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女性は不幸になった [海外メディア記事]

 かなり長期にわたる調査の数字をたどると、自分を不幸に感じる女性の割合がコンスタントに増加しているらしい。社会的な平等や経済的独立も勝ち取ったのに、なぜ?  ちなみに男性には目立った変動はないようです。男性は鈍感なんでしょうか? いずれにせよ、今の社会の動向は、敏感な女性にとって住みよい環境ではないようです。『ガーディアン』紙の記事より。

Madeleine Bunting guardian.co.uk, Sunday 26 July 2009 20.00 BST
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2009/jul/26/women-wellbeing-unhappiness

 「 消費社会のナルシシズムは女性たちをかつてないほど不幸にした
 
  非常に個人主義的で、極度に競争的な社会の要請は、母親、姉妹、友人のアイデンティティーとは調和しない。


 通常の想定によれば、女性の生活は過去50年にわたって劇的に向上した。女性が個人としてもてる自由はかなり増加したし、教育や雇用の機会も改善された。結果として女性たちははるかに多くの経済的自立を享受しているし、それによって自分の人生を自分で形作る力をより一層もてるようになった。と、この点までは、頭を悩ますことはない。


 しかし、だれにも説明できない奇妙なことが起っているのだ。上にあげた大きな社会的変化は女性たちを幸福にしてはいないし、いくつかの重要な研究によれば、男性の幸福に比べて女性の幸福は過去25年間で下落してしまったのである。このことは、あらゆる年齢層の女性を含んでおり、多くの国、とくにアメリカとイギリスで顕著なのだという。

 もっとも気がかりな証拠から始めよう。それは、1987年、1999年、2006年にスコットランドの同じ場所で15歳の男女を対象に行われたウェストとスウィーティングの研究によって判明したことである。1999年の結果が公表されたとき、不安、ウツ、パニック発作、無快感性(快感を経験する能力の喪失)といったよくある心的障害の発症率が、女子の場合、19%から32%へと著しく高くなっていたことに関心が集まった。男子の場合、上昇は、わずか2%伸びただけで、ずっと小さいものだった。しかし最新の結果はもっとずっと劇的である。両性とも数字は上昇した。男子は、いまや21%であるが、女子は44%と気の遠くなるような発症率である。

 この増加率は衝撃的である。女子の3分の1以上が「絶えずストレスを感じている」に同意した。「困難な問題を克服できないと感じている」人は倍の26%にのぼった。「自分を価値のない人間と考える」に同意した人の数は、1987年から2006年にかけて3倍になった。こうした発見は、最近報告が相次いでいるように、女性が飲酒の上で大騒ぎをしたり攻撃的な行動に出る事件が急増していることを、部分的に説明するものかもしれない。


 真っ先に思いつくのは、たぶんこうした両性間の差異は10代に特有の現象であるということである。10代のメンタル面での不健康が目立って増大していることを示す別の研究には、大人への移行がかつてよりもずっと困難できついと考えるように促したものもあった。しかし男女間でのメンタル面での不健康のギャップは他の年齢層でも同じくらいはっきりしている。イギリスのナショナル・ヘルス・サービス(NHS)が今年出した研究によると、1993年から2007年にかけて、通常の心的障害は、45歳から64歳までの女性にとっては5分の1だけ増加し(男性は変化なし)、75歳以上の女性における発症の確率は女性の方が男性よりも2倍も高かった。


 色々な説明が提起されている。女性のセロトニンのレベルは男性よりも刺激に弱いのだという説が出されたが、それで長期におよぶ変化が説明されるわけではない。女性は仕事に家事に忙しく、高齢の両親の世話をしたり、子供が巣立った後の空っぽとなった巣のことをどうにかしなくてはならない。二人のアメリカの学者が、真の解明を得るためにアメリカとEUの手に入るありとあらゆるデータを調べてみた。

 スティーヴンソンとウォルファーズの発見によると、アメリカの女性たちが――あらゆる階級、あらゆる年齢層の女性が対象であり、仕事に就いているか、専業主婦であるか、子供がいるかいないかは問わない――自分は幸福だと感じる割合いが70年代初頭から減少していたのだという。30年前、自分は幸せであると答える割合は、合衆国では男性よりも女性のほうが多かった。このアドバンテージはすっかり消えてしまった。そして今や多くの場合男性のほうが女性より幸福なのである。では、どうして、女性たちは、ジェンダーの平等という点では数々の前進を見たこの一世代がすぎさったいま、自分と同じ年齢だった母親よりも幸福でなくなったのはどうしてなのか?
 
