅に帰ったり30分間の休憩のために社員食堂に行く前には、何も盗んでいないことを証明するために空港にあるようなセキュリティ・スキャナを通らなければならない。彼らはまた、オレンジ色のベストを着た陽気なブロンド女性の等身大の段ボールのパネルのそばを通り過ぎる。「これは私がこれまで経験した中で最高の仕事よ! 」。 彼女の頭の近くにある吹き出しにはそう書かれている。



 この地点で世界を二分できるならば、ルグレーという名の町の歴史を層という形で読み取ることができる。地表の下には、発電所に燃料を供給しかつては地域経済の心臓部だった炭鉱のシャフトやトンネルがある。地上には、炭鉱にとって代わったグローバルなオンライン小売業のアマゾンの台車やコンピュータがあるわけだ。


 英国でオンライン・ショッピングが爆発的に流行り、HMVのような伝統的な小売業者を駆逐するにつれて、ますます多くの仕事が目抜き通りのショップからこうした倉庫へと移行しつつあるのだ。税の処理をめぐって政治家や国民から圧力をうけると、アマゾンは、経済が停滞している時にアマゾンがどれほど多くの仕事をイギリス中に生み出しているかを強調してきた。オンライン小売業の誰もが認めるこの巨大企業は、英国での展開にもう10億ポンド以上もの投資をしてきたし、昨年、今後二年間でさらに3つの倉庫をオープンさせ2000以上の常勤の職を創出する予定だと発表した。アマゾンは、昨年9月のプレス・リリースではキャメロン首相の発言を引用しさえした。「これは素晴らしい知らせです、仕事を見つけようとしている人にとってだけではなく、英国経済にとっても素晴らしい知らせです」と首相は語っていた。


 ルグレーの人々も、2011年の夏、古い炭鉱の跡地にできた青いガランとした倉庫にアマゾンがやって来ると聞いときは、キャメロン首相とまったく同じように感じた。数十年も経済が衰退した後で、町が再活性化するチャンスであるように思われたからだ。しかし、彼らがその「未来の仕事」をちょっと経験したとき、彼らの期待はしぼんでしまった。ほとんどの人はアマゾンが来たことを喜び、仕事が全然ないよりはあった方がいいと思っているが、しかし、多くの人はその労働条件に面喰い、提供される多くの仕事が不安定であることにひどく失望した。


 アマゾンは、雇用を熱望している社会に過去18か月間に何百という仕事を創出したのだから、やはりアマゾンを応援したいという人がいるとすれば、それはグレン・ワトソンであろう。彼は、地元議会で経済発展を担当している人だからだ。しかし、その彼も困惑している。「彼らは良い雇用者とは見られていません。私たちの経済の助けになっていません。個々人の助けになっていません」と彼は言う。イギリス経済の変貌は、この煙っぽい小さな町でミニチュア規模で行われている。それはスムーズな道のりではないのだ。


 ルグレーは人口約2万2千人でほとんどが白人で労働者階級に属する人から成り立っているが、そのルグレーで失業中のほとんどすべての人と同じように、クリス・マーティンは、アマゾンがやって来ると聞くやいなや、応募の詳細を知るためにインターネットのあちこちを調べてまわった。地元の政治家は歓喜のプレス・リリースを大急ぎで出した。「ルグレーにとって本当に素晴らしいニュースです」、地元議会のメンバーであるエイダン・バーリーの声明はそう述べた。「人々は再び仕事を得ようと必死なのです」。


