So-net無料ブログ作成
ブログパーツ
 

ドレスデン追悼(2) [海外メディア記事]

  ドレスデン空爆の追悼の日がクローズアップされたのは、ネオナチのグループが「6400人のネオナチによる「葬送行進」」を計画したため。元を正せば、ドレスデン空爆は国際法違反の疑いが濃く、「爆弾によるホロコーストだった」というのがネオナチの従来からの主張だったわけで、その主張を形にしようと「葬送行進」を実施しようとしたわけです。ドイツは反ナチスが国是ですから、当然その動きは阻止しなければならない。そこで、左派の政治家のみならず保守系の政治家も揃ってこの行進を阻止するために全力をあげたというわけです。下の記事に出てくる保守系のドレスデン市長は、反ナチスの戦いは「不寛容と愚鈍に対する」戦いだと言っていますが、果たしてそれほど愚鈍なことだろうか・・・・

 ドイツ国内の政治状況をまったく無視して言えば、ドレスデン空爆が米・英の「爆弾によるホロコーストだ」という主張は、理不尽な主張だとは私には思えない。同じことは、「東京大空襲」にも言えるのであって、戦争の帰趨が誰の目にも明らかになった時点でなぜ無防備な民間人があれほど多数犠牲にならなければならなかったのか(東京大空襲は、ドレスデン空襲の3倍以上の犠牲者を出しているわけですが)、それについての納得のいく理由はおそらく存在しないはずです。だから、ネオナチの存在はともかく、その主張には一定の妥当性があるのではないか?
 
 しかし、ナチス反対を国是としているドイツでは、そうした疑問を抱いてそれを形にすること自体が政治的に不可とされているのでしょう。あくまで、追悼の日は戦争を静かに悼む日であって、ナチスを復活させるようなことはあってはならない・・・。それに現行の米を中心とする安保体制が唯一の安全保障の枠組みである以上、米・英の旧悪をことさらに訴えても無意味なだけだと思うのが賢明な態度なのかもしれない。

 まあ、それは理解できるのですが、歴史的な数々の蛮行を脳裏の片隅にでも刻みつけることは無意味とは言えないでしょう。ちなみに、東京でも、あの大空襲の犠牲者を追悼して、あの空襲を糾弾しようとする人々がいます。ドイツとは違って、その運動を推進しているのはナチスとはまったく無関係の人々です。私は、その人々の動向にそれなりの理解をもっているので、その点で今回のネオナチをめぐる記事に興味をもった次第です。もちろん言うまでもないでしょうが、ネオナチそのものに共感している訳ではありません。



 今回のドレスデンの一件については、写真は『ツァイト』紙から(http://www.zeit.de/politik/deutschland/2010-02/dresden-naziaufmarsch-gegendemo)、記事は『フォーカス』誌からとりました(http://www.focus.de/politik/weitere-meldungen/dresden-stadt-setzt-ein-zeichen-gegen-rechtsextremismus_aid_480159.html)


 平和的に横断幕を掲げて行進する人々。右端は緑の党党首クラウディア・ロート。
 1.jpg

 墓地に花や花輪を手向けるドレスデン市民や訪問者。空爆の犠牲者の多くがここに眠る。 
 2.jpg

  公式の行事が終わった後、約100人の極右の人々が墓地の追悼の壁に歩み寄った。
 3.jpg

  左派のデモ参加者たちが座り込みによる道路封鎖のために集結した。放水車も出動した。
  4.jpg
  
  毎年、2月13日の夕方、ドレスデンの市民は聖母教会にやってきて、犠牲者を偲び、ローソクをともす。
  6.jpg


 
  「    第二次世界大戦のドレスデン爆撃の65周年の日にドレスデンは極右に反対する意思表明をした。約13000人の市民が市の中心部で人間の輪を作る一方で、エルベ川の対岸では、反ナチスのデモ隊がネオナチの行進を妨害した。「ドレスデンは彼らを望んでいないし、ネオナチの徒党はこの地に相応しくない」と市長のヘルマ・オローツは述べた。

 デモ隊は、バリケードや街頭の封鎖によって、計画されていた6400人のネオナチによる「葬送行進」を許さなかった。負傷者27人を出す衝突には至ったが、それ以上の乱闘には発展しなかった。警察は、5700人を招集しての出動体制だった。… 27人の負傷者の大半は――そのうち15人は警察官でジャーナリストも一人いた――、投石や瓶や発火物が当たったものだった。警察は、16歳から36歳までの男性29人を検挙したが、そのうち21人が左翼の反ナチスのデモ参加者だった。総体としては、例年よりも多くのネオナチがドレスデンにやって来た。しかしそこにはヨーロッパ全体から来た右翼8000人も含まれていた。・・・

  

 「不寛容と愚鈍に対する砦」
 1945年2月の空爆で完全に破壊されたドレスデンの歴史的な町並みの中心地では、数千人もの人々が人間の輪を作ろうという呼びかけに呼応した。その参加者にはザクセン州首相のスタニスラウ・ティリッヒ(CDU=キリスト教民主同盟)もいた。市側は1万人を超える人が参加したと発表したし、警察のスポークスマンのガイトナーは1万3000人という数字を挙げた。

 市長のオローツは、人間の輪の参加者にこう語った。「今日ふたたび、私たちの追悼の日を誤用しようとしている新旧ナチスの人々に対し、私たちは反対します」。空爆の記念日は「あの馬鹿げた戦争を誰が引き起こしたのかを想起する日なのです」。旧市街の城壁沿いに人間の輪の道ができたことを暗示しながら、彼女はこう叫んだ。「私たちはドレスデンを不寛容と愚鈍に対する砦とするのです」。         ・・・(以下省略) 」






nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。