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 蓬莱での食事(Best1)  [雑感]

 蓬莱での食事(Best1) 

 
  私がこれまで利用した国内のホテル・旅館の食事でひときわ印象深いBest1は、蓬莱の食事。


 調べてみると子どもが生まれる前の1~2年間に、国内有数の旅館に度々行っていて(草津『つづじ亭』、岩室『ゆめや』、伊豆『蓬莱』)、他にも流氷が去ったあとの道東や紅葉の頃の上高地にも行っていたり、生まれた直後に福島の『御宿かわせみ』も訪れているから、子どもが生まれる前後は夫婦そろって軽い躁状態だったのではないか? と訝しくならないこともない。それ以降は夫婦の関心が何かと子供やその周辺の事柄に傾いていった結果、評判の良い旅館を訪ねるという趣味は自然と消えていった。

 それはともかく、上記の旅館はそれぞれ思い出深いが、その中でも『蓬莱』は頭抜けているという印象がある。まず、迷路というか洞窟のような内部の構造に足を踏み入れた途端に、何か絡めとられるように感じられる一種の魔力のような情感。何故かその魔力に酔ってしまうようなところがあって、旅館に入ったら一度は外に出たいと思うのが普通だと思うが、そんな気持ちが湧いてこなかった。それと、食事前に顔を見せた魔女のような女将。表情は少し芝居じみているように見えたが(目が笑ってないまま笑っている)、厳しいものを秘めた得難いものを見たという気持ちにさせられた。

 さて、その日のメニュー:

・お酒はずっと剣菱。

・しょうぶ寿司、卵、エビ、そら豆、煮こごり、帆立煮、ごま豆腐の先付け(このうち煮こごりとごま豆腐は妻絶賛。これまで食べたものとは全く違うおいしさだった)。
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・ハモと大根のお椀とタケノコとイカの木の芽味噌。
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・アライ、アジ、カンパチのお造り(さすがに新鮮。下手にマグロなど出さないのが浅はかでなくて良い。アライは脂ののったねっとりした食感の白身。普段口に入ることはめったにない。のどぐろの伊豆ヴァージョンみたいなものか?)。
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・蓬莱餅(しいたけ、ネギ、豆、卵黄などが入っているヨモギにみぞれ餡をかけたもの。ねっとりしてとても豊かな気分になれる)。
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・稚鮎(苦味と味噌の甘みがベストマッチ)。
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・ふきと新じゃがと牛肉の煮物(見かけはぜんぜん違うのだが、ビーフシチューのような食感)。
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・しいたけ、アスパラ、帆立等の揚げ物。以下、型通り赤だし、お新香とご飯。
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・そして、朝食。中居さんが付き添ってよそってくれる方式。気さくに世間話をしてくれるので、飽きることがない。
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 ご覧の通りの何の変哲もない朝食に見える。しかし、写真から伝わることはないだろうが、何を隠そう私が最も感銘を受けたのはこの朝食だった。ご飯は、何かひと粒ひと粒の米を吟味した上で炊いたように思われた。多分、すべての食材に細心の注意が払われて丁寧に作られたに違いない。おそらく、誰もがまだ寝入っている朝まだきの時刻から仕込みが行わていたのだろう。直感的にそう思った。私は、既に見聞きしていた情報に基づいてそう思ったわけではない、味覚が私にそう語ってくれるのだった。食事でこのような経験をしたことは後にも先にも蓬莱においてだけである。厳しさに裏打ちされた美味しさとでもいうのだろうか? 私はとっさに女将の顔を思い出した。

 しかし、残念ながら『蓬莱』はあまりに人気化してしまい、予約が取れないのが玉に瑕。あれ以降も何度か予約を入れたのだが、そのたびに振られているのである。ぜひもう一度行きたい、そしてとりわけあの朝食を味わってみたいと思ってやまないのである。
 
  



 


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