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ファックス機が回りつづけるハイテク日本(1) [海外メディア記事]

 他の先進国ではとっくに廃れたファックスが、日本でなぜか使い続けられている事情を探った記事を『ニューヨーク・タイムズ』紙より。オリジナルは二ページに分かれているので、2回に分けて紹介する。

 そういえば、私の70をすぎた義理の母もよくファックスを家に送ってくるなあと思い当った。そういう人はきっと多いことだろう。





In High-Tech Japan, the Fax Machines Roll On

By MARTIN FACKLER Published: February 13, 2013

http://www.nytimes.com/2013/02/14/world/asia/in-japan-the-fax-machine-is-anything-but-a-relic.html?partner=rssnyt&emc=rss







 ファックス機が回りつづけるハイテク日本(1)




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スガワラ・ユウイチロウの会社は昼の弁当の配達の注文をほとんどファックスから受けている。


  日本はロボットの技術や新幹線で有名だし、世界最速のブロードバンド・ネットワークのいくつかも日本にある。しかし、日本はファックスというインターネット以前の技術に執着してもいるのだ。そんな技術は、他の大半の先進諸国では、留守番電話や8トラックのカセットテープと並んで時代遅れの技術のゴミ箱に捨てられてしまったものなのだが。



  昨年だけでも、日本の家庭は古いスタイルのファックス機を170万台も購入した。ファックス機とは、背面にスプールされている滑らかな光沢紙に文書を印刷するものである。アメリカでは、ファックス機は、技術史家によればスミソニアン博物館がそのコレクションに2台のファックス機を追加しようとしているほどの遺物になっている。


 「ファクス機は、日本では、別のものに置き換えるのが難しいほど成功したのです」と語るのは、1970年代にファックス技術の開発を主導したNTTコミュニケーションズのマネージャーのシバタ・ケンイチ。「ファックスは日本の社会にとても深く根づいてしまったのです」。


 日本政府の内閣府によると、2011年の時点で、事業所のほぼ100%、家庭の45%がファックス機を所持しているのだそうだ。


 スガワラ・ユウイチロウは、1980年代に日本で人気化したファックス機に日本人が深い愛着をもっていることに苦い思い出がある。10年前、彼は、伝統的な仕出し弁当を提供していた家業を、オンラインの注文に切り替えることで近代化しようとした。しかし売上は急速に落ち込んでしまったのだ。


 今日、彼の会社である玉子屋は、毎朝舞い込む数千という注文のビープ音であわただしいが、その注文のほとんどがファックスによるものであり、その多くが「フライドチキンの衣は薄くして」とか「ゆで卵を固めで一つ追加して」といった細かな要求が手書きで書かれている。


 「手書きのファックスで得られる温かみのある個人的な感情を求めるようなものが日本の文化にまだ残っているのです」とスガワラ氏(43)は語った。



 ファックス機を捨てたくないという日本人の気持ちは、たとえ世界の他の国がさっさと見捨てようとも、一度信頼した流儀にこだわりたいという毅然とした態度をしばしば見せるこの高齢化しつつある国民の真の姿を垣間見せてくれる。このファックス中毒は、かつては手のひらサイズの電卓やウォークマンや、そう、ファックス機によって家庭用電化製品に革命をもたらした日本が、デジタル時代に乗り遅れ、韓国や中国のような機敏な競合国に遅れをとってしまった理由の一因となるものである。



 「日本には、なじんだものにこだわるというガラパゴス的なものがあります」。そう語るのは、機械の流行廃りについての本を執筆中の技術史家であるジョナサン・クーパースミス(Jonathan Coopersmith)。「他の国では、ファックスはドードー(dodo)の運命をたどってしまったのですがね」。(ドードーとは17世紀に絶滅した飛べない大きな鳥――訳者註)。



 日本では、先進的なインターネットの新興企業や国際感覚のあるメーカーを除けば、ファックスは今でもビジネスを行うのに不可欠なツールである。専門家によれば、官庁はファックスを好むが、それは、役人がハンコと呼ばれる承認印を押すことのできる事務手続きを官庁が生み出すからである。多くの企業もファックスに頼っているが、それはすぐ消去される電子メールでは残らない受注や出荷の紙媒体の記録を作成するためだという。銀行もファックスに頼っているのだが、それは、顧客がインターネット上の個人情報の安全性を心配しているからというのが銀行側の言い分である。


 警察によると、日本最大の暴力団で神戸に本拠を置く山口組さえも、組員に除名の通知を送信するのにファクスを使用してきたという。


 2011年に日本の東北で破壊的な地震と津波が起きた後、ファックス機が流されてしまったので、ファックス機を買い替えるちょっとしたブームが起きた。最も売れたファックス機の一つは、自然災害による停電の間でも作動し続ける電池で動くモデルだった。


 玉子屋のスガワラ氏は、ファックスと昔ながらの電話への会社の依存度を芸術的な域にまで高めた。毎朝、約62000食のランチの注文がかかってくるが、その約半分はファックスによるものだ。そのランチのほとんどは、注文の締め切り前に調理されトラックに積まれる。100人いるファックスと電話のオペレータのチームは慎重に配達の調整をし、廃棄される弁当は60個――全体の0.1パーセント――に満たないのである。



」(つづく)











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