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官僚に勝てるか? [海外メディア記事]

 脱官僚を訴えて勝利した民主党。しかし、日本のすみずみにまで行きわたった官僚支配を打破できるかどうかに懐疑的な人は多い。官僚には勝てっこないという悲観論やらひそかに官僚と手打ちをするのではという憶測も交えて、ここ数日ひそかに火花が散った民主党vs官僚の様子を伝える『ニューヨーク・タイムズ』紙の記事から。

 ちなみに、原文の題名は“Fresh Off Victory, Japanese Party Flexes Muscle ”ですが、この”Flex Muscle ”がピンとこなかったのでとある辞書で調べたら、「自分がいかに強いかを相手に知らしめる時にとる動作」とあります。示威的に筋肉を上下させること? マッチョが掃いて捨てるほどいるアメリカならいざ知らず、日本にはこれに適した表現はないのではないでしょうか?

 もうひとつ「ちなみに」を加えると、選挙期間中に何度か鳩山さんが「130年続いてきた官僚制」と言っているのを耳にしました。確かに、日本の官僚制は、自民党政治を舞台裏から支えていた組織という意味に捉えていては矮小化というものでしょう。近代日本の官僚制の金字塔の一つ、そのもっとも無残な金字塔とも言うべきは、あの太平洋戦争に国民を駆り立てた軍部でしょう。東条英機なんて、軍人というより官僚と言うべきです。確かに軍部は解体されましたが、それ以外の官僚機構はそのまま残り、その末裔たちが国を運営し、国民は従順にそれに従うという構図は連綿と続いてきたわけです。そういう意味で、日本の官僚制は、日本の近・現代史の動向を決定している当のものであり、その構図を変えようというのが今の官僚批判の根底にあるならば、その批判は正しいと同時に絶望的に困難であると言わなければならないでしょう。だから脱官僚と簡単に言うけれど、日本においてこれほど難しいことはそうないわけで、だから悲観論が大勢を占めるのも当然とはいえます。それに、下の記事でも指摘されているとおり、官僚と政治家では圧倒的に情報量が違いすぎる。政治家は丸腰なのです。勝負にならないのは初めから目に見えている、それ位の違いです(これは、国民が無力であることの裏返しです。政治家を嘲笑すれば済むと考えている人は、この点で、根本的に間違っているのです)。こうしたギャップを早々と認めて妥協してしまうのか? それともそれを埋め合わせられる手段を見つけられるか? 情報を国民から吸い上げるという回路を作れるか? この記事の結論とは違って、国民が注視している以上、民主党はそう簡単に引き下がれないのではないか、と私には思われるのですがどうでしょうか?





By MARTIN FACKLER Published: September 2, 2009
http://www.nytimes.com/2009/09/03/world/asia/03japan.html?hpw


「 勝利の直後、力を誇示する民主党
 選挙公約を果たすための早急の行動として、選挙で勝利したばかりの民主党は、消費者庁の長官指名という一見どうでもいいように見えることに待ったをかけることで、この国の強大な官僚機構のなかで支配権を得る戦いの口火を切った。

 異常なほど熱い論戦が始まったのは火曜日で、日本の機能不全に陥った首相である麻生太郎――その長い間政権の座にあった自民党は日曜にの選挙で敗北を喫したのだが――が、民主党の異論を無視して引退した国土省の役人を指名したときだった。

 民主党はすぐさま、麻生氏が急いで元官僚をポストに就けたといって批判したのだが、このようなことは日本では普通に行われてきたことであって、それがために東京の中央官庁は政府に対して幅広い影響力を及ぼすことができたのである。水曜日に、日刊紙の朝日新聞は党役員トップの一人福山哲郎の言葉を引用して、「今月、正式に政権の座に就いたときに、民主党は指名を見直すかもしれない」と述べた。

 官僚をコントロールするということは、民主党の選挙公約のトップに来るものであったし、内輪だけで処理する日本の政治にうんざりしていた有権者に圧倒的な支持を見いだした公約でもあった。しかし多くの元官僚や政治評論家たちは、民主党が、この国を数十年間にわたって運営してきた勢力を押し返すことができるか疑問視している。

 「民主党の幸運を願っていますが」。そう語るのは、慶応大学の公共政策の教授で、自分自身官僚とも戦ったことのある元通産官僚だった岸博幸。「でも、彼らは失敗すると思います」。

 もしそうであっても、民主党は、日本の中央官庁のエリートキャリア官僚(法案を書き上げ、密室の交渉で政府予算を分配する)に対してむなしく戦った最初の人々とはならないだろう。

 日本の戦後の政権の大半の期間、自由民主党は、官僚に国の操縦をさせることに満足していし、官僚は経済の奇跡が続いている間は、目覚ましいほど見事に国の操縦をやってのけた。しかし最近の首相たちは、汚職スキャンダルの後を受けて官僚の権力を狭めようとしてきたし、日本の長期にわたる停滞を終わらせることができなかったために、官僚がますます増大する国民の怒りのターゲットになってしまった。

