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詩の追加 [子供とともに(更新ほぼ停止中)]

 前に紹介した吉野弘という詩人のことが知りたくなったので、図書館で関連した本を借りて読んだ。二篇だけ紹介しておきたいものがあった。
 最初の「祝婚歌」は、「奈々子に」と同様少し説教じみた感じを与える。実際、結婚する若い人に当てて書かれたものだろう。多分、あまり詩には相応しくないような気がするのだが、吉野弘はこういう「正論」を自由詩として述べることが好きだったのだろう。
 少し長いので、前半だけを転記する。


 「祝婚歌」

 二人が睦まじくいるためには
 愚かでいるほうがいい
 立派すぎないほうがいい
 立派すぎることは
 長持ちしないことだと気付いているほうがいい
 完璧をめざさないほうがいい
 完璧なんて不自然なことだと
 うそぶいているほうがいい
 二人のうちどちらかが
 ふざけているほうがいい
 ずっこけているほうがいい
 互いに非難することがあっても
 非難できる資格が自分にあったかどうか
 あとで
 疑わしくなったほうがいい
 正しいことを言うときは
 少しひかえめにするほうがいい
 正しいことを言うときは
 相手を傷つけやすいものだと
 気付いているほうがいい・・・

  これは、もちろん若いカップルに当てはまるわけだが、子供に対する親の関係にも幾分当てはまるような気がする。子供をしかるとことは多々あるが、少し及び腰で、自信満々でない方がいいのだろう。親と子は、いつも非対称の関係にある。そのいびつさを少し補うためにも、親は、あえて少し愚かでいたほうがいいのだ。子供は、その配慮のもとで育つ。そういう配慮に子供は敏感である。

もう一篇は、奈々子が生まれた直後に書かれたという「父」である。


 「父」

 何故 生まれねばならなかったのか。
 子供が それを父に問うことをせず
 ひとり耐えつづけている間
 父は きびしく無視されるだろう。 
 そうして 父は
 耐えなければならないだろう。
 
 子供が 彼の生を引受けようと
 決意するときも なお
 父は 優しく避けられているだろう。
 父は そうして 
 やさしさにも耐えねばならないだろう。 








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