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戦争・対話・アブラハム [探求]

イスラエルのガザでの攻撃がやまない。悲惨な映像や写真をたくさん見た。もういい加減にしろ、と誰もが思っているはずである。イスラエル人もそう思っている。パレスティナ人もそう。しかしどうにもならない。宗教や民族から離れることができればいいのだが、それは無理なのだろう。9.11以降どうにかしようという気運が、宗教界から出てもよさそうなのに、と思っていたのだが。
 
 そんな折に、ドイツ最大の週刊誌『シュピーゲル』のこんなインタビューが目にとまった。
 (http://www.spiegel.de/international/world/0,1518,598234,00.html)。元来はドイツ語なのだが、英訳されて掲載されているので、そちらに基づいて、少しだけ紹介してみよう。
 
 ’My Dream Is to Create a United Religious Nations'
 「私の夢は、宗教の国際連合を創り出すことである」。
 
 Yona Metzger, the Ashkenazi Chief Rabbi of Israel, talks to SPIEGEL ONLINE about the Abraham as the father of all three monotheistic religions -- Islam, Christianity and Judaism -- and explains how that connection could be a starting point for a dialogue of peace between them.
 
 どうも事実関係が良くわからないのだが、ラビにも、いろいろあってアシュケナージ系のラビというのがあるのか?そこはカットして、とにかく、
イスラエルの著名なラビなのであろう、ヨナ・メツガーという人が、三つの一神教的宗教の父であるアブラハムについて語り、その結びつきが、どうしたらその三者間の友好的な対話の出発点となりうるのかを説明する、というものである。さて、
途中の箇所を見てみよう。

 SPIEGEL ONLINE: When you look at the historical perspective, much blood was spilled in the name of religion. So how can a dialogue be conducted between religions?

 歴史の全体を見てみると、宗教の名の下に、多くの血が流されてきたわけです。ですから、どうして宗教間の対話ができましょうか。

Metzger: Look, Abraham specifically is very helpful regarding dialogue -- and I will give you an example. Once I had a meeting with an Iranian leader. He was one of the heads of the Ayatollahs. Initially he did not want to shake my hand, but eventually I turned to him and asked him: "Do you believe that your forefather was Abraham?"
 
 対話に関する限り、アブラハムはとても役に立つんですよ。一例をお教えしましょう。一度、私はイランの指導者と話し合ったことがあります。彼はシーア派の高僧のトップの一人でした。はじめ、彼は握手をしようとはしませんでしたが、結局私は彼の方を向いて、こう聞いたのです。「あなたの先祖がアブラハムであると信じていますか」。 
  
SPIEGEL ONLINE: Ibrahim, as the Muslims call him in Arabic.

 イブラヒムですよ、イスラム教徒がアラビア語で言うとしたら。
 
Metzger: Yes. Ibrahim. And he answered, "Yes." I said to him that I also believe that my father was Abraham. So I asked him, "Do you believe that our forefather would be pleased today -- up in heaven -- seeing that one son kills himself in order to kill his other son? Which father would delight in such a thing?" He did not have an answer.

  そう、イブラヒムだね。彼は、「信じていますよ」と答えた。私は彼に、私も自分の父がアブラハムだと信じていると言った。そこで私は尋ねたんだ。「私たちの先祖は今日-天国で-一人の息子がもう一人の息子を殺すために自殺する様を見て喜ぶだろうか」と。彼は答えませんでしたが。・・・・
  
 
 これはイスラム教徒による自爆テロを暗示した発言なのだろうが、このメツガー師に、今のガザの有様に即して同じ質問をすると、彼はなんと答えるのだろうか? もちろん今の状況は自殺テロではなく、単純な殺戮行為なのだが。
 彼がなんと答えるか、それは知らない。いずれにせよ、共通の先祖を持っているのだから、その点に対話の出発点があるじゃないか、という発想は、平和主義的にも聞こえるが、どっちみち、ユダヤ人には悪い話ではないのだからという手前勝手な論理のように聞こえないこともない。いずれにせよ、そういう対話の延長線上に ’a United Religious Nations' なるものができて、その共通の土俵のうえで話し合いが進めばこれほど素敵なことはないと思うが、同時にこんなの夢物語にすぎないと一笑するだけの自分がいることに気づくのである。何故だろうか? 