 簡単な答えはない、とスティーヴンソンとウォルファーズは言う。彼女たちはただならぬ問いを立てる。「男性は、女性の運動が生み出した恩恵を分不相応に横取りしたのではないか?」。彼女たちが示唆するのは、「たぶん、幸福にかかわるデータは社会の変化が男女に対して別々のインパクトを及ぼしたことを示しているのであり、女性は家族生活の衰退や不平等の増加や社会的つながりの減少によって大きく傷ついている」ということである。彼女たちが浮き彫りにする発見の一つは、自分の経済状況の満足度に関しては、男性の満足度は一定であるのに、女性の満足度は減少していることであるが――一つの考えられることは、女性にとっての「準拠集団」や期待値に変化が生じたため、自分の現状での生活では物足りないようにかんじられてしまうからという説明である。


 この後の方の考え方は、別のアメリカの心理学者で、もっとも最近の著作では、アメリカの女性にとりわけ深い影響を及ぼしている「ナルシシズム病」と言うべきものを分析しているジーン・トゥインジの仕事にとってもキーとなる考え方である。彼女のメタ分析は3万7千人の大学の学生を対象とした。それによると、1982年にナルシシズム型の人格指標で高得点を取ったのは15%だった。2006年までにそれは25%に増加した。しかもその増加分の大半は女性だった。

 ナルシストは自分自身および自分の人生にとても高い期待を抱く。よくある例で言うと、ナルシストは自分ができることについて、たとえば学位と雇用の点で、非現実的な予測をする。ナルシストは名声と地位を求め、それらが手に入ると今度は拝金主義が生まれる――金によってブランド名と浪費的な生活スタイルが可能となり、今度はそれらがステイタス・シンボルになる。これが何百万もの人間が共有するパリス・ヒルトン症候群である。

 トゥインジは、1950年代には「自分は重要な人間だ」に同意する大学生は12%にすぎなかったのに、80年代までには80%までになっていたという事実を指摘する。1967年には「裕福であることは人生の重要なゴールだ」に同意したのはたった45%だったが、2004年にはその数字は74%にまでなっていた。

 問題は、部分的には、自分の子供にあなたは特別なのよと言って聞かせる甘い親たちの世代があったことに由来する、とトゥインジは考える。それについで、個人主義的な文化のせいで、自我とそれをどう伸ばすかという点に対する関心が高まったこともある。ナルシストにはしばしば見返りが与えられた。ナルシストは外交的で、自分を売り込むのが巧く、競争にも強い傾向がある。しかしナルシストの成功は短命である。その陰の面としては、リスクの高い行動に走ったり、嗜癖障害に陥り、親密な関係を維持することに困難を覚える傾向があり、拒絶された場合攻撃的な行動に走る傾向が強い、といったことがあげられる。

 
 若い女性のナルシシズムは彼女たちがいつかは卒業する一段階にすぎない、ということはトゥインジも認めているが、彼女の関心は、ナルシシズムの証拠が、高度に消費的で、個人主義的な社会のいたるところに現われていて、そのナルシシズムに結びついた気分の落ち込みや不安にとりわけ苦しむのが女性たちである、という点なのである。


 これは、心理学者のオリヴァー・ジェイムズが警告を発している点でもある。彼は今、物質的により豊かになったにもかかわらずメンタル面での不健康が増大したことを初めて指摘した先駆的著書『診断されるイギリス』の改定に取り組んでいる。ジェイムズは、イギリスの10代の少女たちが坑道の「カナリア」のようなもので、自分たちの幸せを深いところで蝕んでいる社会的に影響力のあるものの在りかを指し示しているのではないかと心配している。少女の外見に重きを置きすぎる「商品化され、商業的に追い求められた女性らしさ」の圧力を彼は指摘するのである。

 少女は、少年よりも従順で気に入ってもらうことに熱心であるが――そのようにして少女はいつも社会化されてきたのだが――今や、社会が少女に対して寄せる支配的な期待値は、彼女たちの幸福を深いところで破壊している。トゥインジによると、豊胸手術は2006年には(1982年と比較して)5倍になったという。少女や女性に対する期待値は、試験に受かることから、Facebookで感じ良く映り、そこでもっとたくさんの友人をもち、そこにもっとよい写真を掲載することにいたるまでの、ありとあらゆる点で多様化し高度なものになった。テクノロジーのおかげで、自分を売り込むことが必要とされる場所が激増したのである。


 一つ考えられることは、女性のアイデンティティーは常にもろもろの関係のまわりで――つまり、母として、妻として、友人として、姉妹として形成されてきた、ということである。「関係性」は、依然として、自分の人生に対する女性の見方にとって中心をなすものであるが、それは、個人主義的で、極度に競争的で、ナルシスティックな文化とはまったく調和しない。女性たちは、社会の是認を求めるように育てられ、競合しあう観点の間にはさまれて悪戦苦闘しており、多くの女性は、いろいろな点で自分が失格者であるとか力量不足であると感じる結果になるのである」。










 


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コメント 1

ponpon

男性が鈍感なのではなく、男性(オス)はもともと個人主義・競争主義と親和性が高いということでしょう。女性(メス)はもともと群れで生活する傾向があるので、個人主義・競争主義とは親和性が低い。

最近、30~40代の未婚女性が増えていますが、結婚適齢期を過ぎた独身女性の表情を見ると、「私の人生はこれで良かったのだろうか?」と悩んでいるような心理状態が読み取れます。金銭面、物質面での豊かさを追い求めて来たものの、やはり心底では、結婚や出産、子育てに憧れていたのでしょう。

反対に、独身男性は配偶者(女性)や子供に縛られることなく、自由気ままな生活(仕事、趣味)を楽しんでいる。もちろん、一部の富裕層を除いて所得は低いのですが、人生そのものに悩んでいる様子はほとんど感じられない。独身男性が抱えている不満は主に仕事、カネであり、人生そのものではない。
by ponpon (2009-07-28 22:37) 

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