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敵は友人になれるか(2) [海外メディア記事]

 BENEDICT CAREY氏の記事の後半を紹介します。

 「嫌う」ことの意義、「嫌悪する」ことの効用。こういうことは教育の場で公然と語られることはほとんどないであろう。しかし、こうしたネガティヴな関係を築くことは、子供が自己自身を形成する上できわめて重要な要因であるはずであり、誰にも身に覚えのあること、誰もが認めることではないだろうか? そんなことが、説得力をもって語られています。  

 

http://www.nytimes.com/2010/05/18/health/18mind.html?pagewanted=2


「 敵対するかつての友人のほとんども避けようとするので、敵意はエスカレートしないことを、カード博士は発見した。おまけに、ネガティヴな関係と発達の間に穏やかな繋がりがある方が普通である。ライバルや敵が後味の悪いまま心の奥底に居座っているような人が何人かに一人はいるが、それ以外の人は、より穏やかな敵対関係をもつにすぎず、そのことは社会的・感情的な発達の機会を提供することになるかもしれないのである。

 カリフォルニア大学ロサンゼルス校の心理学者のグループは、最近の一連の研究で、2,003名の中学生の誰と誰が嫌悪し合っているのかを記録した。同じトピックに関して行われた以前の調査とは違って、これらの研究者は、同級生から嫌われたら嫌い返す子供と、そんなことはしない子供とを比較したのである。誰のブラックリストにも名前を挙げられなかった生徒はこの分析から除外された。

 この比較によって判明したのは、クラスメートから敵意を感じたら敵意のお返しをする女子生徒が、教師が社会的能力について下すレーティングでは非常に高い点数であることだった。そうする女子生徒は人気があり多くの人から慕われていた。同じをする男子生徒は、教師が教室での行動について下すレーティングで高得点だった。

 
 「私の見るところ、誰かから反感をもたれていることに気づくとき、いくつかのオプションがあるのです」。そう語るのは、上の研究を指揮した心理学者で、今はオレゴン州のウィラメット大学にいるメリッサ・ウィットコウ(Melissa Witkow)。「反感を抱く人には、特に優しい態度で接することもできるでしょうし、それはそれで素敵なことでしょう。しかし、それはそれで場違いな対応になったり、失望するような結果しかもたらさなかったりして、結局、時間の無駄で終わることになるかもしれません。 あるいは、反感を抱く人をあえて無視することだってできます。または、その人と一戦交えることもできます」。

 ウィットコウ博士によれば、この研究が示しているのは、「誰かが自分を嫌っているとき、その嫌っている人を嫌い返す(dislike back)ことが順応性ある態度なのかもしれない」ということである。

 
 その理由の一つとして、人々が関係の対称性を好む傾向がある、つまり、愛情を共有する場合と同じように敵意も共有するというバランスを好む傾向があるということが挙げられる。成長するということは、大部分、自己規定(self-definition)の練習を積むことである。精神分析学者がずっと以前から主張していたように、子供は、ごく早い年齢から、憎悪の対象を作り上げ、そこに、自分の中にあるとても攻撃的な特徴を投影するものなのである。

 同じことは集団にも当てはまる。敵を共有することは、団結心と自己肯定の感覚を高めるものである。心理学の専門語で言えば、いわゆる外集団(out-group)のメンバーに焦点を合わせることは、自分たちの集団のメンバー間の結束を強めることにつながるのである。

 最後に、本当にうさんくさい敵に出会うことは、若者が大人になって、裏切られることがずっと危険なことになる場合に備えて、偽(にせ)の、あるいは信用できない友人をかぎつけて回避する準備ともなるのである。「始め、彼女は素晴らしい友人のように見えました」。カード博士の研究の中で、ある若い女性は以前の友人について語った。「でも、その後、私が彼女に親しくなり始めてから、彼女の本当の色(true colors:本当の人柄)がはっきり見えてきたのです」。

 他人の本当の色(本当の人柄)がどのように見えるのかを知らなければ、自分自身の色を見い出すのは困難になるかもしれない。「当時そんなことを意識していたわけではありませんが、今振り返ってみると判るんです。中学2年生になろうとした頃、私は本当によい子だったし、誰とでも友達になれたのです」。シャピローさんはそう語った。


 「それは、私が演じた役割だったわけですが、あのタフな女の子との経験のおかげで、私はそうなろうという気持ちになった――あるいは、そうなることができたんじゃないのかなって思うのです」。












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