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拒食症と自閉症は別物ではない [海外メディア記事]

 拒食症と自閉症とは遺伝的につながっているのではないかという記事を『タイム』誌から。 

By Maia Szalavitz Friday, Jun. 19, 2009

http://www.time.com/time/health/article/0,8599,1904999,00.html


「 拒食症と自閉症との遺伝的つながり?

 ロンドンのモーズリー・ホスピタルの摂食障害科では、拒食症は社会的障害とは見なされていない――そもそも心理的な障害とは見なされていないのだ。アメリカの治療者の大半は、(機能不全の行動の中でも特に)摂食障害の責任を完璧を求める親や、頬のこけた女優をメディアが理想化することに求めるけれど、モーズリーの研究者によると、根本の原因は社会からのプレッシャーとはほとんど関係がない。むしろ、拒食症は遺伝によって――おそらく、自閉症に結びつけられるのと同じ何らかの遺伝子によって――よりよく説明される、と彼らは考えている。


 ロンドンの研究者はこれら二つの病気の共通性を数年にわたって調べてきた。見かけ上、これら二つの病気はまったく異なっているように見えるが――自閉症の場合、患者は外の世界の人々とつながりをもつことが困難であるのに対して、拒食症に苦しむ人は他者に見られることによってへとへとに疲れてしまうように見える――モーズリーの研究者は、それぞれの疾病に顕著な特徴は類似していると指摘する。

 たとえば、拒食症の患者も自閉症の患者も偏執的に行動したり、硬直した考え方に苦しむ傾向がある。チック障害は、自閉症児によく表われるものだが、重度の拒食症の患者の27%にも見出される。どちらの病気の患者も、セット・シフティング(set-shifting)、すなわち事態の変化に応じて心の中で柔軟に行動を変えていくことに困難を覚えるのである。

 「自閉症スペクトラムの病気と拒食症が共有しているのは、注意の狭い焦点、変化に対する抵抗、細部への並はずれた注意です」。そう語るのは、ケンブリッジ大学自閉症研究センターの所長のサイモン・バロン・コーエン。彼は今回のモーズリー研究には加わっていない。

 過去の研究が示唆していることによると、拒食症の患者の約15%から20%は、自閉症スペクトラム障害の一つであるアスペルガー症候群をもっていると、モーズリー摂食障害科の科長のジャネット・トレジャーは言う。研究の示すところによると、これらの病気は、たまたまとはいえないような頻度で、一緒に生ずるのだという。自閉症と拒食症に対する同じ遺伝的素因が性に応じて違った形で現れることも考えられる、と彼女は言う。

 アスペルガー症候群と診断される少年は少女に比べて約15倍多く、拒食症を発症する少女は、少年に比べてほとんど10倍多い。どうして、女性において完璧を求める過度な意識がスリムであること――社会は女性の外見に関心があるのだから――に対する不健康なまでの執着となるのに対して、男性は、自閉症の子供によくあるように車や電車に執着するのかは容易に理解できる。「アスペルガーという診断が女性において少ない理由は、それが違った形をとるからなのでしょう。拒食症はその形の一つにすぎません」。そうバロン・コーエンは語り、それに付け加えて、拒食症に至るルートはいくつもあり、自閉症的な特徴がそれらすべてに現れるわけではないのかもしれないと語った。

 トレジャーの発見によると、飢餓状態そのものが硬直した思考や強迫観念のような自閉症的特徴を強化するのだという。この現象はあらゆる人に当てはまるが、拒食症の人々にはとりわけ当てはまるのだという。「拒食症の人は、体重が減少すると、自閉症の人のようになります」とトレジャーは言う。「他人の感情を解釈することができなくなり、自分自身の感情を制御できず、怖がったり怒ったりすると、その感情に圧倒されてしまうのです」。

 事実、専門誌『臨床心理学と心理療法( Clinical Psychology and Psychotherapy)』に今月発表した研究において、トレジャーと共同研究者たちが発見したところによると、体重が減った拒食症患者は、自閉症スペクトラム障害の人々の欠陥を調べるためにバロン・コーエンが考案した感情理解の標準的なテストにかけてみると、成績は思わしくなかった。そこで考え出された理論によると、空腹は脳を食物を得ようという課題に集中させるので、ストレスの原因となる他の要因と同じく、他人の感情を読み取るといった高度な認知の機能を閉ざしてしまうというものであった。


 ニューヨークのモンテフィオーレ・メディカル・センターの精神科に勤務する自閉症の専門家エリック・ホランダー博士によると、自閉症と拒食症をともに特徴づける「反復的な思考や行動、硬直した日課や儀式化した行為、完璧主義」は脳の同じ領域にたどれることを示す証拠があるという。どちらかの病気をもつ人をスキャニングによって調べたら、混乱によって強迫的行動や異常な社会的行動が生み出された時、前頭皮質のような脳の領域の活動に変動が見られたのである。


