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憎悪が広がる ― ティー・パーティーによる憎悪の扇動(2)  [海外メディア記事]

  ティー・パーティーがもたらす政治的悪影響を懸念するドイツ『ツァイト』紙の記事の二回目。
  記事の途中で引用されている「暴力的な言葉はつねに暴力の前触れだ」という言葉を胸に銘記しておきたいものである。

http://www.zeit.de/politik/ausland/2010-11/welt-buendnis-rechtspopulisten?page=2


 「   憎悪が広がるとき (2)

 
 ペイリンのオバマに対する罵声に満ちた長口舌や、大人気となったマードックTVチャンネルのFOXニュースにでてくるジャーナリストに偽装した憎悪の伝道師たちが毎日流し続ける戦闘的なスローガンは、ヨーロッパの最悪な手本を連想させる。マードックの司会者が現代の最先端の技術レベルで行っているように、かつての東ベルリンでは悪名高いカール・エドワルト・フォン・シュニッツラーが、前近代的な東ドイツの国営テレビの番組「黒いチャンネル」で、西ドイツの民主主義に対してでっち上げの話と歪められた事実を焚きつけていた。今日のティー・パーティ運動の最悪の主催者たちと同様、1970年代初頭、ドイツのネオナチやドイツの保守政党の右派や戦犯団体の老齢で頭が硬直した人々も社会民主党の首相ウィリー・ブラントの対東ドイツ政策に対して罵詈雑言を撒き散らしたものだった。「ブラントを銃殺に」が彼らのスローガンの一つだった。それと同様に、サラ・ペイリンも、軍事オタクなら誰でも知っている「後退するな、銃弾を入れなおせ(Don't retreat, instead reload)」という言葉で、忍耐と決意を支持者に求めるのである。


  ヨーロッパの歴史にはもっと良くない類似例がひしめき合っている。バルカン半島の過激派たち--とくにセルビアやクロアチアの「キリスト教徒」たち--は言葉を過激化させていくにつれ、1990年代には、最終的にはユーゴスラビアの崩壊に導きムラジッチやカラジッチのような戦争犯罪人の名前に結びついた国家主義的な殺人欲求にまで高まってしまった。「暴力的な言葉はつねに暴力の前触れだ」。有名なオンライン論説サービス・サイト『トゥルースディグ』(Truthdig)でそう書いているのは、『ニューヨーク・タイムズ』紙の元従軍・災害担当の特派員で、数々の賞を受賞したクリス・ヘッジス(Chris Hedgges)だ。

 
 彼はこうしたエスカレーションのシナリオを、多くの戦争、中南米、バルカン半島から学んだのだという。アメリカの右翼が現在世論を刺激し興奮させているやり方は、まさにそうしたエスカレーションの状況をヘッジスに想起させるのである。
 

 その限りで、ホワイトハウスの大統領に対する始末の悪いティー・パーティーの攻撃は、ヨーロッパにとって、単なるアメリカの国内問題という以上の意味がある。そこで起きていることは、いずれヨーロッパの民主主義に影響を及ぼすからである。問題なのは、オバマにとっての選挙の敗北と、そのことがオバマの改革プログラムにとって意味する政治的後退ということだけではない。ティー・パーティーという憎悪の文化のモデルが光り輝く力を帯びて模範としての影響を行使することが問題なのだ。なぜなら、ティー・パーティーに比べれば、ヨーロッパではよく知られたスイスやデンマークやオーストリアなどの右翼ポピュリズムやウンベルト・ボッシの北部同盟(Lega Nord )ですら、穏健なものと言えるからだ。彼らが、その政治的な扇動によって自国の政治的プロセスの中でいかに厄介な役割を果たしているとしても、である。
 ヨーロッパの右翼ポピュリズムとアメリカのティー・パーティーをつなぐミッシング・リンクは、オランダのヘールト・ウィルダース(Geert Wilders)であるかもしれない。このオランダの「イスラム教徒出て行け」タイプの政治家は、コーランを発禁処分にさせたがっていて、ザラツィン(Sarrazin… ユダヤ人に対する差別発言で脚光を浴びたドイツ連邦銀行理事--訳者註)を持ち上げ、パレスチナ人に対する強硬姿勢を崩さないイスラエルの政治家を支持しているのだが、彼には、オランダ国外の、ベルリンからニュー・ヨークにいたるまでの幅広いところから賛同者を増やしているのだ。彼はヨーロッパの新たな「ハイダー((Haider)…オーストリアの極右政治家--訳者註)」であり、この過激なオーストリア人が残した一種の遺産であり、新しいヨーロッパの右翼のこれまでなかったタイプの政治家である。


  しかし、甲高い声のサラ・ペイリンを擁して憎悪と不安をまき散らすティー・パーティーは、ヨーロッパでは長い間わき役だった右翼を必要としないだろう。旧世界のキリスト教的で保守的な環境のなかでは、新たな友人がやってきたと思われるだろうし、ペイリン一派は引く手あまたになるだろう。
  悪名高いスペインの地方政治家エスペランサ・アギーレ(Esperanza Aguirre)は、厳格な右翼で、保守的な国民党のメンバーであり、リベラルなマドリード市長で党友のガジャルドンと政治的ないさかいが絶えない人だが、彼女は最近ティー・パーティーの「理念」に興味があると表明した。


  それはそれで構わない。選挙結果は、オバマやヨーロッパの社会民主主義者を阻止したり場合によっては消滅させるために、利害のからんだ億万長者たちが極右政治家に支払うお金と同程度の意味しかない。アメリカの動きがヨーロッパに伝わるのは時間の問題だ。新たな憎悪のモデルが、ヨーロッパで、コカ・コーラやマクドナルドやスターバックスのように広がることがあれば、それは新たな第一章の始まりになるだろう。ただしそのときに問題となるのは粗悪な食品や高いコーヒーではなく、民主主義の終わりであるかもしれないのだ。

」(おわり)









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