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ストレスで脳の質量が減少するとき(前半) [海外メディア記事]



 最近は減ったが、自分の勉強もかねてサイエンス関連の記事を意識的に好んで訳した時期があったが、科学に関しては、ドイツの『シュピーゲル』の記事が一番簡潔で面白い、というのが私の印象。ちなみに、どれほど紹介したかは、右のサイドバーにある“Search Box”で「シュピーゲル」と入れてみると判る。

 イギリスの『インディペンデント』紙の科学記事も面白いが、少し無駄に長いのが欠点。『ニューヨーク・タイムズ』は文章に少し劇的な脚色があるのが特徴か?

 今日は、久しぶりに時間があったので、ちょっと『シュピーゲル』誌の特集記事の一つを紹介してみようと思った。ストレスの話である。男性のストレス過多が不妊に関係しているという最近の研究の紹介から始まる。全体は三部構成になっているが、それを二回に分けて紹介しよう。

 過剰なストレス社会の実例として、真っ先に東京の街角の写真が掲げられているのが印象的である。


Wenn die Hirnmasse schrumpft
Samiha Shafy
http://www.spiegel.de/spiegelwissen/0,1518,747304,00.html



「 ストレスで脳の質量が減少するとき





人間はストレスなしで生きていくことは出来ない――でも、生物に備わるストレスのシステムは現代の世界のために創られたものではないので、簡単にバランスを崩しやすいのだ。緊張状態が長く続くとどのような影響が出るか、研究者が解読した。



 初めはきっと間違えてしまったのだと、彼は思った。「ダーウィンが聞いたら、墓の中で泣くかもしれませんね」。トリアー大学の心理生物学者のディルク・ヘルハマー(Dirk Hellhammer)はそう言って、愉快そうにくすくす笑った。「しかし、われわれのデータに誤解の余地はありませんでした。よりによって、活発で支配欲が強く、何事にも注意を怠らない男性の方が、精子の数とテストステロンの値が低かったのです」
。ちょっと誇張すれば、マッチョな男性ほど不妊にむすびつく傾向があると言えるかもしれない、とヘルハマーは言うのだ。

 実験室で雄のラットに能動的にも受動的にもストレスに関わらせて、そして――ラットの死後に――その脳や睾丸やホルモンを調べた後で、ヘルハマーは、筋肉質の男性がなぜ不妊に結びつく傾向があるのかの生物学的な原因を発見できたと思ったのだ。

 「高いレベルのストレスを伴う活動状態にたえずいる活動的な男性においては、生きていくうえで重要でないあらゆる身体部位の――生殖器もその一つ――血管が収縮してしまうような血液の分布状態になっているのです」とヘルハマーは述べた。「だから睾丸での血流が悪くなり、それによってテストステロンの生産量が落ちてしまうのです」。





 ヘルハマーは白髪で、口ひげと四角い眼鏡をかけた大柄な男性だ。彼は四半世紀にわたって教授職に就いているが、今でも講義では熱っぽい口調で話す。さて、彼の話の本当のポイントは次の点にあるのだ。「もしあなたが、こうしたマッチョの男性たちにサイコセラピーを行って、子供をもちたいという希望が叶えられないことに苦しんでいるかと尋ねたら、その通りですよという答えが返ってくるでしょう。サイコセラピーは彼らの心の状態を改善してくれるでしょう」。しかし、問題を解決したいと思うならば、その背後にある生物学的メカニズムを知っておかなければならない、とヘルハマーは言う。

 

 本来ストレスは有用なものである



 解決策は非常に単純であることが判明した。自己意識が強く、競争心 にあふれ高いストレスのかかる日常生活を送り、健康な女性を妻にむかえ少なくとも5年間子作りに励んだが無駄だった男性たちに対して、ヘルハマーは、ストレス軽減のための4ヶ月間に及ぶ標準的なプログラムを処方した。カップルに対するセラピーでは、とくに私生活での緊張を取り除くようにした。「4ヵ月間で15組のカップルのうち7組のカップルで妊娠が起こりました」とヘルハマーは自慢げに語った。

 本来ストレスは有用なものである。私たちは、筋肉を作り上げ強く持続力をもつようになるには、肉体を酷使しなければならない。同様に、精神的に発達し新たなものを学ぶためには、心に過度な負担をかけることが必要なのである。ストレスとはまず思考能力と集中力をシャープにするものだ。ストレスは肉体と精神に対して――せまり来る危険や難局にうまく対処できるようにするために――すぐに反応するような態勢をとらせるものである。

 ただし問題は次の点にある:生物としての私たちに備わっているストレスのシステムは過去の遺産である、という点にあるのだ。ストレスは、生きるか死ぬかがすぐに問題になるような状況のためのものである――だから、肉食獣から攻撃されるようなときのためにあるのであって、親権の争いだとか解雇の危険だとかいつも期限に追われたり成果を出せというプレッシャーなどに苦しんでいるときのためではないのである。「進化とは人間と環境との間の絶え間のない適応のプロセスです」。そう語るのはチューリッヒ大学病院の精神科の院長エーリッヒ・ザイフリッツ(Erich Seifritz)。「しかし、いつの間にか、私たちの進化の発達が追いついていけそうもないほど、環境が激変してしまったのです」。

」(つづく)












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