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イチローは新たな役割を受け入れる必要がある [海外メディア記事]

 海外の新聞記事の紹介を久しぶりにします。

 イチローの不振が、日本と同様シアトルでも話題になっている。おそらく疲労なのだろうという推測が良くなされるが、はっきりしたことは判らない。イチロー本人も不振の原因についてほとんど語ってはいない。
 
 ジーターの衰えが昨年あたりからずっと顕著であったのとは対照的に、イチローは今シーズンに入って4月が絶好調だっただけに、単純に「衰え」を原因とするのも今一つすっきりしないように私には見えるのだが、真相はいかに?


 おそらく一過性のスランプなのだろうという楽観論がまだ多数派を占めているものの、やはり「寄る年波」のことが話題になるのは避けられない。その点をはっきり指摘したのがこのケリー記者の記事。

 「衰え」をはっきり指摘しながら、イチローに最大限気を使っているあたり、そして短い表現からマリナーズに対する記者の思い入れが思わずあふれ出ているあたり、この一文はなかなかの名文ではないかと思われます。

『シアトル・タイムズ』の記事より。

http://seattletimes.nwsource.com/html/stevekelley/2015304408_kelley13.html


 マリナーズとの新しい役割を受け入れる必要があるイチロー

マリナーズの37歳のスターであるイチローが下り坂にさしかかっている。いま重要なことは、イチローが――そしてマリナーズが――それに対してどう対処するかということだ。


スティーブ ・ ケリー 『シアトル・タイムズ』のスタッフ・コラムニスト


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37歳を迎えメジャーで10年以上のシーズンを過ごしたイチローは、驚くべき戦いを繰り広げているマリナーズにとってのサポート役をもっと引き受ける必要があるだろう



 私たちは皆、偉大なプレイヤーがいつまでもプレーできればいいのにと願う。今週の全米オープンでジャック・ニクラウスやアーノルド・パーマーが猛チャージをかけたり、ビヨルン・ ボルクとジョン・マッケンローがせめてもう一度ウィンブルドンの決勝でプレーしてくれたらと願う。

 私たちは、マイケル・ジョーダン、マジック・ジョンソンやラリー・バードが今でもNBAのタイトルを争っていればなあと思ったり、モハメド・アリとジョー・フレージャーがもう一度世界タイトル戦のためにトレーニングを始めたり、ハンク・アーロンが今でもサンディー・コーファックスの投球を打ち返したり、ジョー・モンタナがミドル・ラインバッカーをすり抜けたジェリー・ライスに対するパスを成功させたりできればなあと願ったりする。

 私たちは、最高のプレイヤーがいつまでも現役でいてくれればと願うのだ。

 しかし、年齢とプレイヤーとの闘いで、常に勝利を収めるのは年齢の方だ。才能がすり減っていく。技能が低下する。軽快な足どりが失われる。スピードがなくなる。

 これがイチローに起こっていることだ。

 このマリナーズのライトは、これまでの10年の各シーズンで200本以上のヒットを放ち、3割を超える打率を残してきたが、そのイチローが今年は.258の打率なのだ。

 それと同じくらい劇的なことだが、彼は、ゴールデン・グラブ賞にふさわしい右翼手としての守備を見せていない。まるで、飛球を追いかけることに問題を抱えているかのように見えるのだ。かつてほどのジャンプが見られない。外野手の間に飛んだボールを追いかける様子が以前のようにはいかないのだ。

 ゲームを作る先頭打者(playmaker)がゲームを作れていないのだ。

 イチローは、2009年にワールド・ベースボール・クラシックで日本代表としてプレーした後にエネルギーが枯れてしまった時と同じように疲れているように見える。2009年のシーズンが始まった時、彼は極度の疲労と胃潰瘍に苦しみ、故障者リストに入っていたのだ。

 たぶん、精密検査を受ける必要が彼にはあるだろう。たぶん肉体的にどこかがおかしいのだ。

 私たちは、イチローがまた目の覚めるような得点をあげることを、7月には.380ほどの打率を残せることを待ちつづけている。

 しかし37歳という年齢では、彼の脚力が下り坂になっていることには疑いはないし、私たちが目撃しているのは、スーパースターが予想よりも急速に衰えつつある様子なのかもしれない。

 彼ほど入念に準備していても、そして彼ほど完璧にコンディション作りをしていても、過去10年のシーズンで1588回ものメジャーリーグの試合に出場した代償が顕わになりつつあるのだ。

 問題はイチローが衰えつつあるかどうか、ではない。衰えていることは言うまでもないからである。

 しかし今シーズンの急激な衰えは二つの問いを提起するのだ。彼のキャリアのこの衰退時期にイチローはどう対処するのかという問いと、マリナーズは彼をどのように扱うかという問いである。
 
 マリナーズは一連の「イチロー・ルール」の下で動いてきた。イチローは毎日プレーをしてきたし、休むことが彼にとって最善であるような日にも彼はプレーをしてきた。彼は常に一番を打ってきた。

 彼は送りバントをしない。彼はめったに四球で歩かない。彼は年間25本ものホームランを打てるパワーがあるにもかかわらず、ボールをもっと遠くに飛ばすために打率を数ポイント下げるようなことはしない。