 ・・・どうも腑に落ちないのは、「出発点」とされている「アブラハム」には物騒なところがなきにしもあらず、という側面があるのである。それは、突き詰めれば、「一神教」が宿命的にもつ物騒さかもしれないのだが・・・
 
  
  これから、次の有名な物語を考えてみたいと思う。

   創世記22章1~19節
 『 これらのことの後で、神はアブラハムを試された。神が、「アブラハムよ」と呼びかけ、彼が、「はい」と答えると、神は命じられた。「あなたの息子、あなたの愛する独り子イサクを連れて、モリヤの地に行きなさい。わたしが命じる山の一つに登り、彼を焼き尽くす献げ物としてささげなさい。」
 次の朝早く、アブラハムはろばに鞍を置き、献げ物に用いる薪を割り、二人の若者と息子イサクを連れ、神の命じられた所に向かって行った。
 三日目になって、アブラハムが目を凝らすと、遠くにその場所が見えたので、アブラハムは若者に言った。「お前たちは、ろばと一緒にここで待っていなさい。わたしと息子はあそこへ行って、礼拝をして、また戻ってくる。」
 アブラハムは、焼き尽くす献げ物に用いる薪を取って、息子イサクに背負わせ、自分は火と刃物を手に持った。二人は一緒に歩いて行った。
 イサクは父アブラハムに、「わたしのお父さん」と呼びかけた。彼が、「ここにいる。わたしの子よ」と答えると、イサクは言った。「火と薪はここにありますが、焼き尽くす献げ物にする小羊はどこにいるのですか。」
 アブラハムは答えた。「わたしの子よ、焼き尽くす献げ物の小羊はきっと神が備えてくださる。」二人は一緒に歩いて行った。
 神が命じられた場所に着くと、アブラハムはそこに祭壇を築き、薪を並べ、息子イサクを縛って祭壇の薪の上に載せた。
 そしてアブラハムは、手を伸ばして刃物を取り、息子を屠ろうとした。
そのとき、天から主の御使いが、「アブラハム、アブラハム」と呼びかけた。彼が、「はい」と答えると、御使いは言った。「その子に手を下すな。何もしてはならない。あなたが神を畏れる者であることが、今、分かったからだ。あなたは、自分の独り子である息子すら、わたしにささげることを惜しまなかった。」
 アブラハムは目を凝らして見回した。すると、後ろの木の茂みに一匹の雄羊が角をとられていた。アブラハムは行ってその雄羊を捕まえ、息子の代わりに焼き尽くす献げ物としてささげた。
 アブラハムはその場所をヤーウェ・イルエ(主は備えてくださる)と名付けた。そこで、人々は今日でも「主の山に、備えあり(イエラエ)」と言っている。
 主の御使いは、再び天からアブラハムに呼びかけた。
 御使いは言った。「わたしは自らにかけて誓う、と主は言われる。あなたがこの事を行い、自分の独り子である息子すら惜しまなかったので、
あなたを豊かに祝福し、あなたの子孫を天の星のように、海辺の砂のように増やそう。あなたの子孫は敵の城門を勝ち取る。
 地上の諸国民はすべて、あなたの子孫によって祝福を得る。あなたがわたしの声に聞き従ったからである。」
 アブラハムは若者のいるところへ戻り、共にベエル・シェバへ向かった。アブラハムはベエル・シェバに住んだ』。

 
 多分、多くの人は、ここに、良くは判らないが、何か物騒なものを感じるのではないだろうか?
 (続く)




 
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