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赤ん坊と犬は同じ間違いをする [海外メディア記事]

ピアジェの有名な研究に、生後10カ月の乳児に箱Aにおもちゃを入れる動作を繰り返し見せると、そのおもちゃが箱Bに入っているのを見た後でも乳児は箱Aの中を探すというものがあります。ピアジェはその原因を、大人とは違う子供独自の知覚のあり方に求めたのですが、それとまったく違う解釈を下す研究結果が出されたようです。

 要点をまとめると、狼と違って、犬と乳児は、自分にとって身近な特定の人の特定の振る舞いを学習機会ととらえ、自分が属する社会のルールとして一般化しようと試みる。そこには、自分にとって重要な人との結びつきを優先して学び取ろうとする社会的な動機が働いているために、見たものしか信じない狼にはありえないミスをしてしまう。また第三の実験で示されるように、特に自分とは関係のない人がすることに対して、犬はそれを学習機会とはとらえず即物的に対処するのに対して、乳児はどんな人の振る舞いに関してもそれを学習機会ととらえ、一般化しようとするため犬には見られないミスをしでかしてしまう。まあ、そんな風にまとめられるでしょうか。ちなみに、この記事では「コミュニケーションのシグナル」という言葉を何度か使っているにもかかわらず、その意味を明らかにしていないのですが、ある人のある振る舞いを、犬なり幼児なりが自分はその人と同じ社会に属していると判断した上で、その人の振る舞いが自分に対して特別の意味を持つものとして(「シグナル」として)感じ取られる、そういうメカニズムが考えられているのでしょうか?  『シュピーゲル』誌の記事からです。

http://www.spiegel.de/wissenschaft/mensch/0,1518,646730,00.html

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「 赤ん坊と犬は同じ間違いをする

 最古の家畜である犬は、考えられている以上に人間に近い。犬は人間の命令に従うだけでなく、赤ん坊と同じ思い違いをするのである。狼のほうが犬よりも注意深いことが、ゴムボールを隠す実験でハンガリーの研究者によって確かめられた。


 乳幼児とかくれんぼ遊びをすると、大人はしばしば驚かされることがある。お気に入りの人形を枕の下に隠しても、乳幼児はそちらを探そうとしない。見えないものは存在していないからだ。しかし何度か隠す動作をくり返すことで、枕と人形が結びついていることを乳幼児に教えることができる。ただし問題が一つあって、枕と人形は、それ以降、乳幼児の知覚において切り離せず一体のものとなってしまうことである。人形を乳幼児の目の前で、ソファーの下に置こうと、ランプにぶら下げようと、逆立ちさせようと、彼はやはり人形は枕の下にあると思うだろう。

 
 発達心理学の父ジャン・ピアジェが、子供と大人の知覚の違いによって説明したことを、ハンガリーの研究チームはまったく別の仕方で解釈した。「間違いは記憶によるものではなく、大人とのコミュニケーションによるのです」と、アダム・ミクローシはシュピーゲルとのインタビューで言った。ジョゼフ・トパールやブダペストのエトヴェシュ大学の二人の同僚と共同して、彼は、お馴染みのかくれんぼ遊びを犬、狼、そして生後10ヶ月の赤ん坊に行った。明晰な頭脳を持っているのは狼だけだった、と研究者たちは専門誌『サイエンス(Science)』で報告した。それに対して、子供と犬は、自分の目で見たものを信じなかったのである。

 思い違いの原因は子供と犬の高い社会的能力にある、と科学者たちは記している。ある物がある人によって同じ場所に隠されるならば、赤ん坊と犬はその事を規則として理解し、今後の経験のために一般化するのだという。狼が間違いをしなかったのは、狼が賢いからではない。その理由はむしろ、狼が社会的戦略の能力を発達させていないからであるという。

 この人間にしてこの犬あり

 トパールと彼のチームは、犬と赤ん坊に条件を変えて一連の実験を何度か行った。まず実験のリーダーが犬の名前を叫んだ。「こっちを向いて、フィリプ」と、彼は一匹の犬に言った。その際、リーダーは犬とのアイ・コンタクトを保ち、大げさな身振りで、ゴムボールを二枚のパネルの左の方の裏側に隠すことを強調した。このプロセスは何度も繰り返された。そして常にフィリプは、ボールを取り出すために、左側のパネルの方に走っていった。実験が第二段階になって、実験のリーダーがゴムボールを、犬にはっきり見えるように、右側の隠し場所に隠しても、犬は左側のパネルのほうに駆けつけた。

 乳幼児の反応もそれと似ていた。ただ、実験室ではなく野外で実験された狼だけがほとんど常に正しい隠し場所の方に向かった。まさにこの行動は、研究者たちの仮説を根拠づけたのである。それは、家畜となった以降の犬は、進化において狼から分離し、人間と平行して社会的能力を発展させたという仮説である。
 
 コミュニケーションのシグナルがこの思い違いにどれほどの役割をはたしているのかを検証するために、トパールとその同僚たちは変更点を一つ加えて実験を繰り返した。変更点は、実験のリーダーの姿が見えないようにしたのである。ボールは、紐をつけて動かした。この条件の下では、子供にも犬にも間違いは実際ほとんど生じなかった。ハンガリーの科学者たちはこの結果を、学習の規則がコミュニケーションのシグナルを経由していることを示すものと見なした。



 私たちほど社会的な動物はない


 しかしながら、犬と赤ん坊が違った社会的戦略を利用していることは、第三の実験が示した。とある演習参加者がボールをまず何度も左側のプレートの背後に置いたが(学習局面)、それから別の人がボールを右のプレートの背後に隠した。この条件で、犬はほとんど間違わなかったが、赤ん坊は間違った。犬にとっては、誰が指令を出すかはどうでもいいことなのだという。赤ん坊は実験での探求の戦略を法則にまで一般化していたのである。

 
 「人間は、すべてが同じ規則を含んでいる文化の中で暮らしています」とミクローシは言う。「たとえば、挨拶のとき人は手を差し出します。子供はそれを見て、自分の社会集団にいる他のすべての人々も同じことをすると想定できるのです」。それとは対照的に、犬は具体的な状況のほうにより強く順応した。犬は、主人とは独立して社会的相互作用を自分の有利になるように利用しようとしたのである。

 ハンガリーの研究者によるこの発見は、子供の発達についての理解を拡張するが、ピアジェの理論をくつがえすものではない。なぜなら、『サイエンス』誌の論文で記述されたコミュニケーション・シグナルの他に、認知的な変化も子供の思考パターンの形成に与かっているからである。認知と社会的行動が相互にどのように影響を及ぼしあっているのかは、たぶん次のかくれんぼ遊びで伝えられるかもしれない」。
 

 






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