 ルグレーは1990年の鉱山の閉鎖から完全には回復していなかったし、地元の経済は2008年から09年にかけてのイギリスの深刻な不況によってさらなる打撃を受けていた。クリス・マーティンは、パートナーと暮らすために2007年にそこに引っ越してきた。「彼女のおかげで楽しい物語が幕開けしましたよ。彼女は「仕事場は歩いて行けるところにないとね」と言ったのだが、この辺には仕事なんてまるでなかった」と彼は悲しげに言った。54歳の彼はスーパーの「モリソンズ」でしばらくの間、夜に商品補充の仕事をしていたが、長つづきはしなかった。緊密な人間関係で成り立っているこの地域では雇用のチャンスもしばしば口コミで広がっていくので、彼が比較的最近に来た新参者であることは助けにはならなかった。「ほぼ全員が他のみんなと知り合いですよ。外部からやって来た者は、まるで西部劇で酒場に歩いて入る人みたいなものですよ」と彼は言った。「みんなが睨むんだ」。


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 そこで、マーティンは新規採用のプロセス(それには麻薬やアルコールの検査が含まれていた)にパスしたときはワクワクしたものだった。そして彼には夜勤の仕事が与えられた。ランドスタッド社(Randstad)というグローバル展開している派遣会社がアマゾンの新規採用プロセスを取り仕切っていたが、そのラントスタッド社が、彼の業務の手配をし、倉庫のフロアにいる彼を管理し、彼にほぼ最低限度に近い賃金を支払うこととなった。3か月働いて、もし成績が良ければ、アマゾンの従業員になる申請ができます、上手くいく保証はありませんが、と彼は言われた。ランドスタッド社はこの種のシステムを「社内雇用」と呼び、それを「クライアント企業が労働力を最適化しコスト・パフォーマンスを追及するためにのみ設計された柔軟な勤務ソリューション」と記述している。クライアント企業にとっての利点の一つは、「大量のスタッフの募集や管理という経営上の負担の除去」である、とランドスタッド社はウェブサイトで述べている。


 その秋、初めてオペレーションが始まったとき大きな青い倉庫の中には興奮した雰囲気があった。「最初は騒々しいほどでしたね」と、その倉庫のマネージメント・チームのメンバーは言った(そのメンバーは匿名を希望した)。「兄弟がいて、姉妹がいて、隣同士の人がいて、誰もが仕事をもっていることをとても喜んでいました。すべてが目新しかった」。


 アマゾンの倉庫で働く人々―― あるいは、アマゾン社の言い方をすれば「アマゾン・フルフィルメント・センターの仲間」――は、4つの大きなグループに分けられる。「受け入れライン」と「梱包・ライン」の人々がいる。その人々は、世界中からやって来るあらゆる商品を梱包から取り出し検査しスキャンするか、それとも、プロセスの反対側にいて客が注文したものを梱包する作業をするのである。別のグループは、供給業者の商品を倉庫のどこかに収納する人々である。彼らは商品を空いたスペースがある所ならどこにでも置いていく――ルグレーでは、ミルクの泡だて器の隣に膨らませられるヤシの木があったり、やかんの隣にプロテインの粉末があったりした。すべての商品の場所を知っているのはアマゾンの巨額のコンピュータの頭脳だけである。労働者は手持ちのコンピュータを使ってあちこちに置く商品と、それを置いた棚の場所を示すバーコードをスキャンしているからだ。


 最後のグループは「ピッカー」で、彼らは台車をあちこち走らせて、顧客の注文を取り出す人々である。アマゾンのソフトウェアは、台車に積み込める商品を集められる最も効率的なルートを計算し、手持ちのサトナブ(衛星測位システム)の機器のスクリーンに現われる指示によって、ある棚のスペースから次のスペースへと労働者を導いていく。こうした効率的なルートを通っても、たくさん歩かなくてはならない。ルグレーの新しい「ピッカー」の一人は、最初の三回の勤務でほぼ3キロも体重が減ってしまった。「あなたは一種のロボットのようなものですが、人間の姿をしたロボットなのです」とアマゾンのマネージャーは述べている。「そういってよければ、わが社のシステムは、人間によるオートメーションなのです」。 アマゾンは最近ロボット会社を買収したが、まだ人間の方がアマゾンが販売する膨大な数の多様な形態の商品にもっと上手に対処できるので、当分、人間に働いてもらうことになるだろうと述べている。