 マリナーズは常にイチローに合わせてきた。どうして合せないでいられただろう。イチローは、生涯打率.331という成績を携えて、このシーズンを迎えたのだから。

 キャリアのこの時期を迎えた今となっては、そろそろイチローの方がマリナーズに合わせる時期が来たのだ。

 今のイチローはこれまでのイチローではない。6週間にも及ぶスランプの中で、彼が強打できたボールがどれほど少なかったかはショッキングなほどであった。彼は、過去10年間そうであったような200本安打が保証された安打製造機ではもはやない。ショートへ深いゴロを放ったら、2001年以降は確実にシングル・ヒットになったものだが、もはやそのようなことはないのである。

 イチローは自分の年齢に譲歩しなければならない。彼はもっとボールを見きわめる必要がある。監督のエリック・ウェッジが彼に送りバントをするように求めるならば、イチローもそうせざるを得なくなるだろう。

 ウェッジ・ルールはイチロー・ルールに勝るのだ。

 信じ難いことだが、マリナーズは西地区の優勝を争う位置につけており、わずか1・5ゲーム差でテキサスを追いかけている。突然レンジャーズが打てなくなった。エンジェルスも打撃不振だ。オークランドはチームが崩壊しているように見える。

 この地区にはマリナーズの脅威となるようなチームはないのだ(こんな一文を書けたことが信じられない)。

 しかし、ウェッジ監督は、現時点でのチームを管理しているのと同じくらい、将来のためのプランをたてなければならない。彼は若手――カルロス・ペゲーロ、グレッグ・ホールマン、マイク・カープのような若手――のための場所をラインアップに見つけなければならない。いつの日か、とりわけペゲーロとホールマンにとって、その場所は右翼になるかもしれない。

 ウェッジがイチローにベンチにいてほしいと望めば、イチローは、チームのために、ベンチにいなければならない。これがウェッジ・ルールである。

 この驚くべきシーズンの前半で、ウェッジの選手起用は名人芸と言えるようなものだった。彼がこのチームを掌握しているのは疑いえない。

 ウェッジは、イチローを一日だけ休養させた金曜日のようなやり方で、イチローを起用し続けるだろう。イチローは、今週末デトロイトで9打席中4安打を放って、休養に応えた。

 イチローは、今シーズンは依然として重要なプレーヤーだが、彼は今やロール・プレイヤー(role player:特定の役割を果たすことだけを期待される選手)なのだ。彼はこの役割を受け入れるだろうか?

 最高の選手でさえも永久に現役を続けるわけにはいかないのである。

」(おわり)






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mjfe

向こうの記者の人とかってたまに勘違いしている人いますよね。

>彼は年間25本ものホームランを打てるパワーがあるにもかかわらず、ボールをもっと遠くに飛ばすために打率を数ポイント下げるようなことはしない。

これって試合前のフリーバッティングでの打球を見て言っているんだと思いますが、知ってのとおり、メジャーのスラッガーは試合前のフリーバッティングでイチローみたいに張り切ってど真ん中の死んだボールを引っ張って本塁打することには夢中になったりしません。
なぜなら、スラッガーは試合では長打を警戒されてキレのあるツーシームを外角低めにたくさん投げられるからです。そういった攻めに対処するには無理やり引っ張ってもパワーで運べる強打者以外は逆方向に長打を狙うため、練習でも逆方向に合わせるようにして打つ練習をしている人が多いです。ど真ん中を引っ張って打つなら練習しなくても彼らなら打てるからです。

試合前に気分転換で引っ張り専門で柵越えをするイチローにはそんなパワーはないんですよ。大体スラッガーがしている100キロ以上かついでのスクワットはイチローは走力が落ちるのを嫌がってしません。だから尻や太ももがスラッガーに比べて細い。あれでは真ん中から内角に来たボールを引っ張ってのホームランしか打てません。
で、イチローは先頭打者ホームランは多いですが、スリーランホームランなどチャンスでの一発は少ないです。彼がホームラン狙いにしたら、どうでもいいところでのホームランばかりになって意味がないと思います。
そういえばボンズがルーキーの頃にフリー打撃で引っ張って本塁打を量産していたところ、コーチが「そんなのメジャーリーガーなら誰だってできるぞ」と言ってボンズが「それならこれはどうだい?」と流してホームランを連発して周囲を驚かせた、というエピソードがあります。
イチローは流しては飛距離が出ません。これは右投げ左打ちというのも影響しているでしょう。
イチローがメジャーで打った逆方向へのホームランは、左中間に1本だけです。センターにもわずかに2本だけ。あとは右中間に13本と右翼に75本とほとんど全て反動をつけて引っ張ってのホームランしか打てません。スラッガーは無反動でホームランにしないといけません。25本以上打つ選手もそれに近いパワーが必要でしょう。

それにこの記者が打率を捨てて25本以上打て、と言いますが、1番を打っているイチローは、四球が少なく打数が毎年680打数とメジャーでトップクラスの多さですが、その打数の多さを生かして2割前半で25本打てたとしても、四球を選んで580打数程度で25本を打つ打者に比べると相当見劣りしますよね。当然イチローの出塁率は低くなって売りの俊足を生かせません。
その辺を考慮せずにもっと長打を打て、というのはかなり分析にかけると思いますね。
まぁメジャーリーグには右投げ左打ちでも元々左利きだったが矯正されて右投げになったようなスラッガーが一塁手に結構多いですから、右投げ左打ちでも長打を量産できる、と思ってる人は多いんでしょうね。
by mjfe (2011-07-12 10:18) 

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