So-net無料ブログ作成
検索選択
ブログパーツ

映画史上最も偉大な映画のトップは…(1) [海外メディア記事]

  英国映画協会(BFI)が主催し、総勢846人の映画関係者が参加した「最も偉大な映画トップ100」の結果が発表された。イギリス『ガーディアン』紙の記事より紹介する。

  総合では『めまい』がトップだが、記事に書かれてあるように、映画監督の投票だけに限ってみると、小津の『東京物語』が堂々の第1位だったのは、少しビックリというか嬉しいというか。


 英国映画協会のサイトに行くと「映画史上最も偉大な映画トップ50」(The Top 50 Greatest Films of All Time)がすでに公開されている。こちらは、追って紹介することにしよう。


Vertigo tops greatest film poll, ending reign of Citizen Kane

Mark Brown, arts correspondent
guardian.co.uk, Wednesday 1 August 2012 18.32 BST

http://www.guardian.co.uk/film/2012/aug/01/vertigo-hitchcock-bfi-greatest-film

 
 「 
  『めまい』が史上最大の映画アンケートのトップになり、『市民ケーン』の支配を終わらせた


 アルフレッド・ヒッチコックの1958年の映画が、英国映画協会(BFI)が10年に1度行う映画の人気投票で、オーソン・ウェルズの傑作の50年におよぶ支配を終わらせた


VERTIGO-008.jpg
キム・ノヴァクとジェームズ・スチュワート主演の『めまい』が、世界の846人の批評家や作家が投票したBFIのアンケートでトップになった



 「この映画は妻殺しのありそうもない話で、それを、スローで冗長で、それに明らかに、思いつきだらけのス​​タイルで2時間以上にもわたって語るのだ」と54年前の『マンチェスター・ガーディアン』紙の映画批評家は不平を漏らした。誤解のないように言っておきたいが、その批評家は、アルフレッド・ヒッチコックの『めまい』はまさに史上最高の映画だと言いたかったのかもしれない。


 
 こんな強引な再評価であっても、この1958年の映画が英国映画協会の定評のあるアンケートである「最も偉大な映画トップ100」――1952年以降10年ごとに行われてきた――の第1位に輝いた後の水曜日であってみれば、当然の再評価と言えるだろう。



 『めまい』は、1962年以来ずっとトップ100の第1位であり続けてきたオーソン・ウェルズの『市民ケーン』の支配を終わらせたのであった。



 「ちょっと驚きましたね」と語るのは、このアンケートを実施した『サイト・アンド・サウンド』誌の編集長のニック・ジェームズ(Nick James)。「前回、私は『市民ケーン』が1位から落ちればいいのにと願ったのに、そうはならなかったのを覚えてますからね。だから、驚いたのです。そして嬉しかったですね」。


 最も権威のあるアンケートの一つと考えられているこの調査が、846人の批評家や作家に投票に参加してもらうことで、かつてないほどの規模と国際性をもつにいたっただけに、なおさら『めまい』の第1位は印象的である。


 ジェームズによれば、『めまい』の勝利は映画批評の文化の変化を反映しているのだという。「『市民ケーン』のような、いろいろと趣向が凝らしてあって、一つの映画にあらゆる技術の粋を詰めこんだような映画に多大な敬意を抱かなくなったという点で、映画ファンの嗜好が変わってきたのです」。


 「人々の関心は、もっと個人的な映画、自分の人生に置きかえて個人的に反応できるような映画に移ってきていますね、『めまい』はそんな映画なのです。とくに一度以上観れば、それが判ります。それはだんだん観る人の心を捉えるようになる映画なのです」。


 「『めまい』は『市民ケーン』よりずっと現代的な映画のように感じられます。『市民ケーン』には大げさな表現が多く非常に演劇的で、今の演技の基準からみるとちょっと演技過剰なところがあります。『めまい』は私たちの内面の生活をテーマにしているのです」。


 批評家のリストの第3位には小津安二郎の『東京物語』が選ばれた。1953年に制作された日本のドラマである。「私はこの映画を3日前に観たばかりなのですが、涙を止めることができませんでした」とジェームスは言った。「この映画は家族のあり方について、それどころか今日の私たちの生き方について、最近のどのハリウッド映画よりも多くのことを語っていると私は思います。胸を刺すようで悲しく痛ましく素晴らしい――傑作です」。


 小津の映画は、映画監督の投票――マーティン・スコセッシ、クエンティン・タランティーノ、ウディ・アレン、マイク・リーなどを含む358人の監督が参加した――ではトップだった。映画監督の投票では、『東京物語』がトップで、『市民ケーン』とキューブリックの『2001年宇宙の旅』が同数で2位を分けあった。それから『81/2』、『タクシー・ドライバー』、『地獄の黙示録』、『ゴッドファーザー』、『めまい』が同数で7位だった。その次がタルコフスキーの『鏡』で、10位が『自転車泥棒』だったが、『自転車泥棒』は1952年の第一回の批評家の投票で1位だった作品である。


 『めまい』の成功は、ヒッチコックと映画批評家との関係に大きな変化があったことを反映している。かつての批評家の中にはヒッチコックをハリウッドのスリラー映画の監督にすぎないと見下す者もいたからである。


 1958年のガーディアンの批評家に公平を期していえば、彼は『めまい』の中に多くの美点を見出していたし、監督のサスペンスの手腕を高く評価していた。しかし、彼はこう付け加えたのだ。「こう言ったからといって、『めまい』が本当に価値のある映画であることにはならない。ヒッチコックの手腕をもってしても、この映画が本質的にあやふやである点は消えないし、不要な後半部分でいらいらする気持ちになることも変えられないのだ」。


 BFIはヒッチコックの映画の回顧展を現在開催しているが、ヒッチコックは、シェイクスピアやディケンズと並んで学校で習うべきものだと最近のBFIは考えているようだ。


  この人気投票のトップはイギリス出身の監督だが、このトップ100の中には貴重なイギリス映​​画はほとんど入っていない。6位にランクされている『2001年宇宙の旅』はイギリスの映画だと主張する人もいるかもしれないが、異論の余地なくイギリスの映画だといえる最も上位の作品は、73位のキャロル・リードの『第三の男』である。


  『アーティスト』が成功を収めてから、現代は無声映画を好むようになったが、その傾向はトップ10に無名映画が2作入ったことで続いているようだ。8位に入ったジガ・ベルトフの前衛的なドキュメンタリー『カメラを持った男』と、9位に入ったカール・テオドア・ドライヤーの『裁かるるジャンヌ』がそれである。ここ20年間の作品は少なく、ランクインしたのは ウォン・カーウァイの2000年の『花様年華』(24位)と、デヴィッド・リンチの2001年の『マルホランド・ドライブ』(28位)だけだった。 …




」(つづく)








コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。