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イギリスで安楽死問題再燃 [海外メディア記事]

 しばらく家を空けておりましたが、昨日帰ってきてBSのニュースを見ていたら、目に飛び込んできたのがこの記事。何か因縁めいたものを感じたので、紹介します。前回と同様、安楽死関係で『インディペンデント』紙の記事です。主役の「パーディー」は、6月19日の記事(『安楽死がイギリス上院で審議される』http://shin-nikki.blog.so-net.ne.jp/2009-06-29)でも登場していたデビー・パーディー(Debbie Purdy)のことです。

 直前の記事で紹介したように、このときの法案は上院で否決されて終わったわけですが、今日の記事で書かれているように、デビー・パーディーの訴えが上訴院判事たち(これは日本の最高裁判事に当たると考えていいでしょう)を動かし、判事たちは、公訴局に自殺幇助に加わった人を起訴する基準を明らかにするように要請し、公訴局長官のキアー・スターマーは来年までにこの問題について基準を明らかにすることを約束した、という流れになっているようです。


 はたして、デビー・パーディーは英国における安楽死問題のヒロインになるのか、それとも、この記事でも英国国教会の見解で締めくくられているように、従来の倫理観のハードルは依然として高かったという結果に終わるのか、イギリスはそういう岐路に差し掛かっているということが明確に理解できるのではないかと思います。
Debbie Purdy.jpg


By Andy McSmith Saturday, 1 August 2009

http://www.independent.co.uk/news/uk/home-news/purdy-now-let-me-die-in-britain-1765867.html



パーディー:「もう私をイギリスで死なせて」

 多発性硬化症に苦しむ患者が画期的な法的勝利を勝ち取った今、自殺幇助を認めよとする世論の後押しが高まる



 国営保健サービスのもとで自分の命を終わらせる権利がここ数年のうちに得られるだろうと、イギリスの自殺法を変える戦いをいっそう推し進めている運動家たちは昨日予言した。

 多発性硬化症のデビー・パーディーのケースでの上訴院判事の裁定に勇気づけられて、自殺幇助の合法化を目指す運動家たちは法を変える努力を再開することを誓った。パーディーさんは、昨日、いざという時、自殺幇助に関する法律が英国よりもきびしくないスイスに行くより、自国で死ぬことができればいいのですと主張した。


 「スイス人はディグニタス・クリニックを利用しませんが、それは彼らが法的に病院であろうと自宅であろうと死ぬことができるからです」と彼女は言う。「外国人がディグニタス・クリニックを利用するのは、私たちにはそれ以外の選択肢がないからなのです。私の望みは、医学の進歩で多発性硬化症の治療法が発見された後、90歳の高齢で死ぬことですが、たぶんそんなことは起きないでしょうから、生きていることが耐えがたくなったときは、この国で幇助された形で死を迎えることができるようになっていてほしいのです。スイスに行く必要もなくね」。


 彼女の発言は、1961年制定の自殺法(Suicide Act)の変更を求める運動に火を注ぐような勢いを与えるだろう。その自殺法はいかなる状況であれ誰かが自殺することを手助けすることを非合法としたのだが、その結果、115人のイギリス人がスイスに旅立ちそこで死んだのである。


 その自殺法を変更しようとして上手く行かなかった最近の試みに加わった一人である最高法廷弁護士のレスター卿は、「結局は変わりますよ」と予言する。彼は、どんな改革も手ごわい反対に直面するし10年はかかるだろう、と警告していた。「私たちは上院で努力しますし、下院の人々も努力するだろうと思います。しかし極端に意見が分かれる論点ですからね。反対意見は宗教的理由によるものばかりではありません。大衆は反対していないけれど、苦痛緩和医療の従事者や法律の専門家の多くが反対しています――だから私としては、どんな政府であっても10年もかければこの法案を通せるとは断言できません」。


 しかし、夫のオマール・プエンテ(Omar Puente)が自分をスイスに連れて行くなら夫は起訴されるのかどうかを知りたいと願ったパーディーさんの訴えを聞いた後で、上訴院判事たちは、公訴局長官のキアー・スターマー(Keir Starmer)に対して、自殺幇助のケースで控訴するかどうかを公訴局はどのように決めるのか明確化するように命じた。スターマー氏は9月には中間報告を出し、2010年の春に最終報告を出す前に一般の識者からなる会議を開くことを約束した。最終報告は、愛する者が外国で死ぬために付き添う人々のケースのみならず、イギリスでの自殺幇助までもカヴァーすることになるという。


 パーディーさんは昨日次のように語った。「司法官がこんなに速く動くなんて誰が予期したでしょう? かりに司法官がこれほど速く動くことができるとしても、政治家が素早くそうさせるべきなのです――それでも素早すぎるというわけではありません。一般大衆は政治的圧力のような問題についてとてもまじめな議論を望んでいるのですから。私たちは、「おぉ、一般大衆は自殺幇助を望んでいるのか、ではわれわれは来週それを取り上げよう」といったお決まりの反応を望んでいる訳ではありませんが、政治家は至急この問題に取り組むべきだと思います」。


 以前の健康相パトリシア・ヒューウィットと自由民主党のエヴァン・ハリスをリーダーとする下院議員のグループは、最近、自殺法を修正しようと試みたのであるが、与党院内幹事を説き伏せて、下院で議論するための時間を認めさせることはできなかった。上院でも似たような試みがあったが、否決された。「下院がどうしてこの問題の討議を続けないのか、私には判りませんね」とハリス氏は述べた。「世論の支持はいつも高かったし、意見を変えるオピニオン・リーダーたちもますます増えています。だから改革の機運はあるのですが、道のりはまだ長いですよ」。


 『ディグニティー・イン・ダイイング(Dignity in Dying)』の最高責任者サラ・ウートンは次のように述べた。「議会が動くまでに10年もかかるでしょうね、そうじゃないことを望んでいるけど。けれどデビーのケースが証明したように、事態はとても急に変わることもあるのです」。


 労働党の下院議員デイヴィッド・ウィニックは、昨日、この問題を再び下院の協議事項に盛り込むために、議員立法法案を提出するつもりであると語った。


 「私は何も「人が死ぬように働きかけよう」などと言っているつもりはないのですが、末期の病気を抱えた人が、もう続けたくないという結論に達して、幇助された死を望んでいるのであれば、そのような人を受け入れる施設は存在すべきでしょう」と彼は語った。

 
 「もし法律が変更されることになるならば、私たちとしては、悪用されないための厳しい条項を定めたり、そうした決定を下した人に考え直すためのあらゆる機会を与えたり、この法律が末期の病気に苦しむ人にのみ限定されることを明確化する必要があります」。


 英国国教会は昨日声明を出し、自殺幇助を認めるいかなる法律に対しても反対である旨を繰り返した。「どのような変化であれ、それは病気の人、弱い立場にいる人、または高齢者に対する直接的、間接的圧力となって、そうした人々が自分の命を終わらせることを考えるようになるのであれば、そうした法律改正の試みに対して議会が抵抗してきたのは首尾一貫していたし正当でもあった」とその声明は述べている。


 「少数の者には偉大な選択と考えられるかもしれないことが、多くの者にとっては重圧となるだろう。あらゆる人間の生命には価値があるのであり、自殺幇助が起こりうる領域での法律制定や医療行為はこの点を反映して行われ続けるべきである」」。









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