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リタリンで良い成績を [海外メディア記事]

よく問題になる「リタリン」ですが、良い成績を収めるためにこれを使うことがアメリカの学生の間で蔓延しているらしい。しかも、その風潮を正当化する生命倫理の教授も登場したようです。この記事の著者も、こういう風潮に対して頭から否定するという態度ではないよう。『インディペンデント』紙の記事です。

Friday, 19 June 2009 Mind-enhancing drugs: Are they a no-brainer?
 
http://www.independent.co.uk/news/science/mindenhancing-drugs-are-they-a-nobrainer-1708988.html

能力を高めるドラッグ:馬鹿げている?

 支持者によれば、こうした薬は学生の成績を高める抵抗しがたい方法なのだという。批判者は危険な流行り物だと主張する。ジェレミー・ローレンスがこの論争を調べてみた。


 試験シーズンの最中に、テストの結果を良くしてくれるドラッグが提供されれば、学生たちは喜ぶかもしれないが、その両親はびっくりするだろう。さて、生命倫理の著名な教授によると、「脳のブースター」というべきもの――認知能力を高める医薬品――の可能性を受け入れる時がきたようなのである。この物議をかもす提案をしているのは、マンチェスター大学の科学、倫理、イノヴェーション研究所の所長で『ジャーナル・オブ・メディカル・エシックス(Journal of Medical Ethics)』の編集長のジョン・ハリス。


 リタリンは多動性障害をもつ子供の治療薬としてよく知られた中枢神経刺激薬である。しかしそれは、試験にうかろうと必死になり、コーヒーやタバコといった伝統的な刺激物よりもリタリンに頼ろうとする学生、特にアメリカの学生の間に、買い手が途切れることのない闇市場を見いだしてしまったのである。ユーザーによると、リタリンを飲むと集中できるようになるそうで、このことは大人に対する臨床研究でも確かめられた。


 ハーヴァード大学の学生のデイヴィッド・グリーンはワシントン・ポスト紙にこう語った。「正直に言うと、高校の一年の頃からリタリンなしで書いたレポートなんて一枚もないですね」。


 フロリダ大学で企業財務を専攻する学生のマットは、リタリンに似た薬であるアデラールのおかげで成績が良くなったと主張する。「奇跡の薬だよ」と、彼はボストン・グローブ紙に語った。「これを飲んだときどれほど集中力が高まるか、信じられないくらいですよ」。


 このトレンドを好ましく思わず、学生たちがドーピングによって「不正なアドバンテージ」を得たといって非難する専門家もいるが、しかし、薬を用いることが、私的に家庭教師を雇ったり試験用のコーチにお金を払ったりすること以上に不正であるのはなぜかを、それらの専門家は説明してくれないのである。


 ハリス教授によれば、薬に反対する議論は「説得的でなかった」し、社会は能力の向上を望んでいるという。


 「人間が向上するに反対するのは合理的ではない」と彼は言う。「人間は、進化と呼ばれる向上のプロセスに由来し、おまけにあらゆる仕方で絶えず自己を改善している生き物です」。


 いかなる副作用もないことが保証されている薬はありえないが、リタリンは注意欠陥多動性障害(ADHD)の子供が服用しても安全であると判断されてきたし、長年にわたってそうした子供を治療するために広く使われてきたのです、とハリス教授は言う。 


 この薬は1956年に使われ始めた中枢神経刺激薬で、いまでは脳が刺激をフィルターにかけたりそれに反応したりする仕方に影響を及ぼすと思われている。それは自信とともにエネルギーをも増大させてくれるので、コカインに比較されてきた。副作用がありうることは中枢神経刺激薬にはつきもので、不眠、食欲減退、めまい、欝または引きこもりなどを引き起こすことがあるという。


 能力を高める特性が研究されている別の薬には、認知症の治療薬のドネペジルや、発症者が絶えず眠りに陥ってしまう病気であるナルコレプシーに用いられるモダフィニルがある。

 どちらの薬も、集中力や注意力が必要とされる高度な技能の実行力を高めると考えられている。ある研究が明らかにしたところによると、一ヶ月間ドネペジルを服用した民間のパイロットは、飛行シミュレイターで緊急事態を対処する上で、偽薬を服用したパイロットよりも成績が良かったそうである。モダフィニルについてのある研究が明らかにしたところによると、モダフィニルは、長時間眠っていなかった状態でシミュレイター上で飛行するヘイリコプターのパイロットの成績を向上させたそうである。


 『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical Journal)』(オンライン版)に寄稿した論文で、ハリス教授は、認知能力を高める薬の使用は、教育のプロセスの自然の延長線上にあるものと見なされるべきだ、と言っている。薬を認可する機関は、他の医事問題に対して行うのと同じように、こうした薬がもたらす便益とリスクを評価すべきであるというのである。


 「ある大学が学生の心的能力を向上させることに慎重に着手したとしましょう。さらに大学関係者が、そのことに成功しただけでなく、学生たちが大学史上かつてなかったほど知的で精神的に活発になったと主張したとしましょう。私たちは懐疑的になるかもしれませんが、もしその主張の裏づけが取れたら、私たちは喜ぶべきではありませんか?」。

 
 この問いに対する彼の答えは明確な「イエス」である。彼は、健康的な人間がリタリンを飲んで心的能力を高めることを阻止することは非倫理的である、と結論づけている。


 しかし、ペンシルヴェニア大学のアンジャン・チャッタルジー教授は、それに真っ向から反対して、あまりにも多くのリスクがありすぎると『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』で主張している。アメリカでは、リタリンには「黒枠」で囲われた警告文が記されているが、これは、リタリンが乱用の可能性が高く、心臓に対するリスクや突然死のリスクもあるために、もっとも重大な警告文なのである。


 チャッタルジー教授はまた、リタリンを服用するときに認知能力が高まる代わりに創造性が失われるというトレード・オフの現象が見られると補足し、「成績が良くなったからといって賢くなったわけではない」と指摘する。また彼は、トップの予備校に通う子供たちが「伝染病が広まるような割合で」リタリンを服用したり、パイロットや警官、医師などが勤務につくときリタリンを服用しなければというプレッシャーを感じたりしなかと懸念を抱いている。


 しばしば進歩にはリスクが伴う、とハリス教授は言う。「人工の太陽」が発展した(火の明かり、ランプの明かり、電気の明かり)おかげで、夜通し働かざるを得なくなった人もいただろう。しかしそれに対する答えは電気の明かりを禁止することではなく、労働時間を規制する法律を導入することであった。「認知能力を高める医薬品にも同じことが当てはまります、あるいはいずれ当てはまることになるでしょう」とハリス教授は結論づけるのである」。








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