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マルコ 2:1-3 [マルコのためのノート]

 「マルコによる福音書」を、一応、ギリシア語原文から学習しようと思い立った。このブログを利用すれば、少しは地道な努力を続けられるかなと期待しつつ。


 古典ギリシア語は、大学の二年時に、初級文法の授業を受けて、その時は良い成績だったものの、それ以降、まとまった時間を見つけることができず(あるいは、そういうことを口実にして)、まったく努力を怠っていた。ときたま、そろそろ力を入れてみようかなという思いが散発的に浮上するものの、それが継続的な努力に結び付くことがなかったし、また、そういう努力を払うに値すると思うような材料も見つからなかったので、その都度、有耶無耶で終わっていた。

 
 さいわい、最近、「マルコ福音書」に対する関心が芽生えてきたので、これを地道な努力の材料にしてみようと考えた次第である。

 ここでの主眼は、あくまでギリシア語の勉強にある。初学者なので、参考にする辞書も定評のある上級者向けのものは一切使わず、オンラインの“Bible Hub(http://biblehub.com/)”と、そのサイトが推奨している中級者向けの辞書(Thayer's Greek-English Lexicon of the New Testament)を利用する。Strong's Greekの番号で調べられるので、初学者には大変便利である。古典語の最大の難点は動詞の活用変化にあると言っても過言ではないだろう。動詞の変化については、くどいくらいバカ丁寧に解説する。これに慣れることが、最初の(そして最大の)難関であると思う。


 例えば、「εἰσελθὼν  … V-APA-NMS」とあるとする。 
 
 V は「動詞(Verb)」、APAのAは「アオリスト(Aorist)」、Pは「分詞(Participle)」、Aは「能動形(Active)」。さすがに、これがどういう意味か判らないという人は、初級の文法書を読むしかない。ここは、その程度の文法的知識はあるけど、それ以上の知識がない人向けの解説をする。

 動詞については、「時制(Tense)」、「法(Mood)」、「相(Voice)」が言えなければならないので、すべての動詞について、その三要素は必ず記すことにする。それに、動詞に限らず、活用変化するすべての品詞について、挌(Case)、「性(Gender)」、「数(Number)」も言えなければならないので、これも併記する。上の例のNは、「主格(Nominative)」、Mは「男性(Masculine)」、Sは「単数(Singular)」である。


ちなみに主な略語の一覧を示しておこう。


 時制(Tense)

P - 現在(Present)
I - 未完了過去(Imperfect)
F - 未来(Future)
A - アオリスト(Aorist)
R - 現在完了(Perfect)
L - 過去完了(Pluperfect)

 法(Mood)

I - 直説法(Indicative)
M - 命令法(Imperative)
S - 接続法(Subjunctive)
O - 希求法(Optative)
N - 不定法(Infinitive)
P - 分詞 (Participle)


 相(Voice)

A - 能動相(Active)
M - 中道相(Middle)
P - 受動相(Passive)
M/P - 中道あるいは受動相(Middle or Passive)


 挌(Case)

N - 主格(Nominative)
V - 呼格(Vocative)
A - 対格(Accusative)
G - 属格(Genitive)
D - 与格(Dative)


 性(Gender)

M - 男性(Masculine)
F - 女性(Feminine)
N - 中性(Neuter)
 
 数(Number)

S - 単数(Singular)
P - 複数(Plural)







 日本語訳は、田川建三氏の訳を使わさせていただく。( 福音書の内容についても、時折、解説めいたことを言うと思う。 Marcus,Gnilka等いろいろ使うかもしれないが、これはあくまで「つけたし」である。 )






 マルコの第二章から始めよう。本来ならば、第一章から始めるべきだろうが、第一章はいろいろ難しい部分を含んでいるので、後回しにする。






 「  KATA MAPKON 2:1-3


1 Καὶ εἰσελθὼν πάλιν εἰς Καφαρναοὺμ δι’ ἡμερῶν ἠκούσθη ὅτι ἐν οἴκῳ
  ἐστίν.

2 καὶ συνήχθησαν πολλοὶ, ὥστε μηκέτι χωρεῖν μηδὲ τὰ πρὸς τὴν θύραν,
 καὶ ἐλάλει αὐτοῖς τὸν λόγον.

3 Καὶ  ἔρχονται φέροντες πρὸς αὐτὸν παραλυτικὸν αἰρόμενον ὑπὸ
 τεσσάρων.




 日本語訳 「

1 そして幾日か後に再びカフアルナウムに入ると、彼が家に居る、という話が伝わった。


2 そして多くの者が集ったので、もはや戸口のあたりさえも、すきまがないほどであった。そしてその人たちに言葉を語るのであった。

3 そして彼のもとに身体麻痺の患者が四人の者に担われて連れて来られる。


」。




εἰσελθὼν … V-APA-NMS (動詞:アオリスト分詞能動:主格男性単数) 1525.εἰσέρχομαι(入る)

ἠκούσθη  … V-AIP-3S (動詞:アオリスト直接受動:三人称単数)   191. ἀκούω(聞く)

ἐστίν   … V-PIA-3S  (動詞:現在直接受動:三人称単数)    1510. εἰμί(ある、いる) 

συνήχθησαν… V-AIP-3P (動詞:アオリスト直接受動:三人称複数)   4863. συνάγω (集める)

χωρεῖν  …  V-PNA(動詞:現在不定能動)            5562. χωρέω (余地をつくる)

ἐλάλει  … V-IIA-3S (動詞:未完了直接能動:三人称単数)     2980  λαλέω (話す)
 
ἔρχονται… V-PIM/P-3P (動詞:現在直接中受動:三人称複数)    2064.ἔρχομαι (来る)

φέροντες … V-PPA-NMP (動詞:現在分詞能動:主格男性複数)  5342.φέρω (もたらす)

αἰρόμενον… V-PPM/P-AMS (動詞:現在分詞中受動:対格男性単数) 142.αἴρω (かかげる)
 
 


εἰσελθὼν … εἰσ + έρχομαι.

έρχομαιは、手元のポケット版ギリシア語辞書の巻末にある“Top 101 irregular verbs”にも収録されている。こういうのを覚えないと話にならないというのは判っているのだが、なかなか難しい。

έρχομαι…  future ἐλεύσομαι, perfect ἐλήλυθα; 2 aorist ἦλθον.

  同じく、 συνάγωのάγωも注意。future ἄξω; 2 aorist ἤγαγον, passive, present ά᾿γομαι; imperfect ἠγόμην; 1 aorist ἤχθην; 1 future ἀχθήσομαι.
 

  まあ、こういう変化を一々ガチガチに覚える必要はないと思うが、こういうことを積み重ねていくことで、大体の察しがつくようにはなりたいと思っている。















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