So-net無料ブログ作成
ブログパーツ
 

イエスの妻に言及するパピルスの発見 [海外メディア記事]

 大きなニュースかどうかは判断がつかないが、興味が尽きないニュースであることは間違いない。『ニューヨーク・タイムズ』の記事より。




A Faded Piece of Papyrus Refers to Jesus’ Wife
By LAURIE GOODSTEIN
Published: September 18, 2012 970 Comments

http://www.nytimes.com/2012/09/19/us/historian-says-piece-of-papyrus-refers-to-jesus-wife.html




「 


一枚の色あせたパピルスにはイエスの妻への言及があった


609papyrus.jpg
(  「イエスの妻の福音書」
(一行目)「私にではない。私の母が私に生命をあたえた」
(二行目)「弟子たちはイエスに言った」 
(三行目)「否認する。マリアはそれに値する」
(四行目)「イエスは彼らに言った。「私の妻は…」」 
(五行目)「彼女は私の弟子になることができるだろう」
(六行目)「悪い人間は増長させておけ」
(七行目)「私について言えば、私が彼女と暮らしているのは・・・するためだ」
(八行目)「似姿」  )



 ハーバード大学・神学大学院で初期キリスト教の歴史を研究している研究者が、4世紀にコプト語で書かれ「イエスは彼らに言った。「私の妻は…」」という聖書のどこにも見られないフレーズを含むパピルスの切れ端を発見した。



 色あせたパピルスの断片は名刺より小さく、虫メガネを使えば判読できる黒インクで書かれた文字が片側に8行にわたって並んでいる。イエスが妻をもっていることを記す行の下には、「彼女は私の弟子になることができるだろう」と書かれているという物議を醸しそうな別の一文が含まれている。


 この発見は火曜日にローマで行なわれたコプト語研究の国際会議でカレン・L・キング( Karen L. King)教授によって公表された。キング教授は福音書の新たな発見についての本を数冊出版し、アメリカで最古の寄付講座であるハーバード大学・神学大学院のホリス教授職に就いた最初の女性である。


 パピルス断片の由来は不明であり、その所有者は匿名を希望している。火曜日までに、キング博士はその断片をパピルス古文書学とコプト語言語学のごくわずかな範囲の専門家にしか見せていないが、専門家たちはそれが偽造ではない可能性が非常に高いと結論づけた。しかし、彼女と彼女の共同研究者は、もっと多くの学者が関与して、自分たちの結論を覆してくれることを熱望していると言っている。



 多くの問いが未解決の中、この発見は、イエスが結婚していたかどうか、マグダラのマリアがイエスの妻だったかどうか、イエスは女性の弟子をもっていたかどうかについての論争に再び火をつけることになるかもしれない。専門家たちによれば、こうした論争は、キリスト教が誕生した最初の数世紀にすでにあったという。しかし、世界中のキリスト教が聖職における女性の地位やどこまで結婚を認めるべきかという点で混乱している今日こそ、こうした論争は相応しいものなのだ。


 この議論は特にローマ・カトリック教会で活発だ。変化を求める声があるにもかかわらず、バチカンは、イエスによって設定された規範があるために、女性や既​​婚男性は聖職者になることはできないという教えを再三表明してきたからだ。


 キング博士はインタビューに応じ、先週の木曜日、ハーバード大学・神学大学院の最上階にある彼女の研究室で、ニューヨーク・タイムズ紙、ボストン・グローブ紙、ハーバード・マガジン誌に対して、ガラス・ケースに収められたパピルスの断片を公表した。


 彼女は、この断片が、歴史上の人物であるイエスが実際に結婚していたことを示す証拠として見なされるべきではないと何度も警告した。この文章は、イエスが生きていた数世紀後に書かれたものであるからだし、別の初期に書かれた、歴史的に信頼性のあるキリスト教の文献は、この問いには答えてくれないからだ、と彼女は言った。


 しかし、この発見は刺激的だ、なぜなら、それは、古代の文献としては、イエスが妻について語ることに言及している(知られている限りでの)最初のものだからである、とキング博士は述べた。それは、イエスが独身だったか結婚していたか、そして彼の信者はどちらの道を選ぶべきかについて初期のキリスト教徒の間で活発な議論があったことを示すさらなる証拠を提供しているのだ。


 「この断片は、初期のキリスト教徒のなかには、イエスが結婚していたという伝承をもっていた者たちがいたことを示唆しています」と彼女は言った。「以前から知られていたことですが、2世紀には、キリスト教徒は結婚してセックスをすべきかどうかについての論争と並行して、イエスが結婚していたかどうかをめぐる論争があったのです」。

 
 
 キング博士が「イエスの妻の福音書」と彼女が呼ぶものについて初めて知るようになったのは、ある個人収集家からのメールでそれを翻訳してくれないかと依頼を受けたときだった。キング博士(58)はコプト語文献の専門家で、ユダの福音書、マグダラのマリアの福音書、グノーシス主義、古代における女性についての書物を書いてきた。


 このパピルスの断片の所有者は、ギリシャ語やコプト語やアラビア語で書かれたパピルスを収集している人物で、氏名・国籍・居住地が特定されることを望んでいないのだが、それは、キング博士によれば、「このパピルスを買いたいという人々にしつこく追い回されたくない」からだという。


 この断片がいつ、どこで、どのようにして発見されたのかは知られていない。収集家が前のドイツ人の所有者から1997年に買い取った一束のパピルスの中に、この断片はあった。その束にはドイツ語で書かれた手書きのメモが付いていたが、そのメモは、今や故人になったベルリンのエジプト学の教授の名前をあげて、この断片をイエスが妻に言及するテクストの「唯一の例」と呼んでいる。


