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不況の心理的影響 [海外メディア記事]

 不況が、人間の心に落とす影についての報告記事をニューヨーク・タイムズ紙から紹介します。日本でも、こういう人、多いのでしょうね。

 http://www.nytimes.com/2009/04/09/health/09stress.html?_r=1&hpw




 「不況による不安が日常の暮らしに浸透する

 アン・ハバードは職も家も貯蓄も失っていないし、彼女も夫もお金に関してはいつでも保守的だった。

 しかし、数ヶ月前、マサチューセッツ州ケンブリッジに住むグラフィック・デザイナーのハバードさんは、息苦しくなり「なにもかも失った」鮮明な光景が見えたような気がして、経済のことでパニック発作を覚え始めた。


 「経済についてのどんな記事でも、読んだら止められなく」なり、何度も「胃がむかむかするので体重が12ポンドも減り」、「活動することができなった」ハバードさん(52歳)は、生まれて初めて精神科に通い始め、投薬治療とセラピーを受けている。


 マイアミでは、ヴィクトリア・ヴィラルバさん(44歳)は、毎日1日8時間は眠っていたが、彼女が経営している雇用サービス会社に必死な顧客が何波にもなって津波のように押し寄せてくるため、午前二時になっても眠れないようになった。そうなるともう眠気も覚めるので、彼女はまずメールの返事を出し始めたのだが、眠っている同僚のブラックベリーを鳴らして同僚を起こしてしまうため、今では、経営の本を読んだりクローゼットを隅々まで整理をしている。


 「どうしたらいいのでしょう」と彼女は言う。
 「普通の人はこんなことしてませんよね」。

 経済の被害が数ヶ月あるいは数年続くと予想される中、こうした反応が普通になりつつある、と専門家は言う。不安、抑鬱、ストレスが人々をいたるところで苦しめているが、多くの人は著しい経済的損失の被害を蒙っているわけではないが、いつかはそうなるかも知れないことを心配したり、あるいは単に、不安の広がりに反応しているだけなのである。

 
 カウンセリングや投薬治療を生まれて始めて探し求めている人もいる。治療を再開したり受診回数を増やしたりする人もいるし、他の問題のためのセラピーを経済不安のセラピーに切り替えた人もいる。

 経済と、これから起こるかもしれないことに対する恐れはとてつもない影響を及ぼしています」。そう語るのは、ワシントンのセラピストで、商務省の雇用援助プログラムを指揮しているサラ・バラード・ステックさん。 
「ひどい不安、夫婦不和の拡大、家庭内暴力、薬物乱用などの問題を抱えてやってくる人が増えています」。

 ピッツバーグの精神科医アラン・A・アクセルソンによると、「ピッツバーグは経済的にとても順調なのですが」、初診の患者やめったに来なかった患者が「ぶり返しを経験していっそう多くのセラピーと投薬治療を必要としているのが現状です」。

 不況の結末を推し量るのは時期尚早だが、不況の影響がますます増大しているという調査結果が出ている。9月に行われた全米心理学協会のアンケートでは、経済が重大なストレスの原因になっていると報告した会員は、昨年4月の66%から、80%に増大した。全米睡眠協会によると、昨年秋に調査した人々のうち27%が経済的不安による不眠を訴えている。

 全米自殺防止ライフラインに寄せられる電話本数は、2008年1月の月39,465本から、2009年1月では50,158本に跳ね上がった。経済がおよぼすストレスが「中心の役割を果たす」ことが増えましたと、このグループの連邦プロジェクト幹部のリチャード・マキオンは語った。

 財務省や労働省や他の省は、ストレスを経験している人々のためのウェブ・サイトを開設した。薬物乱用・精神衛生管理庁は、普通はトルネードや洪水に被害を受けた人々を援助するカウンセラーを、不況でつらい状況にある人々を助けてあげられるように訓練しているのです、と管理庁アドバイザーのマキオン博士は言う。

 ニューヨーク・タイムズとCBSニュースの調査によると経済が悪化したと答える人の数は減ってきたが、ほとんどの人は経済が上向いているとは考えていない。不況はあと一年かそれ以上続くと考えている人は群を抜いて多く、家族の誰かが無職になるのではという心配を抱えている人が70%にも及ぶ。