 「拒食症は高い確率で遺伝しますし、世代から世代に受けつがれます。それが不安や完璧主義のような(人生の早い段階における)一連のもろさによって引き起こされることは今となっては明らかです。こうしたもろさをもっていないならば、拒食症を発症することはないでしょう」。そう語るのは、カリフォルニア大学、サン・ディエゴ校で摂食障害プログラムの指揮をとるウォルター・ケイ博士。


 実用面を意識して言えば、このことが意味するのは、拒食症を発症する恐れのある子どもを特定するのに役立つ早期のリスク要因を研究者がピンポイントで指摘できるようになる――専門家が生後12か月くらいで自閉症の兆候を認識できるのとまったく同様に――かもしれない、ということである。「私たちは、自閉症が20年前に置かれていた状況に、いるのです。あの頃も同じ議論があって、母親が子供を自閉症児にしてしまうのだとうことが言われていましたし、ほとんどの理論や治療もそういう考え方に基づいていました」。ケイ博士は、自閉症は冷たく、怠惰で「冷蔵庫のような」母親によって引き起こされるという古い考え方を引き合いに出しながら、そう言った。「拒食症は自閉症と同様に生物学的な要因によって起こると私は思います。研究という点では、拒食症は20年遅れています」。 


 モーズリー・ホスピタルのトレジャーとその同僚によると、現在の治療も同様に時代遅れなのだという。1980年代後半、イギリスの研究者たちの最初期の研究は、10代の拒食症患者を治療するモーズリー方式として知られるようになったものを記述することだった。そしてそれが、対照標準のある試験において有効であると認められた唯一の治療法である。拒食症は環境の要因や低い自尊感情によって引き起こされ、しばしば入院型の治療センターでの集中的な治療を必要とするということを前提していた伝統的な治療とは違って、外来型のモズリー方式は心理学的療法や「親と子の分離」に重点を置かない。


 その代りに、研究者は患者や家族に食事を薬だと見なしなさいと説いて、介護者には、患者の体重を回復させるためにご褒美やポジティヴな圧力を用いるように勧められる。車を使ったり、10代の子が望む別の活動に行かせることは、食事を規則的に食べきるための動機となるだろう。プロザックのような、セロトニンのレベルに影響を及ぼし拒食症患者の強迫的思考を低減してくれる抗ウツ剤の投与は後にずらした方が良く、患者が健康的な体重に達するまでは駄目である――脳に十分栄養が行きわたらないと、投薬は上手くいかないのである。


 肝心な点だけを述べるならば、トレジャーとその同僚たちは、家族の機能不全が摂食障害を引き起こすという考え方を放棄したのであり、その代りに、家族には患者の回復を導くための手助けをするようにと要請する。ごく最近になって、モーズリー方式は新たなタイプの認知行動療法を取り入れた。それは、自閉症とのつながりに基づいて、拒食症の狭い思考法による日課を広げようと試みるものである。「われわれとしては、彼らがもっと柔軟になってもらうように試みているのです。彼らは自分の硬直した習慣を手放したくないし、われわれは、彼らがそこから脱却してもっと大きな視野をもてるようにしたいのです」。


 この治療は、2002年に拒食症を発症したラウラ・コリンズさんの14歳になる娘には上手くいった。「彼女はリンゴを食べているとき、自分の腕が大きくなるのが目に見えるように判ると思ったのです」。コリンズさんは、自分の娘の病気がおしゃれでスリムであることに対する強迫観念以上のものであることは明らかでした、と言う。コリンズさんは、モーズリー方式についての新聞記事を読み、それを積極的に試している医師を探した。「アメリカでは、ほとんどすべての治療法は、親を責めたり過小評価したりすることに基づいていますね」とコリンズさんは言う。今日、彼女の娘は大学で優秀な成績を収めており、コリンズさんは、摂食障害のための根拠に基づいた治療を家族が見つける支援をしているFEASTという団体を運営している。


 ケイ博士や似た考えの研究者は、モーズリー方式ともっと伝統的な家族療法を比較するための、臨床試験を6つの施設で開始した。カリフォルニア大学サン・ディエゴ校で、ケイ博士のグループは自閉症の患者を抱える家族に、1週間集中的にモーズリー方式を試してみる機会を提供している。彼によれば、「最初は」こんな短期間の治療が役に立つなんて「馬鹿げている」と思ったそうである。しかし「今は私も信者です。だれにでも効くというわけじゃないけれど、ともかく効くんですよ」」。








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