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建物の外観は、じめじめした工場街に夏空を走らせたようだ


 
 これらの倉庫の気取らない効率性は、アマゾンが一秒間に35の注文を受けても、すばやく顧客の玄関先に小包を届けることを可能にするものだ。すべての倉庫には「継続的な改善の管理者」がいて、その管理者は、日本の自動車製造会社のトヨタが生産性を上げるために始めた「カイゼン(kaizen)」のテクニックを利用している。世界中のオペレーションを統括するシニア・バイス・プレジデントのマーク・オネット(Marc Onetto)は、数年前にバージニア大学のビジネス・スクールの授業でこう語った。「わが社は日本人の一団を使っている、彼らは助言する者(コンサルタント: consultants)ではない、侮辱する者(insultants)だ、実は素敵な人間ではない・・・・彼らはサムライだ、本当の最後のサムライたち、トヨタの工場から来た人間なのだ」。




 ルグレーでは、カイゼンの仕事を担当する人は、マット・ペダーセンという名前の優しい、ハゲた男性だ。彼は「シックス・シグマ(Six Sigma)」の「黒帯(black belt)」保有者だ。「シックス・シグマ」とは、モトローラ社が開発した作業工程改善の方法のことで、ゼネラル・エレクトリック社のジャック・ウェルチがとり入れてとても有名になった。毎日、ルグレーの管理者は「現場ウォーク(genba walk)」を行なう、「現場ウォーク」とは日本語で「その場所に行く」という意味だ、とペダーセンは『ファイナンシャル・タイムズ』紙の倉庫ツアーに同行しながらそう語った。「我々は仲間のもとに行って、彼らが今日良い成績をあげられないでいるものがあるかどうか、どうしたらこの一日をより良いものにできるかを見つけ出すのです」。ノート型パソコンを載せた背の高い小さな滑車つきの机を押しながら倉庫をパトロールする人もいる――彼らは、オペレーションを停滞させかねないどんな障害も探し出して問題を解決する「移動解決係(mobile problem solvers)」なのである。



 ・・・ ・・・



 ルグレーの人々はこうしたすべてをどう思ったか? 多くの人にとって、これはカルチャーショックだった。「いま寄せられている意見は、これではまるで奴隷の収容所にいるようなものだ、というものです」。そう言うのは、まだ人気のある酒場であるリー・ホール鉱山福祉センター・社交クラブの軽快な会長であるブライアン・ガーナー。


 町に広がった最初の不満の一つは、従業員が着用をするために与えられたセーフティー・ブ-ツのおかげで足にマメができるというものだった。従業員によるとそのブーツはあまりに安っぽかったりサイズが合わなかった。以前現場マネージ―をしていた人――その人は名前を出されるのを望まなかった――によると、彼はいつもワセリンを足に塗るように従業員に言っていたそうだ。「それから、靴下をはいて、ブーツをはけと言っていたよ。なぜなら、実際、ブーツがすれてマメや傷の原因になるからね」。


 プレッシャーがとてもきついと思った人もいた。以前働いていた数人によると、ハンドル付きで大画面の無骨な関数電卓のように見える手持ちのコンピュータは、自分がターゲットの商品の後方にいるのか前方にいるのか、どれくらいの距離かについてのリアルタイムの指示を与えるのだという。マネージャーもその機器にテキスト・メッセージを送って、従業員にもっと速くしろと言うことができるのだという。「おしゃべりはたえず管理者側から警告されましたね。管理者は時間の無駄はどんなものでも排除しようと熱心でしたから」と以前従業員だった人は付け加えた。