 所有者は2011年12月にハーバードの神学大学院にこの断片を持ちこみ、キング博士に預けた。3月になって、彼女はその断片を赤いハンドバックに入れニューヨークにやって来た。ニューヨーク大学の古代世界研究所の所長であるロジャー・バグノール(Roger Bagnall)と、プリンストン大学の宗教学の準教授であるアンマリー・ルイエンダイク(AnneMarie Luijendijk)という二人のパピルス研究者にそれを見せるためだった。




19jesus-cnd-articleInline.jpg
(  ハーバード大学・神学大学院の研究室で、4世紀にコプト語で書かれイエスの妻への言及を含んでいるパピルスの断片をかかげるカレン・L・キング教授  )




 彼らは鮮明なまま拡大してその切れ端を検討した。それは、わずか4×8センチのとても小さい切れ端だった。文字はにじみがあり不揃いで、素人の手になるものだったが、それは、多くのキリスト教徒が貧しく迫害されていた頃には珍しいことではなかった。


 それは、ギリシャ文字を使用するエジプトの言語の一つであるコプト語で書かれていた――もっと正確に言うと、エジプト南部の方言であるサヒド方言のコプト語だった、とルイエンダイク博士はインタビューで語った。


 これは多分本物だろうと彼らに確信させたのは、パピルスの繊維上のインクの褪色と、破れた端の曲がった繊維に付着していたインクの痕だった。裏面はとても薄れてしまっていて、「私の母」、「三つの」、「前にそしてそれは」という5つの単語しか読みとれず、しかもそのうち一つは部分的にしか読みとれなかった。



 「偽造するのは不可能でしょう」と、キング博士の論文にも貢献したルイエンダイク博士は語った。


 バグノール博士は、これを誰かが偽造したとすれば、その人はコプト語文法と筆跡学と宗教上の観念の専門家でなければならなかっただろうと推論した。彼がこれまで見たことのある偽物は、でたらめな言葉の羅列以上のものではなかった。もしこれがセンセーションを引き起こしたり誰かを金持ちにするために仕組まれた偽造であるなら、なぜこんなにも長い間世に知られずにいたのだろう?


 「誰かがこんな偽物を作ったというもっともらしいシナリオを作るのは困難ですね。ひねくれたパピルス古文書学者がこの世にいっぱいいるわけでもないですしね」とバグノール博士は言った。


 この断片はほぼ四角形になるように引き裂かれ、その結果、テクスト本文は隣接する上下左右の部分を失ってしまった――たぶん利益を最大化するためにもっと大きかった部分を細分化した業者の仕業だろう、とバグノール博士は述べた。


 それゆえ、文脈の多くは不明である。しかし、キング博士は「私の母は私に生命を与えた」や「マリアはそれに値する」という断片の中の一文に注目している。それらはトマスの福音書やマリアの福音書の一節に似ているからである。専門家によれば、これらの福音書は2世紀後半に書かれてからコプト語に翻訳されたようだ。キング博士は、この断片もまた2世紀のギリシア語のテクストから書き写されたものだろうと推測している。



 「私の妻」という言葉の意味に異論の余地はない、とキング博士は述べた。「これらの言葉が何か他のことを意味することはありえませんね」。「私の妻は…」の先の部分は切り取られている。


 キング博士はカーボン・テストを使ってインクの年代を測定することはしなかった。それをするには多くのものを削り取らなければならず、この遺物を破壊してしまうからだ。それでも、化学組成によっておおよその年代を決定できる分光法によってインクを分析する予定ではいるそうだ​。


 キング博士は論文を『ハーヴァード神学学会報(Harvard Theological Review)』に提出し、同誌は三人の学者に査読を依頼した。二人はその信憑性を疑問視したが、その二人が見たのはその断片の低解像度の写真だけだったし、パピルス古文書学の専門家が現物を見てそれを本物だと判断したことをその二人は知らされてなかったのです、とキング博士は語った。その二人のうちの一人は、文法と翻訳と解釈に疑問を呈した。


 エルサレムにあるヘブライ大学の著名なコプト語学者であるアリエル・シーシャ-ハレヴィー(Ariel Shisha-Halevy)にも査読が依頼されたが、彼は9月にメールで「私は――言語と文法に基づいて判断すると――このテクストは本物であると思います」と述べた。


 大きな疑問は和らいだので、『ハーヴァード神学学会報』は1月号にキング博士の論文を掲載する予定である。


 キング博士は、陰謀説をかき立てるのを避けるためにも、所有者に名のり出るよう説得するつもりだと述べた。


 イエスに妻がいたという考えは、ベストセラーで映画にもなった『ダ・ヴィンチ・コード』の中心をなす思いつきだった。しかし、キング博士は、暗号やその作者に関わろうとは思っていないと述べた。「せめてものお願いですが、ダン・ブラウンが正しかったことがこれで証明されたなどとは書かないで下さいね」。



」(おわり)


















コメント(1) 
共通テーマ:日記・雑感

コメント 1

haru

こんばんは。

イエス様の結婚については、よかったら
「失われた福音」にかなり詳しく謎解きしてありました。
私は、クリスチャンではないけど、ミステリーが好きなのもので、
専門的なところは飛ばして、でも、面白かった。
というか、刺激的。
よかったら読んでみてください。
by haru (2016-11-17 00:33) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。