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敵は友人になれるか(1)   [海外メディア記事]

 『ニューヨーク・タイムズ』紙の BENEDICT CAREY氏の記事を紹介します。親友関係のみならず、敵対関係も子供が発達する上での貴重な人間関係であるという研究結果に基づいた記事です。

 しかし、この記事で初めて知りましたが、アメリカでもいじめで自殺する子供がいるんですね。しかし、いじめる子どものグループが、クラスの中で「仲間からの拒絶(peer rejection)」という目にあうことは、クラス内で一種の浄化作用が働いていることを示しているわけで、たぶんそんなことが期待できない日本とは、だいぶ違うように感じられます。

http://www.nytimes.com/2010/05/18/health/18mind.html

「 
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6年生のとき、彼女たちは、良い子と悪い子、勉強する子と裏通りでタバコを吸う子という具合に、友達としてはありえない取り合わせだった。よく一緒に出かけた。ランチに行くといって落ちあった。学校から帰るときも一緒だった。一方がすばやく薬局に入ってリップグロスやタバコやキャンディーを万引きするのを、もう一人は畏敬の念を抱きながら見守っていた。

 しかしその関係は長続きしなかった。中学1年生のある朝、そのタフな女の子のロッカーに汚らしい言葉が書かれた紙切れが貼られていた――犯人はあの用心深い友達よ、と告げ口をする子がいた。「何があっても、私はそんなことしなかったでしょうけど」。そう語るのはそのときの友人のボニー・シャピロー(45)。彼女はいま、イリノイ州のエヴァンストンに暮らす二児の母親で、設計代理店のための派遣業の仕事をしている。 「でも、そんなことは重要じゃなかったの」。

 私はやっていないというボニーの言い分を無視して、タフなその女の子は、覚えてろよと彼女に言い放った。案の定、放課後に、「その子とその子の友人が、学校の外で私のことを待っていたの、私には誰もいなかった、私を助けてくれる仲間が誰もいなかったの」とシャピローさんは回想した。

 「すべてはっきり覚えています――私が何を身に着けていたかも。ピンクの裏地の黄色いレインコートだったわ」。

 憧れの気持ちはすぐに恐怖へと変わった。「彼女は私にとって要注意人物になったのです」とシャピローさんは言った。「忘れようとしても忘れられませんよ」。

  ほとんど誰でも、成長する過程でいじめっ子の一人や二人に遭遇するものだし、最近まで心理学の研究者もそのような関係を無視してきた――それは友情とは正反対のものだと仮定してきたのである。

  けれども、新しい研究が提起するところによると、こうした敵対的関係は、それがどれほど脅威に満ちたものに感じられようとも、社会的・感情的な発達を妨害するというよりも高めることがしばしばあるのだという。そうした関係をすべて均等にする訳にはいないし――教室でのライバルと、いまは敵対するかつての友人は別人である――研究者によれば、そうした関係がどのような心理的なインパクトをもつかは若者がどのように反応するかによる部分もあるのだという。


「友情は子供が成長する一つの文脈を提供しますが、ネガティヴな友人関係だって当然そういう文脈を提供するのです」。そう語るのは、ニュー・ハンプシャー州のコルビー・ソーヤー大学の心理学者モーリサ・エイビーケイシス(Maurissa Abecassis)。「違ってはいるものの、どちらのタイプの関係も、成長のための機会を提供するものだと私たちは考えるべきです」。

 もちろん、敵対的関係が一様に健全なものであるとは誰も主張していない。そうした関係によって肉体的に傷を負う以上のことが起こりうる証拠は、校庭での暴行やいじめのみならず、ソーシャル・ネットワーキング・サイトでも大小さまざまに伝えられている通りである(時には写真が伴うこともある)。

 今年に入って今までに、10代の女性の少なくとも2人が、クラスメートのグループに繰り返し攻撃や侮辱された挙句、自殺を計った。少人数の集団のターゲットになったり多くの人を敵に回すのはとても危険だ、と研究者は言う。そして自殺が稀なものに留まっている限り、敵対関係は広く行きわたる。調査によって判ったことだが、小学生の15%から40%がそうした関係の少なくとも一つに巻き込まれているし、仲間はずれにしたり噂を流すことが最高に盛り上がる中学および高校でのパーセンテージは48%から70%までに及ぶのである。

 しかし、心理学者はこの{いじめが問題化した時期に行われた}初期の研究結果にいくつもの欠点を見つけた。一つは、ライバルや対立相手や敵をもつほとんどの子供は(大人でもそうだが)、ありがたいことに、良い成績をあげている、ということだった。もう一つは、この研究結果は仲間からの拒絶(peer rejection)と呼ばれる現象によって補正を受ける、ということだった。つまり、{いじめを行う}子供たちの小さいグループはクラスの仲間たちとはとても違っているので、そのグループの子どもたちは、いじめられる子どもよりもずっと多くの苦しみを味わうのである。

 
 専門誌『発達心理学(Developmental Psychology)』の最新号でこうしたタイプの研究を批評した文章の中で、アリゾナ州立大学の心理学者であるノエル・A・カードは、こうした研究を組み合わせた結果を「仲間からの拒絶」の現象を配慮しながら訂正した。「仲間からの拒絶という要因を取り除くならば、反感に満ちた関係が子どもの社会への適応に及ぼす影響は非常に微々たるものになります」と、彼はあるインタビューで語った。


 こうしたことは、いじめの現場に立たされている子供や少年・少女にはちょっとした慰めになるかもしれない。彼らは、汚い言葉に充ちたメールや脅威や屈辱的なゴシップの中を泳いでいるようなものだからだ。とりわけ、親友だった者同士が反目しあうとき、心の傷は深くなるのである。

 『私たちは親友だったのに・・・(We Were Friends, but ...)』という題名の初期の研究論文の中で、カード博士は、気まずくなった友情が、相互に反目しあう敵対関係の、普通にあって特に激しくなる形式であることを見い出した。研究への参加者の一人が、あるパーティーで友人が一言も言わずに彼女のもとから去り、別の人と家に帰った後で何が起きたかを記述していた。「翌日、私は彼女に問いつめると、私たちは喧嘩になり停学処分になりました。そのときから彼女が噂を広め始めたのです」。


 シャピローさんと友達だった子との喧嘩は、他の子に見せつけるためのものでもあった。強い方の女の子は、他のタフな子達が見ている手前、彼女を殴るふりをしただけだった――そして、彼女の顔をつかみながら「逃げて」と言ったのだ。それでも、それは恐ろしい体験だった。「私は家までずっと走って帰りました」と彼女は言った。「高校卒業まで、彼女のことが怖かった。話し合ったりはしませんでした。とにかく彼女のことを避けていたのです」」。(つづく)











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