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スカラ・サンタのイエス像(ローマ滞在の雑感3) [雑感]

 ホテル周辺で書いておきたいことがもう一つある。

 実は、早朝の散歩で、最初に私の注意を引いたのは、ラテラノ大聖堂の聖人像ではなく、スカラ・サンタの方だった。大聖堂の向かい側にある小さな教会だが、その綺麗な側壁の画像が注意を惹いたのである。

 キリスト教を公認したコンスタンティヌス帝の母エレナは熱心なキリスト教信者であったが、320年イェルサレムに巡した際に、イエス出生の地やゴルゴダの丘を再発見したとされるが、そのときに聖十字架などとともに、イエスの処刑を命じたローマ総督ピラトの官邸にあった階段を持ち帰ったとされる。(ちなみに、エレナのこの「再発見」には信ぴょう性はほとんどないと思われる。イェルサレムは度重なる内乱や戦争によって徹底的に破壊されたので、イエスの墓跡はもちろん、ピラトの官邸がそのまま残っていたなどということはとても信じがたいことだからである。しかし、まあ、堅いことは言わないようにしよう)。


 イエスがここを歩いたという伝説から「聖なる階段」と崇められて、信者が途切れることなくここに集うということは事前に知っていたが、実際に来てみると、果たして、早朝から熱心な信者さんたちが階段を一段一段跪きながら、時間をかけて祈っているではないか。私は、三日連続して早朝にスカラサンタに来たが、三日とも同じ光景を見ることが出来た。一番上の段までたどり着くのに、どれほどの時間がかかるのだろう、それほど丁寧な祈り方だった。




062. 早朝からスカラ・サンタで祈る人々.JPG



 
 それはともかく、私の目を惹いたのは側壁の画像のほうだった。前日入ったレストランがある日陰のわき道を抜けて、視界が広くなったとき、ふと見上げてみると散文的な街並みから急にこの宝石のような画像が現れるので少しはっと息を飲む思いがした。



016.スカラ・サンタの側壁.JPG



017.側壁のクローズ・アップ.JPG



 

 イエスが手にもっている書物には" PAX VOBIS”の文字が。英語にすれば"Peace to you"、日本語にすれば、少し文語的に「安らぎがあらんことを」というところだろうか?

 
 やはりラテラノ大聖堂の聖人たちと同様に、イエスもローマの人々に目を向けているのである。しかし、こちらの方は装飾的すぎてすぐに少しうるさく感じられるようになった。言葉を語りかけるイエスに対して、大聖堂の聖人たちは無言のまま手を差し伸ばす仕草がいっそう雄弁であり、いっそう印象的に感じられる。私の気持ちは、大聖堂の聖人たちの方に傾いていったのであった。







(つづく)





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