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すたれつつある男性という性(3) [海外メディア記事]

『シュピーゲル』誌の記事の第三回目です。
http://www.spiegel.de/wissenschaft/mensch/0,1518,601269-3,00.html



忘れられた性

 第三部:女児より男児のほうが出生時において多く死亡する

 そうした区別に、脳に関する若干の発見が呼応するのである。女性の言語中枢には神経細胞が特にぎっしり詰まっており、男性よりも大きな脳の領域があるほどである。たとえば、感情のコントロールに関係する前頭皮質がそうである。男性では、空間把握に一役買っている側頭葉の領域がすぐれて発展している。

 両性間には、まだ、更なる注目すべき違いがある。すでに出生時において死亡するのは男児のほうが女児より多いし、幼児の突然死も男児のほうが多い。男児のほうが早く病気になりやすいし、無力症にかかるのも男児のほうが多く、それに事故にあうのも男児のほうが多い。男性はバランスの取れた栄養状態ではないし、スポーツをすることが少なく、健康のためにはスポーツより薬に走り、それでも病気にかかる頻度は高い。男性の平均寿命は、西側社会では、平均して6~7年女性のそれよりも劣る。

 
 男性の体が女性より弱い理由は、発生時の特別な仕組みが提供するかもしれない。なぜなら、ある生体が女性になるか男性になるかを決めるのは性染色体で、それには大きなX染色体ととても小さなY染色体がある。Y染色体があれば、男性が誕生する。染色体はすべて対で存在するので、男性はY染色体以外にX染色体も所有している。女性にはY染色体が欠けている。その代わりに、その体細胞はすべてX染色体を2個ずつ含んでいる。

 さて、X染色体上には1000個以上の遺伝子があるが、小さなY染色体が含む遺伝子は100に満たない。したがって、二つのX染色体をもつ女性にとっては、その都度保険となるコピーとして役立つそれら遺伝子の各々が二つのことをなし遂げるのに対して、男性は、そのX染色体のすべての遺伝子が機能することに頼るか、それとも弱点を我慢しなければならないのである。


 男児がその生物学的構成によって不利な立場にいるということが証明されたのだろうか? 男児は、生まれながらにして、特定の特徴をもっていて、そのために学校生活が女児よりも困難になる、ということが証明されたのだろうか?


 しかしそれほど簡単なわけではない。第一、すべての発見で問題となるのは、つねに平均値なのである。つまり、個人が型どおりの役割像からかけ離れてしまうことはあるのであって、たとえば、男児が社会的能力で秀でたり、女児が数学的能力で秀でることだってあるだろう。

 
 他方で、環境と生物学的要因は、つねに、複雑な相互作用の関係の内に立っている。そしてこの関係が、時には、性差をさらに強化してしまうことだってある。

 
 たとえば、おもちゃを考えてみよう。ある研究が、大人の被験者に、生後数ヶ月の幼児を示し、見た目で判断した性別にしたがって区別して扱うように、と指示をだした。被験者には、女の赤ちゃんの場合は、おもちゃとして人形を差し出し、男児の場合は自動車のおもちゃをあげるようにと言っておいた。


 子供は、被験者の行為が、自分の性に典型的な関心に見合うときは、乗り気の反応を見せた。たとえば、男児は人形よりも自動車を選んだし、女児はその反対の反応を見せた。ドリス・ビショフ=ケーラーが言うように「自然と環境はつねに協働しているのである」。

 1960年世代の教育学の実験もそのことを示している。当時の親たちは、固定した役割といったものなしで子供を育てようとしたし、女児も男児も等しく扱おうとした。親は、性の固定した差異が次第に縮まるだろうと期待した。しかし結果は正反対であり、差異はむしろ強化されたのである。男児は、さらに攻撃的になったし、女児を手ひどく抑えつけることには変わりがなかったのである。

 
 性に典型的な行動は、相互に作用するプロセスであり、そこには多くの要因が関係している。つまり、それは変更不能なほど確定したものではないのである。男児が女児とは異なる関心や欲求や能力を持っているとしても、それ相応の支援や励ましをすれば、通常は苦手のことも習得できるようになるのである。


 そのような支援や励ましがないので、今日の男子生徒は、女性の方に定位した教育の世界において自己主張をしようとして問題を起こすのである。われわれがそのような世界の中で暮らしているということは、多くの教育学者、社会学者、心理学者が確信していることである」。(以下続く) 











 


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