 ある声明の中で、アマゾンは次のように述べた。「当社のフルフィルメント・センターの部署の中には本当に肉体的にきついところはありますし、一回の勤務時間に7マイルから15マイルも歩く仲間もいます。当社は、仕事の配属や選考過程でこれについて隠し立てはしていないし、実は、多くの仲間が、この仕事の活動的な本性を楽しみたいという理由で、こうした部署を求めて来ているのです。ほとんどの会社と同様、当社は、アマゾンのすべての従業員――経営者、ソフトウェア開発者、専属サイトマーチャンダイザー、フルフィルメント・センターの仲間――に対して一定のパフォーマンスの期待値をもっていて、その期待値に即して実際のパフォーマンスを測っています」。



 以前現場マネージャーだった人ともう一人の従業員は、厳格な「スリーストライクス・アンド・リリース(“three strikes and release)」という規律制度を説明してくれた――「リリース」とは「解雇」の婉曲表現である。以前は、頻繁に、ほとんど警告や説明もなしに「リリース」された、と従業員たちは言った。最初の忙しいクリスマス期間が終わるとたくさんの従業員が解雇されたが、その中には自分が終身雇用だと思い込んでいた人もいた。クリス・マーティンは、自分の仕事は一週間と続かなかったと言った。彼は足にマメができたので一日休みを取って戻ってみたら、彼の夜勤の仕事が急に取り消されてしまっていたのだ。



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注文をさばくルグレーの従業員



 こうした仕事の不安定さは、地元議会のグレン・ワトソンをいたく失望させた。「良い雇用者についての私たちの定義は、人々を採用して、毎週毎週持続的な仕事を提供してくれる人のことであって、ある週に雇って次の週にお払い箱にするような人のことではないのです」と彼は言った。議会は、アマゾンは最初の12か月を使って徐々に労働力を強化していき、派遣労働者を正社員に格上げしてくれるだろうと理解していたのだが、ワトソンによれば、昨年秋までの時点でアマゾンの社員はわずか200人ほどにしかならず、それ以外の従業員は、ランドスタッド社と別の二つの小さな派遣会社から供給された人々だった。昨年9月倉庫から出てきた若い男性は、そこがオープンした当初から働いていたにもかかわらず、まだ派遣会社の労働者だと語った。


 
  ワトソンによれば、アマゾンは半年ごとに雇用のデータを議会に送ってくれることになっていたが、それは果たされていないそうだ。「我々は、アマゾンがこれからも、これまでと同様にこうした問題に無関心でいるつもりなのか知りませんが、彼らのあまりの非妥協的態度はわれわれにはショックです」と彼は言った。


  倉庫内では、アマゾンの従業員は青いバッジをつけ、派遣会社からの労働者は緑のバッジをつけている。最も基本的な役割において、彼らは同じ仕事を、同じ時給6.20ポンドで行っているのだが(成人の最低賃金は6.19ポンドである)、アマゾンの従業員には年金や株式の受け取りもある。以前、派遣されて働いていた人によると、青いバッジを獲得しようという見込みは、「にんじんみたいなもので、そのシフト時間の目標をこなしたお礼として経営側から私たちの目の前にぶら下げられるもの」だそうだ。アマゾンのダーウィン主義的文化はトップからやって来るものだ。その最高経営責任者のジェフ・ベゾスは、昨年フォーブス誌にこう語った(それは同誌が彼を「アメリカでナンバーワンの最高経営責任者(CEO)」に指名したときだった)。「わが社の文化はフレンドリーでかつ厳しいが、しかしいざというとき、わが社は厳しさの方を選択する」。


 リーズ大学で雇用問題を研究しているクリス・フォード教授によると、ランドスタッド社とアマゾンとの協定はイギリスではますます一般的になりつつあるそうだ。彼が見聞した状況では、自動車製造、食品加工、ホテル、レストランのようなセクターの企業の労働力の90パーセントはこうした契約に基づく労働者なのだそうだ。「(派遣会社から発せられる)メッセージは、私たちは仲介者で、私たちは人々が再び職に就けるように手助けをすることができるというものです。こうした大会社との契約がほとんどの派遣会社の飯のタネになっているわけですが、ここに危険があるとすれば、人々がこうした仕事から抜け出せなくなるというだと私は思います」。イギリス全土で、一時的な仕事についている人は2008年の金融危機以降20%も膨れ上がり、生涯の仕事が見つけられないと言う人々の割合は26パーセントから40パーセントにまで増加した。