 この怒りこそ日曜日の民主党による地滑り的な勝利を導く一因になっていた。しかし、民主党は今週おきたような注目度の高い局地戦には勝利することはあっても、官僚との戦争には結局負けるだろうと政治評論家や元官僚たちは警告する。

 彼らによると、一つには、官僚たちは、何世代にもわたって文字通りこの国を運営してきたことから、経験やノウハウの点で圧倒的に有利な立場にいるのだという。

 日曜日に選ばれた308名の民主党議員のうち、143名が一年生議員である。それ以外でも、内閣のポストに就いたことのあるのはほんの一握りにすぎない。おまけに、彼らは外部の有益な情報源をほとんどもっていない。日本には、アメリカに多数あるような、政策の専門家を多く抱えるリサーチ・グループがない。それにアメリカの連邦議会と違って、日本の国会議員には、政策課題に精通している大勢の側近スタッフがない。

 こうした事情により、日本の国会議員が官僚に対する依存関係を振りはらうことは困難なのである。日本では、書類の山の中で重要な情報がどこにあるのかを見つけたり、物事をまとめるために法律や規制の舵取りをいかにすればいいかを知っているのは官僚だけであることがしばしばあるからである。


 経験をもっと積まないと政治的闘争のテクニックは身につかない、と政治の専門家や元官僚たちは言う。

 大学教授の岸氏によれば、彼が改革を掲げた小泉政権の補佐官だった時、財務省の官僚たちは、巨費を投じて不良債権を一掃しようとする試みを阻むためにありとあらゆることをしたという。

 役人たちは情報を隠し、背後にまわって族議員に働きかけたり、新聞に醜聞をリークしたりしたという。
 
 「彼らは、我々の動きを止めるために最善を尽くしましたよ」と岸氏は言った。今や、省の利益が危ういのだから「民主党に対してはもっとずっと強硬に戦うでしょうね」。 
 

 民主党は、国家予算の策定や官僚トップの人事を含め、権力の中枢を新たな国家戦略局に移行させ、国家戦略局が首相の意向に応えることになることを公約にしてきた。民主党はまた、キャリア官僚の数を縮小し、引退した役人が政府や民間セクターで楽な仕事につくこと(「天下り」として知られる慣行)を禁止することも約束した。

 日曜日の選挙に先立つ数週間の間に、各省は急いで、大々的に予想された民主党勝利に先立って天下りスポットの人事を決めた。国交省は公共事業を管轄しているが、退職する役人を住宅金融支援機構の職に就ける一方、文科省の退職する官僚は東京国立博物館の館長に就任した。

 このことが民主党を激怒させ、今週の論戦の舞台づくりをしたのだった。月曜日、民主党の党首で次期首相候補の鳩山由紀夫は、元官僚を新たに創出される消費者庁のトップに据える麻生氏のプランに不快の念を示した。

 「民主党が政権を取る時に、なぜ急いで消費者庁を発足させて人事を決めるのか?」と鳩山氏は報道関係者たちに尋ねた。

 麻生氏は翌日、内田俊一氏の任命を強行した。内田氏は内閣府で次官を務めた人でもある。福山氏が内田氏を交代させるかもしれないとコメントすると、日本の主要新聞各紙はこの論戦を政治家と官僚との最初のバトルとして報道した。

 この論戦は高まる官僚バッシングのムードを助長させたようだ。内田氏のほかに、長年舞台裏で働いてきた官僚の幾人かが、突然、国民の注視を受けるようになったがこれは前代未聞のことである。新聞も官僚トップを名指しで批判し始めるようになったし、他方で、民主党国会議員の呼び出しに答えて、日本のキャピトル・ヒルにあたる永田町のビルにこっそり入っていく官僚の姿を伝えるテレビのニュース番組も出てきた。

 しかし、結局のところ、民主党は官僚とこっそり手打ちをして、来年7月の参議院選挙までに有権者に示すべき政治課題の別の部分――日本の社会的セーフティーネットを強化したり無駄な支出を削減したり――を実現する上で官僚の協力を仰がざるを得ないだろう、と政治評論家や元官僚たちは言う。

 民主党はもう発言をトーン・ダウンさせているように見える。鳩山氏は、最初2月の時点で約束したように、局長以上のあらゆる官僚の首を切ることはもう考えていないようだ。月曜日、彼は、脱官僚ということで自分が言わんとしたかったのは官僚に頼りすぎることを脱することだと述べて、「脱官僚」の日本を呼びかけた党の選挙運動のスローガンから後退しさえした。

 「自民党はこの国を運営するために官僚制を必要としました」と語るのは、元財務省官僚で、現在は、日本のリサーチ・グループの一つである日本国際フォーラム参与である村上正泰。「いずれ民主党も、官僚が必要であることを理解するでしょう」」。

 





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