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自閉症児の注意をひくのは唇の動き [海外メディア記事]

 科学の専門的な話はついていけなくても、普通の新聞や雑誌で話題になる程度のものならば、一応、それを読むだけの好奇心はもっていたいものです。欧米の新聞や雑誌のオンライン版を見ると、だいたい「科学」のセクションがありますが、日本にはありませんね。そもそも需要がないから作らないのか、作らないから需要が高まらないのか…。理科離れは、子供の教育現場で問題にするようなことではなく、大人がそもそも関心を払わないから、それが子供に伝染しているに過ぎないと思います。

 それはともかく、この場を借りて、私も、時々は科学ネタを紹介して行こうと思っています。今日は、自閉症についての新研究。というか、多くの人は、同じようなことを直感的に判っていたとは思いますが、何となく誰もが判っていたことを、こういう簡潔な形で表現することも科学の役目の一つかと思います。

 ちなみに、最後に出てくる「ミラーニューロン」は、検索すると、たくさん解説記事が出てきますので、興味のある方は検索お願いします。

 原文は『シュピーゲル』誌の3月30日付けの記事です(http://www.spiegel.de/wissenschaft/mensch/0,1518,616225,00.html)。

 
 

  「 自閉症児の注意をひくのは唇の動き

 人間の身振りや仕草ではなく、口元に自閉症児は意識を集中する。こうした観察結果を、子供による実験から研究者が引き出した。この現象によって、なぜ自閉症児がコミュニケーションで問題を抱えるのかが説明されるのである。

 自閉症児は、向かい合う人の目を直視することを避ける――研究者はこのことをずいぶん前から知っていた。なぜ彼らはその代わりに人の口元をじっと見るのか、ニューヘイブンのイェール大学医学スクールの研究者がたまたまその理由を発見した。自閉症児が注目するのは、向かい合う人の身振りや仕草ではなく、口元である。それによって彼らは多くの重要な情報を見逃してしまうということが、アミ・クリンとその共同研究者によって『ネイチャー』(オンライン版)に報告された。

 社会生活をともに送るものにとって、顔の表情や身振りは重要な情報を与える。顔が見えなくても、歩き方で「あの人だ」と判ることがある。ほほ笑み、つり上がった眉、握りしめたこぶし、これらは人がどんな感情を抱いているかのヒントを提供し、その人が次にどんな行動をとるかを見てとる手助けとなる。生まれた直後から、子供はこうした動きのパターンを見積もるようになる。自閉症児においては、こうした重要な能力がごく早い段階で、すでに失われているように思われるのである。

 自閉症児が動きのパタ-ンをどれくらい良く認識できるかをテストするため、研究者は二歳児に短い映像を見せた。それは、ストリート・パフォーマーが出てきて、まずお話をして、それから歌を暗誦し始める、という内容である。歌の暗誦の際に、パフォーマーはリズミカルに手をたたく。研究者は、自閉症児に、スクリーンを二つに分割して、左側に元来の映像を、右側に同じ映像を上下逆にし、終わりから逆に再現して見せた。音声は、どちらの場合も元来の映像からのもので、はじめの場面からの正常な音声にした。

 パフォーマーがしゃべっている間、自閉症児の目は二つの映像を交互に行ったり来たりしていたが、これは、同じ年齢の正常に発達した子供のグループとはまったく対照的であった。正常に発達した子供たちは、まようことなく、きちんと立っているパフォーマーの映像を選んだのである。

 自閉症児は、右側の、上下逆さまになっているパフォーマーが手をたたく様子を、きわめて注意深く見つめていた。映像が逆回転なので、手をたたく音が聞こえなかったにもかかわらず、である。そして左側のパフォーマーが手をたたき始めたとき―それにともなう音もふくめて―、自閉症児の注意は左側のストリート・パフォーマーの方に切り換わった。リズミカルな動きとリズミカルなしゃべりの一致のほうが、手をたたく単独の様子よりも、子供の注意をひくことに研究者は気づいた。この動きとしゃべりの同時性に注意が向くことに、自閉症者が話している相手の口元をもっとも見てしまう理由があると、科学者たちは見ている。

 発達初期の自閉症は、脳のさまざまな部分が正しく協力せず、周囲の世界との社会的相互作用がとりわけ著しい影響を受ける発達障害である。結果的に、自閉症児は周囲の世界から自らを切り離し、自分の殻に閉じこもる。多くの研究者や医師達は、自閉症児にはいわゆるミラーニューロンが充分活動的になっていないと想定している。このニューロンのおかげで、他の人間のまねをしたり、相手の立場に自分を置き入れる(=相手の立場になって考える)ことが可能になるのだが、それが自閉症児には欠けているというのである」。  


 


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