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脳の老化とブリッジ(1) [海外メディア記事]

 脳の老化を防ぐためには何が良いのか?

 ニューヨーク・タイムズ紙の記事の前半です。
http://www.nytimes.com/2009/05/22/health/research/22brain.html?_r=1&ref=science

By BENEDICT CAREY
Published: May 21, 2009

「 ブリッジのテーブルには呆けない老年のための手がかりがいろいろある


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 カード・ルームのご婦人たちはブリッジをしている。彼女たちの年齢を考えると、カードゲームは趣味とはいえない。それは生活スタイル、日常に楽しみと刺激を与えてくれるものであるが、すべてが闇になる前に皆がそろって楽しむ最後のキャンプファイヤーのようでもある。

 「血行を良くするためにブリッジをしているの」。ルース・カミンズさん(92歳)はそう言うと、次のゲームに備えてレッド・ブル(=栄養ドリンクのこと)を一口飲んだ。
 
 「このおかげで元気でいられるのよ」と付け加えるのはジョージア・スコットさん(99歳)。「ここには大の親友がいますからね」。

 近年、科学者たちは「スーパー・メモリー・クラブ」とでも呼べるもの――つまり、スコットさんやカミンズさんのように、痴呆の兆候をまっくた見せることなく90歳をこえても元気でいる、200人に1人もいない人々の集団――に強い関心を示し始めた。この集団は充分大きな集団なので、人間の生命が達しうる限界近くにいながら明晰な状態を保っている脳に対する洞察を与えてくれるだろうし、若々しい心を最後まで保つには何が必要であるかを研究者が引き出すうえで参考になるだろうと期待されている。
 
 「この人々はもっとも上手に年をとった人々であり、この人々のおかげで、私たちは、遺伝子や日常の仕事や生活で何が重要なのかを、ようやく今になって学び始めているのです」と語るのは、カリフォルニア大学アーバイン校の神経学者クラウディア・カーワス博士。「たとえば、私たちは、脳を使って、精神を刺激し続けることはとても重要であると思っていますが、精神の活動がすべて等しいわけではないのかもしれません。社会的要素が決定的に重要であるという証拠はいくつかあります」。

 ロサンジェルスの南にある人口2万人の広大な高齢者居住地域ラグーナ・ウッズは、高齢者の健康および知力を数十年単位で調べている世界最大の研究の中心地である。1981年に南カリフォルニア大学の研究者によって開始され、90歳プラス研究(90+ Study)と名づけられた研究は、65歳以上の高齢者14,000人以上、90歳以上の高齢者を1,000以上を対象にして進められている。

 こうした研究は歳月を経るほど成果が出るものだが、この研究の結果は科学者が老化する脳を理解する仕方を徐々に変え始めている。一日のかなりの時間、3時間かそれ以上をカードゲームのような精神活動に熱中してすごす人々は痴呆になるリスクが低いことが示されている。研究者は結果と原因をハッキリさせようと努めている。そういう人々は若々しいから活動的なのか、それとも活動的だから若々しいのだろうか?

 研究者たちは、また、90歳以上で痴呆の高齢者が占める割合は、これまで専門家の推測とは違って、横ばいあるいは減少するわけではないことも示した。その割合は増加し続けるのであって、90歳以上の600人のうち95歳にまで達した人で、男性はほぼ40パーセント、女性は60パーセントの人が痴呆と診断された。

 同時に、この研究や高齢者についての別の継続的研究の発見は、アルツハイマー病によるありとあらゆる生物学的損傷を示す脳をもちながら頭脳明晰のままでいることに役立っている遺伝子があるということを示唆した。90歳プラス研究、いまではU.S.C.とカリフォルニア大学アーバイン校の共同プロジェクトとなっている研究で、研究者は定期的に遺伝子テストを行い、住民の記憶をテストし、彼らの活動を跡づけ、血液サンプルを採取し、場合によっては、住民の脳の検視分析を行っている。アーバイン校の研究者は100以上のサンプルからなる脳バンクを維持している。

 ラーグナ・ウッズは、バンガローとコンドミニアムが整然と立ち並んでいて、オレンジ・カウンティーの南部に入り込んでいる部分もある村である。この門のある村に入居するには、いくつかの条件を満たさなければならないのだが、そのうちの一つは、フルタイムのケアは必要ではないという条件である。65歳であれ95歳であれ、この村にやってくる人々は活気に満ちている。

 彼らはここで新たな生活を始める。新たな友達を作る。それが新たな恋のパートナーになるかもしれない。この村のフィットネス・センターの一つで新たな活動にはげむ。または、400以上ある居住者のクラブで新たな趣味を始める。新たなキャンパスに来たばかりの大学の新入生みたいな忙しさだが、一つ大きな違いがある。それは、彼らが、大学生ほどには、将来や過去に興味をもっていないということである。

 「私たちはその日一日のために生きています」。そう語るのは、長年この地で暮らす90歳台のレオン・マンハイマー博士。

 しかし、ラグーナ・ウッズや他の地で行われた研究が見いだしたことは、痴呆のケースで普通何よりも大事なのは、その日一日という現在についての新しい記憶を形成できる能力なのである。

 仲間とともに暮らしている高齢者はこのことを身をもって知っており、自分自身のノウハウ、自分自身の実験を築き上げてきた。彼らは、慎重な観察に基づいて、お互いを診断しているのである。そして、様々な種類の記憶の喪失を区別できるようになり、どういう喪失が大したことのないもので、どういう喪失が不吉なものであるかが判るのである。

 
   ブリッジ・テーブルの座席

 
 ここラグーナ・ウッズでは、多くの居住者が集まってとても複雑な計算をしている場所がある。ブリッジ・テーブルである。

 コントラクト・ブリッジをするには半端ではない記憶力が必要である。4人のプレイヤーが2組に分かれて、出されたカードに従いながら、パートナーの作戦を読みとらなくてはならない。優秀なプレイヤーは出されたカードをすべて記憶しているし、それがチームにとってどういう意味を持つのかも記憶している。カードを一枚でも忘れるならば、勝負では不利になり、チームは敗北するかもしれないし、社会的な結びつきもそれで終わりになるかもしれない。

 「パートナーがしくじり始めたら、もう信頼はされませんね」。そう言うのは、ラグーナ・ウッズに住むブリッジの常連ジュリア・デーヴィスさん(89歳)。「要は、そういうゲームなんですよ。こんな風に言うのはひどいことだけど、それが起こるのを目にするもはもっとひどいこと。相手側のプレイヤーも困ってしまうんです。そうなると、どうにもなりませんね」」。(後半に続く)




 

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