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カー・フリー社会をめぐって(1) [海外メディア記事]

 「カー・フリー(car-free)」社会の実験が、ドイツのフライブルク市の郊外で進行中だそうである。ついに車も文明のトレンドから弾かれることになるのか? まさか? しかし、あのアメリカにおいても、わずかながらとはいえ、そういう気運が高まりつつあるみたいです。

 ちなみに、日本は、都市部を除けば、いつしか車がなければ何もできないような車社会になってしまいました。郊外の巨大なショッピングモールは依然(これからますます?)花盛り。日本は環境先進国? いえいえ、この点ではとてつもなく遅れています。
 

 『ニューヨークタイムズ』紙の記事の前半部分です。
http://www.nytimes.com/2009/05/12/science/earth/12suburb.html?_r=1&em


 ドイツの郊外で、車なしの生活が進んでいる

 ドイツ、ヴォーバン――この高所得者層が住む街の住人たちは郊外居住のパイオニアであり、サッカー・ママや車で通勤する企業幹部がかつて行ったことのないところに行こうとしている。彼らは車を放棄したのだ。

 路上駐車、私設車道、家庭用のガレージは、フランスとスイスの国境に近いフライブルク市郊外のこの実験的な新しい地区では、原則的に禁止されている。ヴォーバンの通りは完全に「カー・フリー」なのである――ただし、フライブルクの中心街に向かう市外電車が通る目抜き通りや、この地区の周縁部にある少数の通りは例外である。車の所有は認められるが、駐車できる場所は二箇所しかない。この新興住宅地のはずれにある大きなガレージがそれで、そこに車の所有者は、40,000ドルを出して、家付きのスペースを買うことになる。
 結果として、ヴォーバンの家庭の70㌫は車を所有していないし、57㌫はここに引っ越すために車を売り払ったのである。「車をもっていたとき、私はいつもピリピリしてましたよ。車がなくなってずっと幸せです」と言うのは、メディア・トレーナーで二児の母のヘインドラム・ヴァルターさん。彼女が歩く緑あふれる通りは、自転車の風切る音や歩き回る子供たちのはしゃぎ声のおかげで、時折遠くを通る車の音が聞きとれないほどである。

 ヴォーバンは2006年完成した街であるが、ヨーロッパ、アメリカ等で高まりつつある、郊外生活を車の利用から切り離そうとするトレンドの一例である(そのトレンドは「スマート・プランニング(smart planning)」と呼ばれる運動の一要素である)。

 郊外といえば、上海からシカゴにいたるまでの世界中の中流家庭が居住する場所であり、車はそうした郊外居住者にとっての必需品である。そしてこのことが、車からの温室効果ガスの排出量を劇的に抑えて、それにより地球温暖化を低減しようとする現在の努力に対する大きな障害となっていた、と専門家は指摘する。ヨーロッパでの温室効果ガスの排出量の12㌫は乗用車に帰せられるし―欧州環境機構によると、このパーセンテージは増加しつつある―、合衆国の車依存の高い地域では、その数字が50㌫にはね上がる所もある。

 ここ20年間で都市をコンパクトにしてもっと歩くのに適した場所にする試みがなされてきたが、都市計画者たちはそのコンセプトを郊外に適用し、とくに排出量低減のような環境にプラスとなる政策に焦点を置きつつある。1平方マイルの長方形の土地に5,500人の居住者が暮らすヴォーバンは、低自動車型郊外生活の最も先進的な実験場であるだろう。しかし、その根本的な指針は、郊外をもっとコンパクトにし、もっと公共機関の交通の便をよくし、駐車スペースをもっと少なくしようとする努力として、世界中で採用されつつある。この新たなアプローチでは、商店は、遠いハイウェイ沿いにあるショッピング・モールというよりは、歩いていける、メイン・ストリート上にある。

 「第二次世界大戦以降の発展のすべては車を中心にしてきたのですが、それは変わらなければならないでしょう」と語るのはデイヴィッド・ゴールドバーグ氏。彼は、合衆国の何百もの団体―そこには、環境団体も、市長連合も、全米退職者連合も含まれる―の連合体である’Transportation for America’の役員であるが、車にあまり依存しない新たなコミュニティーづくりを推進している。ゴールドバーグ氏はこう付け加えた。「車をどれくらい利用するかは、ハイブリッド・カーを持っているかどうかと同じくらい重要です」。


 レビットタウンやスカールスデールといった、開放型の家と私用のガレージが並ぶニューヨーク郊外の住宅地は、1950年代では夢の住宅地であったし、いまでも強力な魅力を及ぼしている。しかし、新たな郊外の住宅地でヴォーガン型のように見える所も出現してきているのだが、それは先進国だけではなく、急成長する中流階級が所有する自家用車が増大し、そこからの排気ガスによって街の空気が悪化している発展途上国においても見られることなのである。
 
 合衆国では、環境保護庁が「車を減らすコミュニティー」づくりを推進しており、議員たちも、慎重にではあるが、法案の作成に取り掛かり始めた。多くの専門家は、今年可決される予定の今後6年間の連邦輸送法案において、公共交通機関の一翼を担う郊外の街々がこれまで以上の役割をはたしてくれることを期待している、とゴールドバーグ氏は語った。以前の法案では、予算割り当て額の80㌫は法的にハイウェイに流れてしまい、それ以外の交通機関には20㌫しか流れなかったのである。
 

 カリフォルニアでは、ヘイワード地域計画組合(Hayward Area Planning Association)がヴォーガンに似たケイリー・ヴィレッジというコミュニティをオークランド郊外に建設中で、そこからは車なしで通勤用高速鉄道(Bay Area Rapid Transit system)やヘイワードのカリフォルニア州立大学に行くことができるのである。

 同大学の名誉教授でこの組合のリーダーであるシャーマン・ルイスは、「引越しするまで待っていられない」と言い、ケイリー・ヴィレッジのおかげで家の車が2台から1台になり、できればゼロになることを希望しているという。しかし住宅ローンの会社は50万ドルもしながら車の余地のない家の再販売価格を気にするし、合衆国のたいていの建築基準法は住宅ユニットあたり二つの駐車スペースを要求しているので、現在の制度はこのプロジェクトに大変不利に働いている、とルイス氏は言う。ケイリー・ヴィレッジは、ヘイワード地区から特例措置を貰ったのである。

 おまけに、車を諦めるように説得することはしばしば非常に困難である。「合衆国の人々は、車を所有しないようにしようという考え方、または所有している車を減らそうという考え方に対しては、信じられないほどの不信感を抱くものです」と語るのは、「カーフリーシティーUSA(CarFree City USA)」運動の共同創始者のデイヴィッド・シーザー氏。氏によると、ヴォーバン程度の規模の郊外地でなされたカーフリーのプロジェクトで成功した例は、これまで全米に一つもないという。

 ヨーロッパでは国家規模で考えている政府もある。2000年、イギリスは都市計画を改良して、これからの開発地は公共の交通機関で行けるように求めることで、車の使用を減らそうとする包括的な努力を開始した。

 「土地開発を構成するさまざまな仕事、ショッピング、レジャー、サービスは、車が大多数の人にとっての唯一の現実的な移動手段であるという前提のもとで考案され位置づけられるべきではない」と述べるのは、イギリス政府の革命的な2001年都市計画文書であるPPG13。ショッピング・モール、ファスト・フード・レストラン、マンションなどからなる数十にも及ぶ複合施設が、この新たなイギリス政府の方針に基づいて、建築許可を拒否されたのであった」。(後半に続く)  

 




 


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