  アマゾンは、ルグレーで「数百名もの臨時および終身雇用の仲間」を生み出したし、臨時の労働者にさらに200もの終身雇用の職を最近を提供したと述べた。アマゾンはその「仲間」に、研修、キャリア形成の機会、競争的な賃金、パフォーマンスに応じた支払い、 株式付与、ヘルス・ケア、年金プラン、生命保険、所得補償、従業員割引などを含む「立派な労働環境」を与えてきたことに誇りをもつと述べた。「私たちがお客様に最高レベルのサービスを間違いなく提供するために、需要が高まる期間中は臨時の仲間を雇うこともあります。終身の部署が空いたときは、臨時で入ってトップの成績を収めた仲間がそこに入れるように配慮します」。




 アマゾンの従業員がイギリスで合計どれくらいいるかを突き止めるのは難しいし、それにそれは一年の時期次第で劇的に変わってしまうのだ。昨年末、アマゾンの関係者が議会の委員会で語ったところによると、同社の従業員は約15,000人だった。昨年の10月、アマゾンはプレス・リリースを出して、クリスマスのラッシュに対処するために約一万人の臨時社員を採用する予定だと述べた。同社の2011年のイギリスでの報告書で、同社の平均的従業員数は3,023名だった。

 ランドスタッド社は、多くのクライアント企業に「現場の必要に合う柔軟な労働力のソリューション」を供給したと述べた。「これらのクライアント企業が必要とする労働者数は、需要と供給に応じて変動します。クライアント企業の製品やサービスに対する需要が高いときは(クリスマス期間中など)、ランドスタッド社との提携のおかげで、地元の人々は一時的な契約に基づく短期的な仕事から恩恵を得て、クライアント企業の正社員の労働力を補ったり、注文の要求に応じて上手くやっていくことができるのです」。


 確かに、ルグレーのすべての人がアマゾンに怒りを覚えているというわけではない。倉庫の門のそばにあるパブ「コリア―ズ(Colliers)」が店の外に出しているピクニック・テーブルでビールを飲んでいた労働者の一団は、仕事は気に入っているよ、背後でマネージャーが神経質にうろついているときでもね、と言った。若い派遣の労働者は週に約220ポンドの稼ぎになるよ、失業していたときの手当ては54ポンドだったからね、と言った。彼は車を買いママの家を出て、職場で知り合ったガールフレンドと一緒に賃借のアパートに引っ越した。「自分一人でうまくやっているよ」と彼は恥ずかしがりながらそうな笑いとともにそう言った。「あそこには自分を向上させる機会がいつもあるんだ」。テーブルの向こう側には、もっと年上の男性がいて、タバコをはさんだ二本の指を振りながら、ゆっくりこう言った。「プライドが取り戻せる、アマゾンが与えてくれるのはそれだよ。プライドが戻ってくるんだ」。

 
 しかし、町にいる多くの人は複雑な気持ちを抱えている。彼らはアマゾンが生み出した仕事には感謝しているが、その仕事の質については悲しさや怒りを感じてもいるのだ。弁護士で地方行政区会の評議員でもあるティモシー・ジョーンズは、その気分を次のように要約してくれた。「私は、アマゾンの仕事がずっとあってほしいと切に望んでいるが、同様に、最悪の雇用慣行のいくつかが終わってくれることを望んでもいます」。


 ワトソンにとっての大きな問題は、こうした新しい仕事が持続可能な経済成長の支えとなりうるかどうかである。ルグレーでは、大きな雇用主がある地域のあり方を変えられる一例は、炭鉱のことをふりかえるだけで容易に得られるからだ。





」(つづく)














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