 
 不安は、高齢者や自宅所有者のように、失うべきものを多く持つ人を苦しめているだけではない。エリザベス・デューイ・フォークト(25歳)は弁護士補助員をしているが、超過勤務手当が減ったため両親とともにヴァージニア州のアレクサンドリアに移住したのだが、「家計についていつも悩む」ようになったと言い、不安の発作が起きたり、「動悸がして、喉が詰まるような感覚になり、悪寒や発汗、指がしびれたりズキズキしたり」、「ほとんど心が体から離れたような」感じになるという。


 デューイ・フォークトさんによると、彼女は今、抗不安薬を処方してもらっており、運転中にパニックの気配があったら路肩に停車するか「前の車のナンバー・プレートをじっと見なさい」、そして職場でパニックになったら椅子の肘掛のところをぎゅっと握っていなさいというアドバイスをセラピストから受けている。


 子供もサインを出してる。

 マンハッタンの精神科医ダニエル・コーエンによれば、子供が不安と鬱のサインを出したり悪夢を見て行動化する回数が増えことで危機状態に陥った家族が増えているという。

 クイーンズ地区に住むジョシュア・バティスタ君(16歳)は、タクシー事故にあった後、鬱とPTSDの治療を受けているのだが、彼によると、「不況とあのことが始まってから」「気分が沈んでストレスを前より感じるようになった」。学校で「神経が参っちゃって、自分の髪の毛を引き抜いて頭を壁に打ちつけた」という。ジョシュア君は、弾き語りのシンガーで、不況で引き合いが減り収入も減ったという。セラピーと投薬治療が増えた。卒業するよう言われているので、自宅で授業を受けることにしている。彼の母親のエリサ・レヴァインによると、「不況と同時進行なのはあの子も気づいています」。

 
 保険に入っている人にとっても、経済は不安のもとになり、援助を手の届かないものにしている。

 デラウエア州ウィルミントンの写真家スーザン・バンドロウスキーさん(30歳)は躁うつ病をわずらっているのだが、彼女によると、夫が長期のコンサルタント契約を解除されたため、長距離の移動を要する短期の仕事をせざるを得ないために、4歳になる自閉症の息子は不安がちになり、それで彼女も精神的な負担を感じるようになったという。保険の資格喪失は怖いので、バンドロウスキーさんは、もっとセラピーの回数は増やしたいが、自己負担金を節約するために、受診を間引いている。そしてそれが「不安を高めているのです」と彼女は言う。

 援助を求めている人の多くは恐れを抱いてはいるが、経済的困難を実際に引き起こしているわけではない。…  ミシガン州バーミンガムの心理学者スティーブン・クレイグは「収入が少ない人のほうがうまくやりくりしている場合もあります」と言う。「そういう人は、どれほどお金をもっているかということに、金持ちほどこだわりませんからね」。
 
 … …


 ヴィラルバさんは投薬治療にうんざりして、瞑想教室に通いだした。自分の事務所を出て車に乗り込んで瞑想をすることもあるそうである。
 
 
 ハバードさんは、「家計は良好」であることを知っていたので、「こんな風に感じるべきじゃない、私は幸運なんだ」と思ったそうだ。彼女は、主治医を尋ねたとき、セラピーと投薬治療を薦める主治医に対して、そんなの受け入れられません、だって「自分の足で立て」が、あの大不況時代を生きのびた両親の信念だったのですから、と声を張り上げたそうである。


 「私は精神的に中流階級で、力が弱くて自力で人生の問題に対処できない中年女性のようね。もっと強くならなきゃと思います。たかがお金のことでしょう、お金のことでビクビクしないために、どうして薬なんか飲まなきゃいけないのよ」。

 しかし治療を受け家計を見直したことは役に立ったのである。彼女によると、依然として弱い経済のおかげで、「たとえ自分が正しいことをすべてやったとしても、悪いことが何か起こるかもしれない」ということが心配になるのだそうである」。
 
 












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